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異世界ガクブル半隠遁  作者: 尾中垂太
乙女の身嗜みがととのうまで編
5/26

異世界仕様

見て下さっている方ありがとうございます!!

ちょこっと下品な表現はいります。


はっ!?思わず走馬灯的なものが脳内を駆け巡ってたぞ今!危ない危ない大丈夫まだ生きてるから!頑張れ自分よ!!


過去数日の回想に浸っている間も手だけはきちんと動いていていたようで手元を見ると緑色のペーストが出来上がっていた。

外でやればよかったなぁ。

小屋いっぱいに広がる青臭いにおいがなんとも不快だ。

鬱々としながら足元にあるスマホを操作して手順を確認。


「えーと、次は・・水ともう一つの草と煮る、と。」


うーん。めんどくさい。


実はいまポーションを作っていたりする。

そう!あのファンタジーでお約束の回復薬です!!

発端は足に出来たマメが痛くてちょっとばかり泣いていた私に、回復薬を作れば?って精霊さん達がつぶやいたことだった。


え?あれって作れんの?と思いながらアプリ起動。


投稿型料理レシピ集をまとめたアプリで回復薬を検索してみた。

結果、引くほど出てきて驚いたがよくみると使う材料や手順・回復量が微妙に違うらしく、製作者の名前も書いてある。

まさしくレシピ集である。


とりあえず数日前に採取してきたものと照らし合わせながら出来そうなレシピを見つけ実行。

それが現在というというわけだ。


・・こういうのって秘伝とか門外不出的な扱いなんじゃ…ダメだ、絶対にバレたらマズイなんてもんじゃない。

過ぎたる知識は身を滅ぼす。人間、分相応が一番なのだ。

かといってスマホを手離したりアプリを使わないのはあり得ない。

そんなことしたら3日以内には死ぬ自信がある。

だとしたらこの先、人とあっても気を抜かないようにしなきゃなぁ。




鍋に水を張り、釜戸に火をつけてもらう。うん便利だ。ついでにお昼ご飯用のキノコも炙っておこう。



「うーん…そもそも私ってどんな扱いになるんだろう?」



向こうから見たら私のほうが異世界人なのだし、なるべく刺激したくない。

下手に刺激して魔女狩りならぬ異世界人狩りなんてされたら目も当てられない。

かといって完全にこちらに馴染むのは無理だと思う。

異世界人だって事を隠してもどうしたってどこかでボロが出るものだ。なんかいい設定考えとかないとな~。



ジューーー!!



あっヤバい鍋!

火を弱くしてもらい作業を開始する。

もうひとつの材料のニラみたいな草を拝借したナイフでぶつ切りに。なんでもエキスを出やすくするためらしい。



ザクザクザク。



鍋に入れて煮る…臭い。

ふ、蓋しとこう。

お風呂入りたいなぁ、服も洗いたい~。下着だけは洗ったりしたり、体は拭いてるけど物足りない。髪なんてかなりギトギトになってることだろう。

水、水かぁ…。

蓄えた雨水の残りを考えてあと二日と言ったとこだろう。確か湖があるとか…あとで精霊さん達に聞いてみよう。


蓋をとるとさっきのペーストを入れてひたすら煮る。

おっキノコいい感じ!

よし今後の予定たてながらお昼にしよう!いただきます!!


掌よりも大きいキノコを食べながら考える。




まずは水の確保。

天気予報では雨は当分降らないらしい。


『水が飲める綺麗な湖ってどこにありますか?』


『あっちあっち』

『キラキラ~』

『おみずたくさん』


だ、ダメだ会話にならない。

何日かのやり取りで気が付いたのは

精霊さん達は非常に幼いということだった。

現物を確認しながら安全か尋ねると会話は成立するが、漠然とこれはどこにあるの?って聞くと『あっち』と返事が返ってくる。

道とか目立つものが湖の近くにあれば簡単にわかるんだけどなぁ。この感じじゃ道沿いにはないらしい。


モグモグモグモグ。


うーん。なんかいいアプリないかなぁ。…地図アプリとかって使えないだろうか?

おっ使えた!

周辺は…凄い凄い!!ちゃんと表示されてる!ほんとどうなってんのこれ!?

それにしても圏外だって分かった時からノーマークだった地図が生きてたとはなぁ。


もぐもぐ。



現在地区は共合地区・罪深き山

現在地は罪深き山・山頂付近



ほ~随分と高いとこまで来たもんだ。

でも酸素が薄いって感じはしないんだけどなぁ。もしかしたら低い山なのかな。


目的地は湖っと…お!二件あった!!


こっから近い方は徒歩35分かぁ。遠いけど仕方ないか。

ポーションが落ち着き次第さっそく行ってくるか~。ああでも今日は無理か明日だな。



次は周辺に町とか無いか調べる。

が、近場で出てくるのは村ばっかで町はかなり遠い。ある程度は予想していたがなんか軽くへこむ。

もう村でいいやーとルート検索をするも一番近くてここから約2日。

どうやら地図の縮尺も異世界し様になっているらしい。べっこりへこんだ。


地図を見た感じこの山は大体4つの大きな国に囲まれてるみたいで、他は小さな国にかすってるみたいな感じになっている。

共合地区ってことはここら辺の国々の共有地ってことかな?

もしかして勝手に住んだらまずい・・よね。

でも冒険者いたしセーフなのかどうなのか。よくわからんぞ異世界。



キノコを食べ終わりデザートの細長いりんごに手を伸ばす。味はりんごだけど普通のりんごより甘いし柔らかくて美味しいのだ。

あ、葉っぱついてる。

果物を食べながらなんとなく葉っぱを眺める。

まだ柔らかそうなことからたぶん若葉だろう。植物に詳しくないから適当だけれどはずしては無いと思う。

色は黄緑なんだけれど気のせいか光って見えるんだけど・・。

こう、ピカーって光っているんじゃなくて細かいラメが少し混じってる、そんな感じ。

ほー、こんぐらいの不思議だったらまだ許容範囲だなぁ。すごく綺麗だし。

すぐ枯れちゃうんだろうな、なんかもったいないし写真とっておこうっと。

スマホを構えて写真を撮る。


ピロ~ン♪


おおっ我ながら綺麗に撮れた。

なんか得した気分になりながら画面から目を離す。実物があるうちは実物をめでるのが一番である。

ってあれ?葉っぱが無い!慌てて周りを探すが何処にも無い!

風に飛ばされたか?いやいくら窓が全開だとしてもそんな強い風は吹いていなかった。


そもそも私はこれを窓とは認めたくは無い。だってガラスはまってないし。

壁に四角い穴があって普段は上部にある留め金かなんかで固定された板が穴をふさいでいるが、使うときは板を上にあげて棒で固定するといったものだった。

はっきりいって使いにくいが不満を言ってどうにかなるわけでもないし今のとこ許容しているといったとこか。

それより葉っぱは何処いったんだろうか。綺麗だったのになぁ。

先ほど撮った写真を眺めながらなんとなく画面を触るとメッセージが出てきた。


【出しますか?】


は?どういうこと?

写真に目を写すと葉っぱしか写っていない。え?どういうこと?出すって??

恐る恐るYESを選ぶと、ポンッと音と共に葉っぱが出てきた。えーっと、流石ファンタジーだね・・。


遠い目をしながら検証したら、カメラ機能は異世界的仕様でゲームでいうアイテムボックスに改造されてた。

写真を撮ると対象を収納、取った写真を選択すると対象は出てくる。不思議なことにただ闇雲に撮ろうとしてもカメラは起動しなかった。

なるほど狙いをつけて撮れってことですね!

いや便利だけどさ、なんていうか、こう納得が出来ないものがあるよねー。

まぁなんにせよこれで水とか重いものを運べばいっか~、楽できたと思っておこう。

ため息をついてデザートに集中する。


もぐもぐ。ごくん。ご馳走さまでした。


かなり時間くったけど昼食もすんだし続きいきますか~。






昼食中に煮っぱなしだった鍋は凄いことになっていた。

色は深緑、臭いはひたすら青臭い。

こ、これって患部に塗るタイプだよね!?こんなの飲むなんて冗談じゃない!!


臭いで若干涙目になりながらレシピ集を開いて確認。



確認中。



うそぉーー!!!

まさかの服用タイプ!!

患部に塗っても効果はあるけど薄くなるってそんな…。

うわぁ、ちょ、どうしようこんなの飲んだらお腹壊す!

ただでさえ最近やっと外で用を足すのに慣れてきたってのに…これは無理すぎる。

思わず鍋から距離を取る。


「いっっ!」


足のマメが痛みを主張する。

マメを潰したほうが治りが早くなるって聞いたことがあるけど、こんな山奥で潰した日にはどんな病気になるか…。


よし決めた!ミックスジュース的な感じで飲みやすくしよう!!

ひどくなる可能性もあるけどやらないよりましだ。


鍋からニラもどきを取りだし、茶漉しみたいので鍋の中身を濾す。

2回目3回目と繰り返し、6回目で納得出来る透明感が出てきた。

外を見るともう夕暮れ時。

日が落ちると光源がスマホだけになるから急がなきゃ。


ヨモギもどきペーストを作ったすり鉢に細長いりんごと数種類の甘酸っぱい木の実を入れる。

ほら酸味は青臭さを消すっていうし!

ある程度潰したら汁を絞りながら加える。あとは一晩寝かせるだけ。

…これでなんとかなりますように~!




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