78 村長の家で
僕たちは、村長の家に集まっていた。
じいちゃんも来ていたし、気術師のミカンさんも来ていた。
後ろの方に、デカいズッキーニが、無表情で立っているのも見えた。
みんなが村の外に待機していた理由を、コメさんが話してくれた。
僕の気配を感じとったじいちゃんが、
「ヤバイやつが、村に向かってくる。」
とだけ、みんなに言ったらしい。
僕だとわかっていたくせに、ふざけた年寄りだ。
「それで、私達も行けって、師匠は言ったのね。」
キウイたちも、じいちゃんのことを師匠と呼ばされているようだ。
僕は村を出てからの約2年ことを、簡単に話した。
鎧獅子と戦ったこと。
何度も挑戦した、親分のこと。
精気をうまくあつかえるように、ひとりで修行したこと。
ウホウホと友達になったこと。
からんできた、ジャングルの角猿たちのこと。
ウホウホが大穴に落とされて、それを追って降りたこと。
恐ろしい、トゲアリの集団のこと。
地底湖と大イモリのこと。
大クモ、特大クモのこと。
洞窟の部屋と亡骸のこと。
大ムカデとの、氷河の剣を使った戦いのこと。
大爪モグラのこと。
ボスザルたちとの戦いのこと。
ウホウホとの、別れのこと。
話してみると、自分が濃厚な2年間を過ごしたことがわかった。
「戦い続けた2年間じゃったんじゃな? それで、そんな非常識な精気をまとっているわけじゃ。」
じいちゃんが、納得していた。
「僕たちも、ずっと修行を続けていたよ。ゴロゴロほどじゃないけど、僕たちもだいぶ強くなったんだよ。」
ユズが、ほこらしげに仲間を見回す。
キウイたちが、うんうんとうなづいている。
「子どもたちだけじゃないよ。僕たちもドリアン師匠の教えのもと、大イノシシを倒せる程度には強くなろうと、ずっと練習を重ねてきたんだ。成果は少しずつだがでてきたよ。」
コメがまわりを見回すと、ムギたちが自信にうらづけされた笑顔をうかべている。
「ゴロゴロ。」
ミカンさんが、横から声をかけてきた。
和やかなその場の雰囲気とは違い、深刻な顔をしている。
「ハナが1年ぐらい前から来ているの。私のところにいるわ。」
ミカンさんは、言いづらそうに続けた。
「その…。身体が悪いの。ずっと、寝台に寝ているわ。意識はあるから行ってあげて。」
僕は混乱した。
身体が悪いって、なんだろう。
そういえば、ばあちゃんの精気が弱っていると感じたことがあった。
まわりのみんなも、事情を知っているのか、暗い顔をしている。
「行ってくる。」
僕は、村長の家を飛び出し、ミカンさんの家へ急いだ。




