8恋~花言葉~
~放課後~
「あっ......紗綾先輩の友達の百合先輩だ...あの双子、生徒会の会計の雅人先輩と雅紀先輩だ。仲良くなったのかな?」
そんなことを思いながら手を休めることなく花に水をあげる。
最近、悟史が妙に絡んでくる。あと悟史の友達っていう千里っていう人も。
噂をすれば外で自主練習していた千里が楽器を持ちながらこっちに来た。
「どうも。その花なんていう花?」
「ブーゲンビリアっていう花。この花ね、約5月~10月開花時期なんだって。こっちはトリトマ。これも約5月~10月開花時期だって」
このブーゲンビリアは赤っぽい花色で、トリトマの方はつぼみの形をした、オレンジ色の花である。
「時期長いね。ブーゲンビリアとトリトマの花言葉って知っている?」
「知らない~、千里は知っているの?」
「まぁね、ブーゲンビリアの方は"情熱"トリトマの方は"恋するつらさ"」
「そうなんだ! また花に詳しくなった、ありがとう!」
凛はニコッと笑って千里にお礼を言う。
だが、2つともまだ別の花言葉がある。
しかし、千里は言えなかった。
ブーゲンビリアは「あなたしか見えない」、「あなたは魅力に満ちている」とかトリトマは「あなたを思うと胸が痛む」だ。
凛は知らないで育ててたのだろう。
まるでこの花達は千里の気持ちがわかっていたかのようにこちらを見ている。
確かにいつの間にか本当に好きになってた。
まさか、悟史をからかって仲良くなった相手を好きになるなんて。凛を見るたび胸が痛くなる。
でも、悟史が先に凛を好きになったのだから、自分が横取りしてはいけない。あれは悟史をからかうためライバルになったのだから。頑張って他の人を好きになろうとしてもやっぱり凛を見てしまう。
そんなつらさが千里には初めての気持ちだった。
「どうしたの? ボーッとして。」
「あ、ううん。なんでもない、自主練習に戻るよ」
「わかった、練習頑張ってね」
「ありがとう」
千里は走って戻る。
(胸が痛い)
今にも出そうな涙をこらえ、花壇を後にする。
もう自分の気持ちが抑えられない。
悟史にはっきりと本当の気持ちを伝えてちゃんとしたライバルになろう、と思った千里であった。
~次の日の昼休み~
「悟史、あのさちょっといいか?」
「いいけど、どうした?」
「凛のことで、謝らなければいけない」
「え......なんかしたのか」
悟史は千里を睨み付ける。
「僕、ライバルになりたての頃凛のこと好きとか思ってなかった」
「え? そうなのか!?」
悟史はびっくりして千里は迫る。
「じゃあ何であんなこと言ったんだよ」
「悟史をからかってやろうと思って言った。けどだんだん凛と絡んで本気になった。ごめん」
「謝らなくていいよ。これで本当のライバルになったんだからさっ!」
「ありがとう.......やっぱさすが僕の友人だよ。心が広いや......まぁカッコつけるのはムカつくけど」
「一言余計......」
二人は見合って笑いあった。




