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【01】 番号札531番って、いったい何人待っているの?

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【あらまし】(主人公2人の再会コミカルエピソード。爽香VS丹沢、住民課窓口第2戦)


爽香のデビュー戦が終わった。


爽香が美浦市に引っ越してから2か月後『転出証明書』を持って再度転居の届を出しに美浦市役所へ行った。そして今度は丹沢によって受理されたのだった。


後日、市役所から爽香宛に郵便を送付すると『あて所に尋ねあたりません』と戻ってきた。転入届を受付した丹沢に激怒する課長。


「虚偽の転入届だったら、受付した責任を取って退職願を出せ!」と丹沢に迫るのだった。


丹沢による「住んでいるのか、いないのか」現地調査が始まる。その行方は!?  

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【主な登場人物】


速水爽香 (はやみ・さやか)  20歳女 新人ボートレーサー 福島県から引っ越して来た


森口歩み (もりぐち・あゆみ) 26歳女 国民健康保険課職員 ちゃっかり者


若石元気 (わかいし・げんき) 26歳男 戸籍担当、若手職員 若さがあり強気の青年


丹沢純也 (たんざわ・じゅんや)30歳男 窓口担当、中堅職員 主人公、単純な人間


明石春菜 (あかし・はるな)  34歳女 窓口担当、中堅職員 面白い所がある


天満稔江 (てんま・としえ)  37歳女 庶務担当、ベテラン 天然の所がある


戸部考一 (とべ・こういち)  40歳男 戸籍担当、ベテラン 経験豊富で思慮深い


君本早苗 (きみもと・さなえ) 40歳女 郵送担当、ベテラン 仕事に精通している


井手五郎 (いで・ごろう)   50歳男 国民年金課長 面白いおじさん


鬼塚厳司 (おにづか・げんじ) 55歳男 住民課長 恐いおじさん


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美浦市役所住民課。


受付カウンターには

丹沢純也と明石春菜が

並んで座っている。


速水爽香が

「転入届」を手にやって来たのは、

前回バトルを繰り広げた

初来庁から2ヶ月が過ぎた、

ある水曜日の夕方だった。


爽香が自動ドアを

潜り抜けた瞬間、

隣の春菜がいち早く気づいて

丹沢の袖を引いた。


春菜「あれっ、あのひと丹沢さんのケンカ相手じゃない?」


丹沢は住民課へ歩いてくる

爽香を見た。


顔の記憶はあるものの、

名前も前回の会話も

綺麗さっぱり忘れていた。


丹沢「187番でお待ちの方?」


丹沢は爽香をスルーし、

すでに待っていた

別の客を呼んだ。


黄色い申請書を持った男性客が

カウンターへやってくる。


丹沢「住民票の交付申請ですね」

客「はい」

丹沢「お名前とご住所、すべてご記入済みですね。拝見します」


美浦市役所では、

申請内容によって

用紙の色が分かれている。


丹沢が点検している間に、

爽香は発券機から

番号札を抜き取った。


印字されていたのは「531番」。


隣では春菜が

次の客を呼び出していた。


春菜「188番でお待ちの方ー」


ピンク色の戸籍謄本申請書を持った

客が春菜の前へ進む。


187番の処理を終えた丹沢は、

発券モニターのボタンを押した。


丹沢「531番の方ー?」


待合席に残っているのは

爽香ひとりだけだ。


丹沢の声は届いているはずなのに、

爽香はスマホを見るでもなく、

微動だにせず座っている。


丹沢「まいったな、私の顔が見えたから無視してるのか?」

春菜「そんなことないでしょう」


丹沢「いや、あいつならやりかねない」

春菜「イヤホンでもしてるんじゃないの?」


丹沢「いや、耳には何もついてないな」

春菜「じゃあ、私が呼んでみるわね。……そこのお客様ー?」


春菜が声を張ると、

爽香は自分の鼻頭を

右手の人差し指で指した。


春菜「はい、あなたです」


爽香はようやく立ち上がり、

ゆっくりとカウンターへ

歩み寄ってきた。


丹沢「……やっぱり私のことが嫌いなんだな」

春菜「思い過ごしだと思うけど」


目の前に立った爽香に、

春菜は満面の笑みで

単刀直入に尋ねた。


春菜「お客様、こちらの職員のこと嫌いですか?」

丹沢(えっ! そんなダイレクトに聞く!?)


丹沢が露骨にけげんな顔を作る。


爽香はまじまじと

丹沢の顔を見つめ、

思い出したように手を打った。


爽香「あぁ、この前の……。別に嫌いじゃないですよ? 今、初めて気づきました」

爽香「この前はどうも」

春菜「ほら、全然気づいてなかっただけ! 嫌いじゃないって言ってるんだから良かったわね。じゃあ丹沢さん、あとよろしくー」


春菜は書類整理を理由に、

さっさと奥の事務スペースへ

退散していった。


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