第64話 小鳥の足の大切さ
仕掛けてきたのは向こうだった。
「大志、これ・・・」
志成がAir mail 用の横封筒を開く。
「鳥の足?」
文鳥か何かの小鳥の足。
それが1本ただ封筒に入っているだけ。
「ポストに入ってたんだけど・・・」
「こんなことする理由のあるのって、ユウ?」
志成と僕はあのリーダーの子をその下の名前で呼び合っていた。
「母親の方かも・・・」
「いや、いくらなんでも大人はそんなリスク冒さないでしょ。多分、僕のことをまあ、”キモいおっさん”、ぐらいの感覚でからかってるんだろうね」
「でも、小鳥の足なんて、いたずらのレベルを超えてるよ」
「確かに。どこでこんなもの手に入れたんだろ」
「自分のペットとか」
「まさか」
「ううん。生きてるのを切ったりはしないだろうけど、たまたま死んだタイミングだったとか」
「うーん。人をいじめる子って、他人の大事なものは平気で傷つけるけど、自分にとって大事なものは絶対にぞんざいな扱いをしないと思うな。多分ペットが死んだら泣くと思うよ」
「同級生をいたぶっても平気なのに?」
「うん」
「そんな」
志成は本当は自分の経験から分かってるはずだ。でも、僕の方から更に補足する。
「いじめをする人間は、性格とか環境とかって話じゃないんだと思う。心の問題でもない。多分、脳が損傷しているんだと思う。病んでるんだよ」
「うん・・・」
「もっと言えば、欠陥だよ。いじめられる側じゃなく、いじめる側の方がね」
「そうだね」




