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レベリングオート ~かつて最強だったプレイヤーが、Lv1からやり直すそうです~  作者: 行川 紅姫
二章:クソ鬼畜クエストの後にPVPってマジかよ……ウチのリー駄ーは何考えているんだ……
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極寒の地でファッション性第一主義者は只の自殺未遂に終わる

半年ぶりですね、お久しぶりです。

 イニティアムから遥か北に向った所にある氷山地帯、ニパス地方という場所がある。

 平均気温氷点下50度を平均的に記録するこの過酷な地域では、毎日のように吹雪があらゆる自然に対して押し寄せインクで塗りつぶされたかのように雪で真っ白に変貌する。こんな危険な地帯にも関わらず毎年あらゆる人達がこの地に立つ。

 何故こんな危険な土地にわざわざ足を運ぶのか……。それは至って単純明快、この土地には様々な地下資源が眠っているからだ。よくクエスト申請所からも、ここの資源調達を依頼される事があり報酬も上手く行けばたっぷり貰える。

 勿論、それは仮に生きて帰れたら――の話だが。

 一同は(特にスピカは)ニパスの地を舐めていた。

「がああぁぁあっっぁぁああああぁあぁ!? 寒うううぅぅうぅぅぅぅう!?」

「馬鹿じゃねぇの、よりにもよってこんな格好で二パス地方に行くんだよ」

 歯をガタガタ震わせながらも寒さに必死で耐えるスピカ。……実際は後先のことを考えない只の馬鹿者である彼女の装備は、こんな寒い土地にも関わらずファッション性を意識しすぎる事に問題がある。どこぞのセレブが着ていそうな羽毛コートを華麗に着こなしているだけだった。

「何でぇ!? 防寒対策してきたのにぃ……寒っ!?」

「お前にとっての防寒対策が一体何なのか是非ともお聞かせ願いたいね」

 対して冷静にスピカと会話するラルフは厚手のコートにマフラー、おまけに火炎(フレア)系の魔法を応用し彼の衣類はまるで電気毛布の様にポカポカと暖かい状態だった。

「そもそも、よくもまあこんな装備で大丈夫と自己判断できたなこんなモン俺にとっては只の自殺行為に他ならないぞそれ」

「分かってるなら教えなさいよ、リーダー命令よ何とかしなさい!!」

「何とかしろ……って、俺言ったじゃん。警告したじゃん」

「嘘よ、言った? そんなこと!?」

 スピカは、慌てて他のギルドメンバーに視線を向けるが、彼らは三人は向けられる度に呆れた表情でそっと。

「言ってましたよ、道中ラルフさん二度三度に渡って警告してましたよ」

 ユウが――

「言ってた……忠告は聞くべき」

 セピアが――

「リーダー、少しはラルフの言うことは聞くべきじゃないの?」

 レクティアまでもが――

 揃って同じ解答をスピカにぶつける。

 因みにその三人は最初からラルフの警告を素直に受け止めた結果それなりにしっかりと防寒対策が出来ていた。

 頑なに元トップランカーの忠告を無視し続けてきた結果がこれである。

「そんなぁあああ!? もうホント無理なの、いつ『石』になってもおかしくないよこれ!?」

 ギャーギャー喚くスピカを前にうんざりしたのかラルフは仕方ないと言わんばかりに魔法公式(プログラム=ルーン)を空中に描き、ある魔法を発動させた。

「はい、これでいいのか?」

 ラルフがため息交じりの声でそう言うとスピカは今まで子供のように喚いていたのにも関わらず今ではすっかりそれが嘘のように消えていた。

「あ……あれ、寒くない。えっ、何したの?」

「お前の周りに火炎(フレア)の魔法を唱えて温帯の気候に合わせて平均気温を調節したんだよ」

「え、何それ今サラッととんでもない事言ってたけど。それ出来るならそんなコートにマフラーいらなくない?」

「常識的且つ雰囲気的に考えて見ろよ、極端な話、平均気温マイナス50度を記録する所で水着一枚で歩きたいと思うか?」

「でも動きやすくて良くない?」

「俺はこの環境を楽しみたいからワザとやってんの、……余程の緊急事態にならない限りは自分にこの魔法は使わん。文句あるなら解除するぞ、お前に掛けてる魔法」

「あ、……ごめんなさいそれだけは勘弁してください」

 これでもラルフは元トップランカーだ。こうした知識の豊富性は遥かにダントツである。

(まあ過去に、これ使ってここのクエストの難易度を温くしてつまんなくさせたのが嫌だっただけなんだが……)

 逆にこうした知識によって、ゲームを楽しめなくなったのは残念な話なのだが。

 すると周りに居た三人の内のレクティアがスピカに声をかけた。

「ラルフ、ここでどうするかって考えているの?」

「ああ、まずはここの近くに住んでる人が居るからまずはそこに向おうと思ってさ」

「よくもまあこんなとこに人住めるわね、こりゃあモンスターもびっくりだわ」

「その意見には激しく同感だ」

 ラルフがそう言うと、吹雪に耐えながら向うべき方向へ進んでいく。

 他一同、体を震わせながらもラルフを追っていった。


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