魔王登場 え? 7
リョウとキョウの今後はどうなるのか?
「ふううう~~、処置終わりました。」
爽やかな笑顔で、レティア、ラティス、そしてグニエルがやり切った感を全開にして額の汗を片手で脱ぐっていた。
「レティア? その大丈夫?」
リョウは部屋の片隅でぼろ雑巾の様になって固まっている、元コーウェン将軍だった物体を見てレティアに尋ねてみた
。
「全然大丈夫ですよ。数分もすれば復活しますから。」
「そ、そうなの?」
この肉塊がどんなフウに生き返るのか、ちょっと興味はあったリョウだったが、さすがにグロテスクな状態だったので無視することに決めた。
「えっと、話に戻りたいのだけどレティア達解る?」
「ええ、おおよそ予想はしておりますし、多分コーウェン将軍とそう違わないと思いますから。」
レティアは問題ないと答えてくれた。
「まあ、こう云った技術的な話は、私やグニエルは苦手なんで、ラティスにお願いするわ!」
「もう、丸投げですか?」
「いいじゃない。リョウ様へアピールチャンスよ!」
親指を立ててグッと押し出しニカッと歯を出して笑うレティアに、諦めるラティス。
「それではお話しますが、先ほどの色魔の話の中で、キョウ様の器となる身体の再生は、ほぼ3000年前と同じ位にはなっていたと推測できます。それが魂の憑依で定着した事で、そのベットで眠る幼女の姿になった。考えられるのは、魔王の身体に形作る為に必要となった膨大な魔力が、リョウ陛下の魂を救うべく、想定以上に力を注ぎ込んでしまったキョウ様の魂を守るべくその魔力で補ったのだと思います。」
(そうか、じゃあお姉ちゃんがあんな可愛い幼女になってしまったのはやっぱり僕のせいなんだ。)
ラティスの説明を聞いて俯いてしまったリョウをレティア達は心配し声を掛ける。
「リョウ様、御自身をあまり責めないで下さい。これは仕方なかった事なのです。それにこうして今、二人はこの場におられるのですから、なんら問題なんてありませんよ?」
真剣な眼差しで、本当に心配しそれを気にかけてくれるレティアが、ちょっと可愛く見えたリョウ。
「ありがとう。レティアって優しいね。そういう女の子って良いと思うよ。」
ボ!!
という音が聞こえた様な気がした。
「レティア? レティア!? どうしたの!?」
ラティスの呼び掛けに全く応える気がないというか、出来ないようだ。
顔が真っ赤になり熱で頭の上に蜃気楼が出来ていそうだ。
「全く、これで私たちの上司なんだから情けないったらありゃしないわよ。」
ラティスはやれやれと云った感じで両腕をを上げ、首を横に振っていた。
とりあえず、コーウェン将軍とレティアはほっといて、後はリョウとラティスそしてグニエルの三人で話し合う事になった。
「つまり、キョウお姉ちゃんは、魂の傷を、転生するための器となる身体に貯まる力で癒し、魂と身体のバランスがとれる状態になった、のが今の状態って事だね。」
「さすがです。リョウ陛下。」
ラティスがリョウの回答を絶賛し、グニエルはウンウンと大きく頷いていた。
(いちいち大袈裟なんだよな?)
「それは良いとして、僕も同じ事が起こったのかな? この身体やっぱり当初より小さくなってる?」
「はい、そうだと思います。リョウ陛下の魂の傷をキョウ様がかなり癒してくれたおかげで、そこまで若返らなくて済んだのでしょう。」
(やっぱりそうか。お姉ちゃんにはいつも助けられてばかりだな。でも今度は僕がお姉ちゃんを守るからね!)
幼女となった姉を守ると心の中で決意を新たにするリョウだった。
「それで僕とお姉ちゃんはこれからどうすれば良いのかな? 一緒に住めるかな?」
現状の事が判って来たリョウにとって、今度はこれからの自分達の事が気になりだし始めた。
死んでもおかしくない状況で、兄弟仲良く異世界に転生し、しかも天界と魔界のそれぞれの王に転生出来た。
これは幸運と言って良いのだろう。
でも、これからの生活が二人一緒でなければ、リョウにとっては意味が無いのだ。
「それはどうかと、グニエルはどう思います?」
ラティスもそれぞれの世界の王が、一緒に暮らすとか考えてもいなかったのだろう。
判断のしようもなく、つい横に居たグニエルに問い掛けてしまった。
「恐れ多くも神王リョウ陛下にあられては、天界の主であり我々神族の王であられます。キョウ陛下もそれは同じと思います。そのお二人方が一緒に済むなどと出来るはずもございません。」
淡々と事務的に喋るグニエルの言葉に、リョウは涙目で聞いていた。
「ちょ、ちょっと! グニエル! リョウ様を一刀両断で斬るなんてあんたは鬼か!」
「私は、神族だぞ。鬼などとは侵害だ。あんな下手物と一緒にするな。」
あまり表情を変えず、当たり前の事を当たり前のように言うグニエルに、ラティスは頭を抱える。
(そうだった、こいつは、こんな性格だった。ああ、リョウ陛下があんなに涙溜めてしまってる!)
「リョ、リョウ陛、そのグニエルの言っていることは普通ならそうなると言っているだけで、他の方法も、」
「やっぱりそれが普通なんだ、グス。」
「ラティス、神王リョウ陛下を泣かせた。」
「あんたが先に泣かせたんでしょ!! 私だけに責任押し付けるな!」
「グス、お姉ちゃん、どうしたら?」
そんなやり取りを三人でしていると、ベットの方で異様な圧力が吹き出し始めているのを三人は感じていた。
「「「!!」」」
「だ~れ~だ~、わ~た~し~の~可愛いい、リョウちゃんを~、い~じ~め~る~の~は~~~~!!!」
「「ひ!」」
さすがの無表情のグニエルもこの時ばかりは恐怖に青ざめたと、後世に伝えていたとさ。
次回も同じくらいに投稿できたら良いな。




