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タイシとシナリ  作者: @naka-motoo
第4章 2.5人目 私闘
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第65話 させておけ

 数日後。今度は庭に植えてある仏壇用の花がただれて枯れていた。


「除草剤だ」

「大志、警察に言おうよ」

「うーん」


 ばあちゃんは花が枯れたので花屋で仏花を買ってくるよう、志成に頼んだ。

 僕と志成が警察に言おうかと相談すると、


「させておけ」


と言っただけだった。


 次の日。

 志成が膝から血を流して買い物から帰って来た。


「転んじゃって・・・」

「え? どこで?」

「スーパーの駐輪場で」

「どうしたの?」

「なんか、針金が引っ掛かってて」


 タイヤの泥除けと駐輪場の支柱に針金が絡まっていたらしい。それに気付かずに自転車をこぎ出したら、ビン、と針金が張ってから、ぶつっ、と千切れ、その勢いで手もつけない状態で転倒したという。左ひざをすぱっつ、と切った感じの傷口で、跡が残りそうだ。出血はなんとか止まった。


「ごめん、べダル曲がっちゃった。修理代かかるね」

「いや、志成が無事ならそれでいいんだけど、針金が引っ掛かるなんて。大体その針金はどこから出て来たの」

「まさか、とは思うんだけど」

「ユウ、か・・・ばあちゃん」

「させておけ」

「でも、志成が怪我したんだよ!」

「私だって志成ちゃんや大志の身が心配だわい! だが仏様が、”今はさせておけ”、とおっしゃるんだ。何かお考えあってのことだ。おっしゃる通りにするしかない」

「ねえ、ばあちゃん。”ユウ”、は3人目の敵なのかな?」

「それはまだ分からん」

「分からん、て・・・」

「本当に分からんのだ。私も仏様に伺ってみたい気持ちはあるんじゃ。だがまだその時期ではないとおっしゃるんじゃ」

「分かったよ」


 とにかく気を付けるしかない。防犯カメラを設置しようかとも思ったけれども、僕らにはその出費の余裕はない。

 買い物も2人で出掛けるようにした

 バイトは仕方ないのでバラバラだけれども、それ以外の時間はほとんど志成と一緒に行動するようになった。

 ちょっと、嬉しくはある。

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