第5話 この掌に、宇宙を――昼陶芸会、開催。
これはAIが書いたものです
火曜日の朝。営業部のSlackにて、いつものように“やばいお知らせ”が飛ぶ。
【緊急告知】
本日12:00より、“昼陶芸会”を開催します。
粘土あります。エプロンあります。乾燥棚、即席で作ります。
作りたいもの持ってきて。心も持ってきて。
※電子レンジ使用不可、ろくろ無し、手びねりオンリー。
送り主は――もちろん佐倉蒼一。
この男、ついに「芸術」に手を出したのだ。
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12:00 会議室B “窯のない陶芸スタジオ”
「……何これ、ガチやん」
「エプロンまで用意してあるし、粘土、重っ……!」
集まったのは5名。
川端(おしゃれ大好きOL)、高田(器にこだわる経理)、山崎(陶芸アニメにハマってる)、そして広報部の新人・村上が初参加。
会議室の机には、5人分の“作業台”が並び、袋に入った白い粘土がどん、と置かれていた。
その隣には、佐倉が事前に組み立てた段ボール製・乾燥棚が、堂々とそびえる。
「今日は、“昼のうつわ”を作る。小皿、湯呑み、茶碗……自分の“昼”に合ったものを、自由に作ってください」
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12:05〜12:40 昼に咲く、粘土の花
手びねり、という技法。
粘土を手でこね、ちぎり、少しずつ形を作っていく。
佐倉は、小ぶりな蕎麦猪口を作り始めた。
山崎は“キャンプで使いたい”と称してごつめのカップに挑戦。
川端はピアス用の陶器トレイ、高田は豆皿5連セットという職人志向。
新人の村上は、とりあえずゆるい猫の置物を作っていた。
会議室に流れるのは、BGM代わりのしとしと雨音のYouTube動画。
笑いもなく、誰もしゃべらない時間。なのに、全員が幸せそうだった。
佐倉は言った。
「こういう時間って、昼にしかないかもしれない」
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12:41 “作品発表会”
乾燥棚に並べた作品を見て、歓声と爆笑。
•村上の猫、絶妙に不細工で愛され系
•川端のトレイ、なんか売り物っぽい
•山崎のカップ、重すぎて落としたら床が割れそう
•高田の豆皿、真顔で「これはセット販売ですね」とつぶやく
•佐倉の蕎麦猪口には、底に「昼」と刻まれていた
「焼けないのが残念っすねー」
「焼く場所……探してるんだよ、実は」
佐倉はスマホを取り出して、地図アプリを開く。
「都内の陶芸教室で、昼だけレンタルしてくれるとこ、あるかもしれない。“昼焼き”を、次は目指す」
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12:55 静かな撤収
みんなで机を拭き、粘土を密閉袋に戻す。
指についた細かな土を拭いながら、どこか名残惜しそうに、それぞれが日常へ戻っていく。
佐倉は作品たちを棚に収め、最後にひとつだけ残った小さな塊の粘土を手に取る。
くるくると丸め、何気なく形にしたのは――小さな地球のような球体だった。
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13:00 復帰
オフィスに戻ると、電話が鳴っていた。
佐倉はスッと受話器を取りながら、粘土の感触がまだ指に残っていることに気づいた。
「はい、佐倉です。お世話になっております」
(……昼に、世界を作ったような気がする)
それが陶芸の魔力か、昼休みの魔法か――。
答えは、また明日の“昼”にある。




