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愛の言霊~THE STYX~  作者: 尖角
第四の視点 part3
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優しい人

  私は、ショッピングセンターで出会った女性に、「親とはぐれたので、家まで送っていってくれないか?」とお願いした。


  すると、その人は「構わないわよ?」「ただ、買う物だけ買って来てもいいかな?」と、私と同じ目線にするために、しゃがみ込んで言う。


  「ありがとうございます!!」


  そうやって、私は思ってもないことを言い放ち、『この世にも、こんなに優しい人がいるんだなぁ』と感心してみた。






  だが、私がそんなことを思っているのも知らず、女性は私を“いこいこ”してから、「よーし、ちゃんと付いてらっしゃい!!」と言い、私に手のひらを差し出す。


  だから、私は女性の温かい手のひらを握って、一緒に付いて行くことになった。



  他人からみれば、この光景は仲の良い親子にでも見えるのだろうか?


  悪魔がなぜ“OK”を出したのかは、悪魔にしかわからない。


  けれど、私が手を繋いでいる人のお腹には、子供がいる。


  きっと、旦那さんもいい人なんだろう。


  この人を見ていれば、そんなことまでわかってしまう気がする。



  私の親もこんな人だったのだろか?


  《そうだったら、いいなぁ》 そう、心が呟いた。
















  そんなことを考えていると、女の人は言った。


女:「そう言えば、まだ名前聞いていなかったわね・・・」

 :「私の名前は、瞳(ひとみ)って言うんだけど、あなたのお名前は?」


私:「私の名前は、“あいり”っていうの!!」


  そう言って、とりあえずニコニコとしてみる。


  すると、瞳は後に続けた。


瞳:「あいり?」

 :「変わった名前ね・・・?」

 :「一体、どんな字を書くの?」


私:「うーんとね、、、愛(あい)の理(ことわり)で愛理(あいり)って書くの!!」


瞳:「愛の理かぁ・・・」

 :「いい名前ねぇ・・・」

 :「この子にも―――――」


  そう言って、瞳はお腹をさする。


私:「ん?」「どうかしたの?」


  私は、そう尋ねてみた。


瞳:「いやっね・・・」

 :「実は、この子の名前、まだ決まってないんだぁ」

 :「だからね、その名前がいいよなぁって・・・そう思って・・・」


  そう言って、瞳は私の目を見た。


私:「え?」


  正直、そんなことを言われるとは思っていなかった。


  だから、私は心の中であることを唱えながら言った。

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