何だかんだで皆のんびりと暮らせるのは良いものだ、アバカを使ってまずは紐を作ろうか
さてさて、バナナの株分けやら稲の焼き畑自然農法だとかをやることで、食料の安定的な供給は保たれている。
バナナは蒸して食べたりすると案外食感も代わったりするしな。
「ん、今日もバナナがうまい」
「うまーい」
そして時々トボトボと西側から歩いてくる”追放された者”達を集団に迎え入れたりもして、俺たちの集団の数も徐々に増えてる。
そのための寝る場所についてはその分高床住居を増やしたりもしている。
「できたー」
「できたー」
家造りは皆が力を合わせてやるが小さな家や大きな家などをつくってその中に入る時はいつもワクワクする。
基本的に集団から追放されてくる男は狩猟やはしごなどのない状態での木登りが出来ないなど身体能力が足りないだけだし、女は1年で子供が出来なかったり、奇形の子供をうんだりしたものであって今のところは特に混ざって問題を起こすこともなかった。
そしてうまれた子供もだんだん大きくなってきて、一緒についてきて枯れ枝を集めたり、一緒に貝を採取したり、バナナの株分けを手伝ったりもするようになってきた。
「ふむ、そろそろアバカで服を作ってみるか?」
アバカはマニラ麻とかセブ麻、ダバオ麻などとも呼ばれるスンダランドに生えている繊維を取ることが出来る植物の一つだが厳密には麻の仲間ではなくバナナの仲間。
バナナと同じ木ではなく草なんだがその背の高さは6mにも達するため木のように見えるのはバナナと同様で、外見もよく似ているが、バナナのような実はならない。
そしてアバカの繊維は熱帯の植物の植物繊維としては最も強靭なものの1つ。
もちろんそれにはココナッツファイバーも含まれるが、ココナッツファイバーより柔らかく水に浮き、太陽光や風雨などに対しても非常に高い耐久性を示しながらも織物として十分使える柔らかさを持ち合わせる。
「じゃ、これを切り倒すぞー」
「たおすー」
「わかりましたー」
磨製石器の石斧を使って根を残して切り倒し、葉っぱや茎を引き剥して積み上げる。
切り倒された根からはまた芽が出て成長するので放置。
余分な表皮を剥ぎ取って水につけた後で暖かい場所に放置して、繊維以外を腐らせ水洗いをして繊維以外の部分を流流し落として、また暖かい場所に放置して繊維以外を腐らせを何度か繰り返せば白い繊維だけを取り出せる。
「これをよりあわせると糸に出来るぞー」
「やるぞー」
「ずいぶん柔らかいですね」
まあ、ココナッツファイバーは亀の子束子になるくらいだからな。
やり方次第では敷きマットにも出来るけど。
それに比べるとアバカの繊維は柔らかいから衣装として身につけるのにもいいはずだ。
「おもしろーい」
「おもしろいねー」
大人も子供も男も女も関係なく皆が楽しそうに糸を撚っている。
最終的には組み紐にして糸を輪っかにして首に吊るしたりするだけでもみなには楽しいおしゃれみたいだ。
「できたー」
「できたー」
「できましたよー」
まあ糸を衣装にするにはかなりの糸の量が必要だしそれを編むのはさらに大変だし今はまだそこまで焦らなくてもいいか。
でも衣服だけでなく竹の背負籠なんかに背当てをつけたりしてもいいかもな。
縄にバナナの葉っぱを吊るしただけでも、ある程度身体を枝とかから守ることは出来るけどちゃんとした衣装もそのうちつくっておきたいものではあるよな。




