40 ばあちゃんと弓聖
道中は、とても順調だった。
ドリアンを背負っても、僕はいくらでも走ることができた。
体力もついてきたし、筋力もついてきた。
ドリアンは痛み止めの薬草が効いていた。
ベリーが添え木で足を固定してくれたこともあり、痛がることはなかった。
ばあちゃんちの近くで、大イノシシの気配を見つけた。
よけて大回りしようとすると、ドリアンがかまわないから、大イノシシの方へ行けと言う。
僕が、そのまま真っすぐ進むと、大イノシシが見えてきた。
ドリアンが僕の背中の上で、時間をかけ矢に精気をこめる。
ギラギラと精気が激しくまとわりついた矢を放つと、大イノシシは細い一本の矢にふっ飛ばされて、転がった。
「大イノシシなら、こうやって目を狙わずとも倒せる。しかし、無駄に精気を使う必要もなかろう。」
ドリアンが、説明してくれた
弓矢でも、いろんな戦い方ができるみたいだ。
途中で、走ったこともあって、予想よりも早く、ばあちゃんちに着いた。
「すまんのう、ハナ。迷惑をかける。」
ドリアンは、申し訳無さそうに言う。
「弓聖さまともあろう者が、なかなか男前になったね。」
ばあちゃんは、うれしそうに笑った。
ドリアンを下ろし、僕は、ドリアンが倒した大イノシシを取ってくると言った。
「ドリアンの薬草を付け替えておくから、大イノシシは、さばいてきておくれ。」
ばあちゃんにたのまれた。
僕は大イノシシを川に持っていって、さばいてから帰った。
その夜は、大イノシシを食べながら、昔話に花が咲いていた。
僕は、知らない名前ばかり出てきて、ぜんぜんわからなかったので、早く寝た。
目を覚ますと、枕元にキレイに修理された胸当てと肩当てがおいてあった。
僕は、ばあちゃんに感謝した。




