【雇用№020】愛と魔法創造その7
「確かにこれにより完全に下着はカバーされてますね。それに保温性能もアップしている。これは、今の季節はそこまで必要ありませんが、冬になれば需要は高まりますね。毛糸のパンツでは色気のカケラもありませんが、このスパッツなら問題はないでしょうし。あのヒゲちゃびんはことある毎にお尻を触っきますから、その防御力を上げるためにもこれの開発と量産の価値はあるかもしれませんね。」
なにやらエミリーさんがぶつぶつと小声で呟いて考え事をしている様だ。これは開発者や設計者に割とよくありがちな癖だよね。リュウ君もなんか思い付いたら、ぶつぶつと周りを気にせず呟いているし。本人は周りには聞こえない様にしているつもりだろうけど、漏れてるんだよね。
まーその真剣な表情を見るのが好きで、そうなっても余程の事がない限りほっておいてるんだよね。今回は見ておきたい気持ちもあるんだけど、
フランダさんがエミリーさんの肩をポンポンと叩き、意識を呼び戻す。
「エミリー、考え事はそのくらいにしておきなさいね。それと愛様に失礼な事をしたのですから、謝りなさいね。」
「はっ、フランダすみません。思わず没頭してしまいました。愛様失礼な事をしてしまい申し訳ありません」
「いいんですよ。エミリーさん。でも、今回スカートを捲る時は誰もいない部屋でお願いしますね。流石に外でされるのは困ります。」
「はい。後失礼のは承知の上ですが、愛様のスパッツ、私どもの分も作っても宜しいでしょうか?愛様の御足のラインをほっそりと包み、さりとて身体のラインは崩さない形状に、乙女の弱点である冷えに対する効果も保温効果としては十分。それになによりエロなことしか頭にない、隙あらばスカート捲ってこようとする重鎮からの防波堤の意味でもこのスパッツは是非とも欲しいのです」
えっ?異世界では、メイドのスカートを挨拶代わりに捲ってくる重鎮が多いの?それは乙女のピンチよね。日本ならセクシャルハラスメントの言葉が浸透しているから、余程の考えなしの人でない限り、そんなことをする人はいない。
小学生くらいなら笑って済ませてもいいけど、大人の人を許すわけにはいかないよね。とはいえ、うちの職場にもスカート捲りしてくる人は流石にいなかったが、肩を叩いて来たり、腰を触って来る輩はそこそこいた。
私も際どい部分は触られたことはないが、それでも何度か肩や腰は触られたことはある。気のある男性ならいざ知らず、他の男性からは不快感がますのでやめて欲しい所だよ。
男性が異性からそういう事をされないから分からない訳で、されたら不快である事は分かる筈なのだ。とは言っても女性側が不快である事が分かっている分、そういう事はみだりにはしないし、仮にした場合も相手によっては自分に気があるんだというケースの方が多くなる為そういう訳にもいかない。
昔のバイト先では、男性のお尻を面前で触る強者の女性もいたのだけど……。あーいうのは稀だよね。別にあそこを触られた訳ではないから誰もそこまで重大にはしてなかったし、あれは、セクハラだったのかな?
ともかく、もとから許可を出すつもりではいたけど、そういう事なら尚更断る理由はないよね。世のか弱い女性のために!!!
「勿論です。エミリーさん。世のか弱い女性達のために作ってあげて下さい。」
「愛様、ありがとうございます。では、早速しつれ…………」
と踵を返してエミリーさんが城へ戻ろうとした所でフランダさんが肩を持って引き留める。
「エミリー待ちなさい。あなたの仕事はスパッツを作る事ではなくて、愛様のお世話並びに警護をする事でしょう」
「フランダ、愛様より作って良いと許可は頂いたわ。さっこの手をお離しになって。急いで髭ちゃびん用に完全防壁のスパッツを作らなくては……。」
「エミリーその点に関しては同情するわ。彼の方は、横を通り過ぎる度にするものね。でも、今の優先業務は愛様の警護よ。前回はモンスターはいなかったけど、今回もいない保証はないのよ。それにねエミリー。愛様はスパッツは作ってもいいとおっしゃったけど、警護をほったらかしてまで、していいとは言ってませんよ。」
「えっ、そうなんですか?愛様」
「あっはっはっはっ。えーと、今日の魔霊樹を植えた後でお願いしますね。」
「そっそんな〜」
エミリーさんは、ショックで地べたに座り込んでしまった。
「エミリー早く立ちなさい。早く行って早く帰ればそれだけ作る時間が確保出来ますよ。」
「そっそうですね。では、愛様私の後ろにお乗り下さい。」
エミリーさんが元気になってよかったよ。
「あっ、エミリー、スパッツは私の分もお願いしますね。」
「私の分もお願い。」
エミリーさんも、ロゼさんもスパッツが欲しい様だ。自体は凄く深刻な様だ。
「それと、まずは王妃様に一着作って献上した方が良いわね。あの方も根っからの冷え性だから。私たちは王妃様が満足したその後よ。」
「そっそんな~。上から順番に作っていては、自分達の分を作るのがいつになるかわからないではありませんか。フランダ、ロゼ、手伝って下くれますよね。」
「ええ」
「うむ」
3人はスパッツを作る事を固く決めるのであった。
えーと皆さん、早く飛ばないとお昼までにつかないんじゃないかな?




