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あの時助けていただいた地蔵です ~お礼は俺専用ダンジョンでした~  作者: 大正


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第194話:合格発表、そして伝説へ

 気が付けば卒業式も終わり、そして合格発表の日。掲示板に貼り出された合格者一覧を全員見に行って、その場で泣いたり喚いたり、受験生のふりして合格した気になって、その場にいる胴上げ同好会の人に胴上げされてもらったりとさまざまな人間模様が見られる場だ。


 俺が受けたところはしっかりデジタル化の恩恵を受けていて、時代に寄り添って、貼り出しもあるがスマホでも確認できるので、合否のためだけに電車賃を無駄に使う必要もない。


 そんなわけで、合格発表の時間になるとスマホ片手に大学のサイトにアクセスし、合格番号を探していく。俺の番号は、ダンジョン学部にあるかな。




 ……




 …………




 ………………




 あった。ちゃんと俺の番号が合格者リストにナンバーを連ねている。


 これで誰にも文句を言われずお天道様の下を歩けるというもの。散々他にも受けた方が……と言われ続けたこれまでの教師のおすすめを蹴飛ばしてきただけの甲斐はあった。今まで散々心配させてしまった教師陣には申し訳ないという気持ちでいっぱいだが、同時に「だから大丈夫だって言ったでしょ? 」とも口答えしそうなぐらいだ。


 思えば、同じような選択をして大学受験して、卒業後に失敗して学校へ戻ってきて急いで滑り止めか後期日程に滑り込んで……という例も複数あったに違いない。俺もその内の一人になるかもしれない、と内心ヒヤヒヤ物であったのかもしれないな。


 とはいえ、俺自身もかなりの緊張が解けたのか、その場に座り込んでしまう。なんだかんだ、あとはせいぜい品行方正に努めて、合格取り消しにならないように注意するだけだな。


 と、彩花から連絡。あっちも同じタイミングで合格発表を見たのか、非常に短い文字で質問が飛んできていた。


「?」


「!」


「~♪」


 短いやり取りに彩花も俺も安堵し、彩花は俺が目の前にいたら抱きつかんばかりに喜んでいただろう、という様子が分かるぐらい、短く、そして存分に語りがいのある返信を送ってきてくれていた。


 言葉にならない喜びを精一杯表現しようとする彩花。それに対して、これで一段落、いや、これで終わったんだな、と安堵する俺。なんだかんだでこの一年、よく我慢したな。彩花とも付き合い始めて数カ月。お互い手を出さずによく今日まで我慢してこれた。その我慢のおかげで合格できた部分もあったかもしれないと思うと、もうちょっと我慢していけたかもしれないとも思う。


 さて……ここまでうまくいってくれたのもアカネのおかげでもある。しっかりと出来る範囲でお礼をしないとな。いつもの大黒堂のおはぎに加えて、みたらし団子もお付けしておこう。アカネがいなければ彩花とも付き合っていないし、大学でダンジョン学部を目指して受験するということもなく、高卒即無職と同等である探索者という道に進む可能性が高かった。


 それを、専用ダンジョンを用意してくれて、レベルアップさせてくれて、おまけに賢さまで付随させてくれた。それによって学年でも高順位をキープすることができたし、こうやってストレスこそあったものの、大学合格まで付き合ってくれた。その感謝に堪えない気持ちを金で買うわけではないが、精一杯のお礼でもって報いようと思う。


「ちょっと出かけてくる」


「行ってらっしゃい」


 リビングに浮いていたアカネを横目に、コンビニと大黒堂へ向かう。まずは、お礼と、それからこれからの、目前のことを考えて行動しなくてはいけない。


 早速コンビニと大黒堂へ立ち寄り、コンビニではこれから必要になるであろう、初めて買うアレを箱で買い、大黒堂ではみたらし団子五本とおはぎを二個、購入して家へ戻る。


「ただいまー」


「おかえり」


 家に帰るとアカネがいつも通りリビングでぷかぷかと浮いていたので、まずお供えを取り出して、食べやすい形にして供えて、パンパンと手を叩く。アカネのおかげで大学にも合格してお金も溜まって彼女も出来ました、今日はそのお礼です……とどこかの怪しい広告のような内容をひねり出す。いつもより多めの神力が吸い取られた後、アカネが目を開いてこっちに向き直る。


「いつもより真面目にやってくれてるということは、うまくいったのね」


「ああ、予定通りこの春から大学生だ。これもアカネのおかげでもあるし、アカネがいなかったら描けなかった未来図でもある。純粋に感謝している」


「それは良い心がけね。今後も続けると良いわ。あと、幹也が合格したのはわかったけど結城さんはどうだったの? 」


「彩花も無事に合格だ。二人で一緒に同じ学部同じ学科同じ授業……ってことになるな」


 それを聞くとアカネも満足そうにしている。そして、俺のスマホに連絡があった。「アカネさんにお礼を言いに行きたいんだけど、今家にいるかしら? 」だそうだ。合格時刻にこっちに来ていれば、タイミングを合わせてまとめて報告ってできたのにな。ちょっと惜しかったな。


 ただ、彩花も彩花で家族に報告は一番にしたかっただろうし、家族自身も大事な合格発表の日に外をほっつき歩いてるなんて、と考えていたのかもしれないし、今家にいることは不思議でも何でもない、か。


 そのままメールを返して「今お礼を言っている最中だが、急いで来るなら手ぶらでもいいぞ」と連絡。しばらくアカネと談笑をしていると、玄関のチャイムが鳴る音。玄関を開けると、急いできたのか息を切らせて少し汗もかいている彩花の姿が。多分、連絡を見て本当にすっ飛ばしてきたのだろう。


「これ、アカネさんに、一応お供え物と思って……大黒堂の……おはぎが……既にあるわね」


 がっくりと肩を落としてその場にうなだれる。せめて急いでお土産だけでも、という気持ちがあったのだろう。


「だから、手土産はいいって言ったのに」


「でも、大事なお供え物には違いないわ。きちんと頂くことにするわね」


 そういうと、彩花が取り出したおはぎから青白い光を吸収し続ける。そして、グググっとまた成長するアカネ。この一年で随分成長したものだな。それだけいろいろしたということでもあるか。出会った時は本当にトイレの花子さんの3Pカラーって感じだったのに、今では立派な成長期の少女という趣を醸し出している。


「あとは二人で子孫でも設けてくれれば、私の存在感は確実なものになるでしょうね」


「それは四年後以降だな……それまではある程度毎日の欠かさないお祈りとお供え物で食いつないでもらおう」


「そこでですね、その、幹也。ご相談があるのですが! 」


 急に丁寧語になって畏まる彩花。なんだろう。


「お聞きしましょう」


 こちらも丁寧語になって対応する。なんだか大河ドラマの一幕を見ている様子で、こちらも正座、あちらも正座で相対する。


「その……ずっとお預けになってましたけど、今回お互いに行きたい大学学部に合格した、ということでですね、その、なんといいますか……」


 彩花が言いよどんでいる。つまりあれか、そういうことか。


「華々しく処女を散らせたいので全力で襲ってくれませんか、ということね。初々しいわね、青春してるわね、良いわねえ。女の子から言わせるなんて、幹也も悪い男になったわね」


 アカネが青白い光をギンギンに放ち吸い上げながら満足そうに話している。彩花はしまった……という顔をしながらどんどん顔が赤くなっていく。アカネに頭の中身を覗かれることを失念していたんだろう。


 ここでいつがいい、とか覚悟を決める日をいつにする、とか決め始めるのはヘタレが加速している気がするので、ここは男として覚悟を決めねばならん時が来ているようだ。いつやるの? 今でしょ。


「おお、幹也にしてはきまってるわね。もう準備も良いみたいだし、私は散歩してくるわ。ご休憩しているぐらいの時間で良いかしら? それとも一晩かしら。とりあえずお邪魔な私は退散するわ。ごゆっくり~ 」


 ギンギンにみなぎらせてクスリでもキめたのか、青白い光を放ちながらアカネが部屋から出ていく。残された俺と彩花。


「もう、我慢しなくていいのよね? 幹也も、我慢しなくていいから。私は覚悟を決めて今日は来た。だから、今更聞き直すのはなしよ」


 彩花の中ではもう決まってる、ということらしい。なら、こちらも手を出さねば……無作法というもの。リビングで彩花に一歩ずつ近づいていくと、そのたびに肩を揺らし小さくなっていく。


「まずは……シャワー浴びるか。初めてはお互い綺麗な体で触れ合いたいしな」


「うん。一緒に、浴びる? 」


「どっちも魅力的だが、うっかりシャワー中に暴発しても困るからな。悩みどころだ」


「じゃあ、洗いっこはなしってことで。そのかわり、全部を見てもらうわ。まずはそこからでしょ? 」


 彩花と共に風呂へ行き、ともに脱ぎ合う。全裸になったことはまだないが、半裸で抱きしめ合ったことは何度かあるので、ある程度までは問題ないものの、ある一定の場所でふとお互い体の動きが止まる。


 下着を脱げば……あとはもう隠すものは何もない。というか俺の場合、隠れるべきものが既に半分ぐらい出てしまっている。


「それ、私に期待してそうなってくれてるってことよね? 」


「そうなる。これからどこまで一緒に楽しめるかを考えると……もうちょっといけるかも」


「ふふっ、なんかうれしいわね……よし! 」


 彩花が意を決してすべてを脱ぎ放つ。彩花の裸体が俺の目の前にあらわになる。レベルを上げてダンジョンで鍛えていた分だけ引き締まり、そして美しくなった体のラインにはシミひとつなく、美しいとすら表現するような姿が俺の目の前にさらけ出されていた。


 彩花が覚悟を決めたならと、俺も下着を脱いで全てを解き放つ。己の分身は元気に彩花のほうを向きつつ、天井へ向いて元気にコンニチワと挨拶をしていた。


「それで……目一杯なのかしら? 」


「もう一段階変身を残してるかな。厳しそうか? 」


「ううん、多分……いえ、どこまででもついていって見せるわ。これからずっとお世話になるんだもの。及び腰ではいられないわね」


 先に風呂に入り、シャワーの温度を調節して温かさを確認したところでお互いシャワーの掛け合いをして、温まりながらお互いを自分で綺麗にして、そして……

作者からのお願い


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続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。

後毎度の誤字修正、感謝しております。

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おぉーついに!! 高校編完結からの大学編? 春休みのダンジョンデートの閑話!? その前に大学に近い賃貸物件を探すんかな? 楽しみです〜
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