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3.侯爵令嬢は状況を整理する

前世思い出す→3人の転生者→状況整理(今ここ)

交流会のあいだ、私たちはずっと三人で対策会議をしていた。

その様子を見ていた母が、

「本当に楽しそうね」と泣いていた。

今まで本当にごめんなさい。

ユイナが当然のように言ったのは、この世界の“常識”だった。

「この世界、魔法あるやん」

「あるんや」

これ、私は初耳だった。

どう記憶をたどっても出てこない。

あとで父母に問いただそう。

ただし、私たちに備わっているのは派手なものではないらしい。

水を出す。

火を起こす。

風を通す。

聞けば聞くほど生活インフラである。

「騎士団長級とか聖女級とか、そういうのは別枠やな」

「つまり私らは普通」

「普通上等や」

今までゼロだったのだ。

プラスになっただけでも十分である。

数日後、私は両親にそれとなく確認した。

「魔法って、どの程度のものなんですか?」

父と母は顔を見合わせた。

「……いつか言おうと思っていたのよ。」

母が小さく言う。

「魔法のことを知らなければ、学園に出さなくてもいいと思っていて」

ええーー

「本当にいつか言うつもりだったのよ」

父は悪びれもなく、

「侯爵家の娘なのだから、魔法がなくても困らないだろう。学園に行かなくても……」

と続けた。

母も横で頷いている。

いや、頷かないでほしい。

仮にも未来の国母候補にそれはだめだろう。

この人たち、本気で私を箱に入れて育てる気だったらしい。

交流会後、彼女らを見送った後、すぐに状況は変わった。

届いたのは大量の本と、家庭教師の手続き。

妃候補としての教育が始まるらしい。

淑女教育、語学、歴史、魔法基礎。

学園の教育以外にもやることがたくさんあるらしい。

次々と入れ替わる教師たちの中で、三人は情報を共有していた。


「○○先生、ちょっと嫌味やった」

「この先生、手を叩くタイプやな」

「なんか形式ばっかりの教え方やな」

それすらも、記録していく。

そこで自分たちが対策できそうな課題をみつけ積み上げていった。

苦手意識がそうさせたのか、妃教育の中で一番の難関はダンスだった。

前世では運動は嫌いではなかった。

だが、踊るのは別である。

優雅に歩きながら回る。

笑顔を保つ。

相手の足を踏まない。

全部同時にやる。

意味がわからない。

足は痛み、靴擦れもできた。

そんな頃、二人から手紙が届く。

『負けられへんわ(笑)』

どうやら向こうも同じ目に遭っているらしい。

それだけで少し元気になった。

そして、王都へ移る日が来た。

父は仕事の都合で同行し、

母は領地を離れられず見送りだけだった。

「本当に行ってしまうのね」

母の顔は少し寂しそうだった。

後ろ髪を引かれる思いで、馬車に乗る。

「休みにはすぐ帰りますし、お手紙も書きますね」

ようやく父母と顔を合わせて話ができた気がする。


3人の対策会議の答え合わせができるのが楽しみだ。

3人の対策会議の答え合わせを次回で行います。

妃教育の間、3人がしてきたことは何だったのか。私も楽しみです。

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