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15.秋路の恋人

秋子を引っ張って自宅のアパートへ帰ってきた秋路は無言のまま靴を脱いで部屋へ上がる。

休日の今日は秋子をデートに誘ったのだが、なぜか断られてしまった日だった。

ならばとすることも思い付かず、家にいたら由子からメールが来たのだ。

慌てて電話し、状況を聞くなり家を飛び出した。

秋路はただショックだった。彼女が黙っていたことも。自分が気付けなかったことにも。

「…秋子さん」

秋子は靴も脱がず玄関に立ったまま俯いている。

「ストーカー、あのコンビニで助けてくれてからずっとですか?」

「うん…」

「…俺のせいで…気づいてあげられなくてすみません」

「君が謝る事じゃないよ」

秋子は顔を上げると、落ち込んで項垂れる秋路を見つめた。

「でも、なんで言ってくれなかったんですか?」

「…しょんぼりした君は可愛いけど、あまり心配はかけたくないからね。それに格好つかないし」

「あんな嘘付くから…」

それは秋子がストーカー少女から秋路を助ける為に付き合っていると言った嘘だ。

「あれは私の願望だったんだよ。あの時、どうしても君と話すきっかけが欲しかったんだ」

「秋子さんは馬鹿です…。頼りないかもしれないけど、もっと俺を頼って下さい」

「わかった努力するよ。色々ごめん。…ただ今回は君に会えないのが辛かったな」

「秋子さん…」

「そうだ。ねぇ『あきちぃ』?」

「え?」

玄関で立ったままだった秋子も部屋に上がり、突っ立ったままの秋路を通りすぎて奥へ進みリビングの椅子へ座る。

「ふーん、私と全然タイプが違う可愛い子だね。それがなんで私にしたんだろうね。つい格好つけちゃうような」

秋路は由子の事を言っているのだと気付き、秋子の後をついて椅子の側に立つ。

「わかりません…。でもあなたが好きなんです」

「私も名前で呼びたいな」

「呼んでほしいです…」

秋子は秋路を見上げて優しく微笑んだ。

「…秋路、私も好き」

「…!」

「会いたかった…」

秋子は秋路の服の裾をきゅっと掴む。

「秋子さん、あなたは俺を舞い上がらせるのが上手すぎる」

「だって、こんな見た目なのに気になってた人と付き合えてるんだよ?嬉しすぎて…」

秋子の言葉は途中で秋路に飲み込まれた。

「…あなたは俺だけに可愛く見えてるからいいんですよ…」



ここで秋路のお話は一度完結になります。

(ようやく終われました笑)

読んで下さった皆様ありがとうございます‼


予定では次は享子の恋のお話になります。

享子の話では由子秋路も含めて全ての完結になる予定です。

気長にお待ち頂けると助かります。


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