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冒険者クエスト  作者: チョコミルク
剣魔学校入学試験
37/87

32出発コープルへ

 昨晩の救出劇からラザト村の警備兵の待機所で朝を迎えた俺達は、コープルからの応援部隊を待つ間に警備兵のカラガラムさんから昨日の出来事とそれまでの・・・そう、コープルから事件発覚から事件解決までの事を話していた。


 時折カラガラムさんは頭が痛いのか頭を抑える素振りを見せていたが何とか全て話すことが出来た。

 結局、応援部隊が到着したのは昼前と予想よりも少し遅い時間だった。

 そして、応援部隊を引き連れてきたコクセキと合流したのだけれども・・・引き連れてきた応援部隊がこれまた予想と違っていた。

 てっきり冒険者ギルトからの応援部隊と思っていたが、見てみれば何処かの騎士やコープルの領主の近衛兵だった。

 確かにハクはコープル領主のトデイン様が用意した部隊としか言っていなかった。


 その事を詳しく聞いてみると、冒険者を雇うならまだ時間が掛かかったそうで速く動かせるトデイン様の近衛兵を出したみたいだ。

 ・・・じゃあこちらの騎士達は?と聞いて見たらコクセキが苦笑いをしながら答えてくれたんだけれども、その答えに俺も少し焦っていた。


「こちらの騎士の皆様はコープルで昨日ハンス様の爆走しながらレイン様を探されているのを見ていたみたいで、何やらハンス様を探されていてこの応援部隊に加わったそうです」


 おぅ、あれが原因か・・・でもあの時ってスキル【忍ぶ者】を使ってなかったっけ?あの状態で俺を見つけるのは出来ないとは言わないが難しい事だったんじゃないか?


 ※※※同時に【鑑定】【万能感知】を使用した結果で【忍ぶ者】の精度が下がった可能性があります※※※


 えっ、スキルの併用って精度が下がるの!?


 ※※※緊急な捜索だったため【鑑定】【万能感知】の能力を常に全開だったもので※※※


 そう言えば鑑定結果は俺も少しは体感したがその情報量は凄かったな・・・そっか、あの何千何万倍の情報を神格が処理してくれたんだよな・・・スキルや魔法の発動も神格に頼りながらで更に分身が集めた情報も処理してたんだから文句は言えないな・・・


 ※※※ハンス様・・・※※※


 スキル【神格】がもし実体化したなら世界も簡単に統一出来る知能を能力を有している。

 その力は神にも匹敵すると神界の文献では書かれている程のスキルで、そのスキル保持者を望むままに高みへと上る。が、その反面、スキル【神格】は保持者の性格によって正義や悪にも高みへと上る事が出来、発現次第要観察とも書かれている。


 だが、その能力は神界の文献でも詳しく書かれておらず『詳細不明』と表記されている。

 実際にスキル【神格】が発現したものはハンスを含め二人目と数が少なかったのが原因だ。


 また、その文献の名は【魔技能辞典】と呼ばれている存在・・だ。


 ハンスと脳内会話を終えた神格はスキルでありながらあることを思考していた。



「で、ハンス様その騎士の方々がハンス様に面会をと言っていますがどうされますか?」


「かなり面倒な話だったら嫌だけど、断ることも出来ないよ。応援部隊に参加してくれたんだから」


 そう言って、俺は苦笑いをコクセキに向けた。

 少しして、コクセキに騎士の所に案内をしてもらった。


「今回の応援部隊の参加誠にありがとうございます。又、自分にお話があるとの事でこちらのコクセキから伺ったのですが?」


 敬語がぶっちゃけ苦手なハンスは頑張って丁寧に話をする。


「私は第二王子第三騎士団の団長を勤めているエットウォーマ・グラリスと申します」


「第二王子の第三騎士団長・・・あっ、自分はハンスと申します」


「はははっ、大丈夫だ確認している。でっ、話なのだが前日コープルの町中を走っていた理由をコクセキ殿から伺った。でっ、単刀直入に言うが君が我が騎士団に欲しいのだが?あぁ、勿論、今年剣魔学園の入学もコープル領主から話は聞いているからそこを卒業後になるのだが」


「おr、自分が騎士団にですか!でも・・・」


「やっていけるか不安かい?ハンス殿なら大丈夫だよ。今回の事件だって解決出来る力を持っているじゃないか」


「結果はそうですが今回の事で色々自分の未熟さを改めて知りました」


「私はハンス殿の年齢は10才と聞いている未熟なのは当たり前だ」


 やっぱり未熟なのか・・・


「が、それは一般人ならではだ。その年齢でここまで出来る人材は居ないし聞いたことがない。もう一度言わせてくれないか?私はハンス殿君が欲しい。どうか、第三騎士団の一員になってくれないか?」


 騎士団の入団は正直嬉しい事で名誉な事だ。

 誰でも入団出来るわけではなく大陸中から優れた者が集まる騎士団、同じ王を守る守護兵とは違う更に上に位置している。

 守護兵もしたには一般兵が居るがその差も当然ある。

 兵士は四人分の戦闘能力が最低条件で守護兵は五十人、騎士団に至っては百人と条件がある。

 又、その中の序列は戦闘能力以外の技能が高いものほど上に上がる。


 そんな騎士団の勧誘はまず行っていなかったのだが、コープルでハンスを見かけたエットウォーマ・グラリスは一緒に来ていた団員四人を集めハンスの情報を集めた。

 その情報も驚く事に簡単に集まり、その話の先にコープル領主トデインに行きつき早速トデインに会うことに成功。

 だが、話をしていたら今回の事件が発覚しハンス本人にこれで会えると思い、応援部隊に騎士団全員が参加し今に至る。


 その中でもコクセキ殿はハンスの従者・・・はっ?10才の年齢で従者を!しかもコクセキ殿を含めて6名に仲間が更にいるだと?

 トデイン様はそこはなにも言ってなかったが・・・どういう事だ?しかもコクセキ殿も相当に強者だと思う。

 もし、私が試合をするなら全力で相手しなければならない、そんな感じがする。

 コクセキ殿に聞いたら同じ戦闘能力を持つものが他に5人・・・欲しい、その者達もその年齢で纏めるハンス殿も・・・


 とラザトに来るまで1人考えていたエットウォーマ・グラリスだった。


「エットウォーマ・グラリスさんすみません、自分にはやりたいことや試してみたいこともあり、今の状態では返事をする事は出来ません」


「やりたいこと?確かに君はまだ若い、それは分かるがやりたいこととは?」


「仲間とまだ行った事が無い所に行ったり、その・・・冒険者として活動をしていって、将来的には自分でクランを立ち上げたいんです」


「クランか・・・それは大きい夢だ。そうなれば騎士団の参加は無理か・・・」


 ハンスが言っている【クラン】は冒険者ギルトとは又違う。

扱いは冒険者ギルトになるのだが【クラン】にはギルトを通さないクエストが存在している。

 又、魔物の素材やその他の資材にポーション等に使う素材も集めるのにクエスト等は存在しない。

 集まったそれらは冒険者ギルトや商業ギルド・錬金ギルド等と提携をし販売をしていくか、自分で店を出店させるか大きい商会と提携するかしなければならない。

 だが、無名のクランだったらどれも提携出来ず、お金に代えることも出来ずにクラン自体が破産し成り立たないと言った事もある。


 現に、年で幾つかのクランが設立され同等の数のクランが消えていっている。

 クランも立ち上げるのには只ではない、クランハウスを用意したりいろいろな設備も施設も無いといけない。

 その事から実質クラン設立には金貨で2000枚は必要とされている。

 クランメンバーが行った仕事に対しても報酬としてお金を出さなければならず、どれも簡単には出来ない事ばかりだ。


 クランを立ち上げる場所も重要で田舎等にも建てれるが、そうすると仕事もなく利益よりも支出が多くなる。

 今度は王都に建てるなら既に大きいクランも存在しているため、なかなか新しいクランが入る余地も土地もがない。


 しかもクランを立てるなら冒険者ランクAの者が最低1人それ以外の人数が5人と必要だ。

 クランリーダには最低でも冒険者ランクB以上なければならず、申請には冒険者ギルト長とその土地の領主の承認が必要だ。

 クランハウスの移転には移転先の冒険者ギルト長と領主の承認が更に必要とされている。


 最後にクランの破産については、今まで培ってきた冒険者の経歴に大きくマイナス評価がされ、冒険者をやっていく上で良い印象がない。

 クエストを受けようにもマイナス評価対象者は除外される事もあるのだから。

 ランクアップ試験も受けにくくなるという処置もされている。


 それでもクラン設立を目指すハンスだがこれらの事は既に承知でその意思も固いものだった。


 それをわかった上で

「ハンス殿、クラン設立は厳しく長い道のりぞ。もし、破産したならどんなに有望な人材でも騎士団には入れない」


「はい、承知しております」


「そうか、決心は変わらずか・・・なら我が第三騎士団の団長エットウォーマ・グラリスは君のクラン設立を応援しよう、まっ、将来の話だがね」


「エットウォーマ・グラリスさん!」


「大丈夫、君は私が見込んだ男だ、それぐらいさせてくれ。その代わり必ずや成功させてみてくれよ?」


「はい!必ずや!・・・その、ありがとうございます」


「ハッハッハッハ!なに構わんさ頑張るのだ!その険しい道を乗り越えていけハンス!」


 エットウォーマ・グラリスさんとの話を終えてハンス達とレイン、それに捕まっていた子供達そして応援部隊として来てくれた近衛兵に騎士団の皆は犯人の男を連れてコープルへと戻ることなった。


 応援部隊の皆は既に事件が解決していたことに驚きもしていたが、子供達が皆無事だと言うことで安堵もしていた。


 俺の仲間の魔物は子供がなついているコルトとコロロを残し拠点へと帰っている。

 ハクとコクセキは俺に着いてきて一緒にコープルへと向かうから俺達は5名、レインを合わせた子供が6名、応援部隊の近衛兵が3名に騎士団の皆が2名、そして犯人達が7名更に忘れていたトーマスのおっちゃんが1名の合計24名は朝早くラザトを出た。


 馬車は全部で2台だったのだが、ラザト村の村長が馬付きで馬車を1台貸してくれて3台となり皆馬車でコープルへと向かう事ができた。

 馬車の順番はトーマスが馬車を操り、俺にハクにコクセキとレインとエットウォーマ・グラリスさんの6名が先頭、次に子供達とコロロにコルトそれに馬車を操る人は騎士団の1人合計8名が2番目を走り、最後に近衛兵1人が馬車を操り中には犯人の男達7名が縄で縛られ一塊になっていて、それを監視している近衛兵2名合計10名が最後尾を走る。


 本来なら犯人の男達は縄で縛られたまま歩かされるのが普通だが、今回は子供がいるということで早めにコープル経たどり着いた方が良いという結果になり少し馬車は手狭になったがこの形となった。

 もし歩くなら3日は掛かる道のりだが、初めから馬車での移動だから明日の朝にはコープルへと着くだろう。


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