死して得たもの
我に返り、外に出ようとした俺は、女の子が現場の悲惨さを見て叫んだせいで、玄関のところで中に入ってきた人にぶつかりそうになった。
しかし、ギリギリのところで躱し、扉を抜けて外に出た。
すると、服には“べっとり”と血が付いていたため、歩道を歩いていた人が大声で叫んだ。
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それから32分後のことである。
俺は近くの路地で警察に捕まり、その5日後に死刑になった。
裁判では、罪なき人々を殺したとして判決が言い渡された。
もう、“生きて償う”なんて余地すら与えられなかった。
そして、わかったことが2つあった。
俺が起こした殺人事件の最後の被害者である吉田茂は、本当に警察には何も話していなかったらしい…。
俺は無意味なことをした…。
『あぁ、、、俺はなんて馬鹿なんだ、、、』
『あぁ、、、俺はなんて馬鹿な人間なんだ、、、』
そうやって、俺は死ぬ瞬間に、初めて自分のしたことを後悔した。
第三章はこれで完結です。
次回は第二章となります。