葡萄酒の街 ブルゴ
ハクウがこれから向かうはずの街には先に公爵の一行が先に到着した。
この街は規模はそれほど大きいものではないが、特産の葡萄酒は絶品で国の貿易での利益の二割を占める。国にとっては重要な街の一つだ。
「ここが」
「はい。葡萄酒で有名な街ブルゴです」
街は西洋の赴きがあり、辺境とまではいかないが田舎らしい雰囲気が漂っていた。
「静かでいいところじゃないか」
「そうですね」
「申し上げます。宿が確保できました」
外から兵士の声が聞こえた。
「やれやれ。これで落ち着くな」
ホッと撫で下ろす。
「そうですな」
馬車から出るとそのまま宿の方へと歩いていった。
公爵達が宿へ入った数十分後にハクウはブルゴに到着した。
『やっとついたか。確か。ここがブルゴ』
ハクウはここに来る途中に立て掛けてあった看板をなぞる様して文字を見てここがブルゴであることを知った。
ブルゴは葡萄酒業が盛んな街として有名だと、ハクウは自分の知識で知っていた。
『酒の香りに、味・・・か。どちらも縁も所縁のないものでござんす』
苦笑を浮かべ、ハクウは街へと入るのだった。
ハクウは宿へと入る。そこは偶然にも公爵が宿泊した宿だった。
「すいません。お客様。本日はお泊りすることはできません」
首を傾げる仕草をとる。
「本日は高貴なお方の御一行様が貸し切りにしておりまして。部屋がないのですよ」
受付の人の言葉は聞こえていなかったがハクウは宿に入ってから察してはいた。
宿の中にいる気を感知した時に部屋と思われる箇所には人が入っていた。
しかし。野宿だけはしたくない。
野宿がほとんどの旅だが今回はゆっくりしたい。
そのためにジェスチャーした。
隅っこを指さす。そして寝る。動作をした。
「か、かまいませんが」
困惑する受付。
ハクウは懐から金貨を五枚だす。
五千ルーツ。
「わ、わかりました」
受付は困惑したままだったが了承してくれた。
ハクウは気で相手の気持ちがわかっていた。
怒っているなら真っ赤な気の怒気。
悲しい時は青い悲気。
欲望は黄色の欲気。
これを視ることでハクウは相手が何を考え、何を思っているかを知ることができるのだ。
気視。
それがこの技の名前。相手の気を色として視て、相手を見抜く。
この技があったからこそハクウは今日まで人と会話を成立させてこれたのだ。




