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レベリングオート ~かつて最強だったプレイヤーが、Lv1からやり直すそうです~  作者: 行川 紅姫
1章:後半:最弱方程式 ※証明はされていません
41/50

放たれし禁呪、そして決着の時――

遅れてすいません


 ラルフの読みは見事的中した。

「――つまり、この文字は魔法公式(プログラムルーン)の一定の法則に従う訳だから……」

 数分前にエダから渡された消費アイテム、魔法改変の(ライブラリ)権利書(・チェンジャー)

 ラルフは彼から最後に書かれている文字の解読を依頼されていた。だが、ようやく完全に公式(プログラム)までもを解析することに成功した。一見人間が書いたかも分からないような文字がそこには映し出されてはいるもののラルフは、『ある方法』で解析する事に成功したのだ。

「……よし、出来た。解析、終了……」

 まさか、『こんな物(、、、、)』が今になってヒントになるなんて彼にとっても思いもしなかった。

「最初は嘘だと思っていたけど……マジで出来ちまった」

 ラルフがそう唖然としていた時。

 ――ラルフの元にエダから一通のメッセージが届いた。

『戦線離脱に成功したよ。今からキミの所に向かうよ』

「早っ。もうかよ――」

 メッセージを見た瞬間ラルフは辺りを見回すようにキョロキョロと首を回す。

 するとラルフの背後から声が聞こえた。その瞬間、反射的に体を回し声のした方向へ目を向けるとジョギングスピードで向かってくるレクティア達の姿がそこにはあった。

 全員がラルフの目の前に集まる。

「ラルフ、何とかキミの依頼は達成出来たよ」

「ああ、お疲れさん。俺も何とか解析に成功したよ」

 一息吐きながらそんな事を口に出すと近くにいたスピカがラルフに話しかける。

「ラルフ、私達も本気で手伝わせて。あの時はサポートも何も出来なかったけど今こそはここに私達が居る以上アナタの助けになりたい!!」

 するとラルフは言葉を張るように一つこう言った。

「いや、その質問の答えは確定事項みたいな物だろう?」

 そのまま彼は流れる様に他の皆へ一つあることを呼びかける。

「とりあえず、俺は今からある魔法(、、、、)を詠唱する。だけど、この魔法は普通の魔法とは桁違いのMP消費量だ。だから、君たちには協力してもらうからな!!」

「具体的には何をすれば良いの?」

 レクティアが問い、ラルフは答える。

「簡単さ、俺にありったけ(、、、、、)のMPを献上すれば良いんだ!! 10でも、1でもかまわない。在るだけ全部俺に付与しろ!!」

 叫びながらラルフはそこまで言うと。彼は空中に輝く光の見える方向に体を振り返らせた。

 その光はエダがグール達を一点におびき寄せる為に唱えた魔法による物だった。アンデット系モンスターは光を見るとそこに一斉に集中するためエダはうまくそれを利用したのだった。

 ラルフは一度深呼吸をし、心を落ち着かせるように目の瞼を閉じた。

《「――――」――――》

 ブツブツとまるでお経を唱えるかのようにラルフは今までキープしていた『あの能力』を一度崩し、【能力錬金(オリジナル)】によってゼロからもう一度別の効果としての『あの能力』を作り直した。

 事を終えるとラルフは静かに右手を前へ一直線に伸ばした。左手の人差し指には純白のマナを滲ませ既に詠唱のスタンバイは完了していた。

 そして――

 詠唱を開始する。


《「この世に存する万の御霊よ――」ⅠΣⅨ=Ⅱ/LvⅩ/――》


 ――この時ラルフの体からは、オーラのようにマナが吹き出した。

 ラルフの周りにはあらゆる公式(プログラム)が空間上に

 放たれたその光は、まるで蛍のように宙へと舞って行き空間に漂う光は自然に消滅する。

 彼の掌からは直径50センチほどの魔法陣が自動的に形成されゆっくりと回転する。


《「――我展開し魔の陣にて『全ての理を転覆し、愚者へと』――」――P⊆a→∀10ch1――》


 ――この時、辺りを照らす眩い光を中心に辺りのグール達を飲み込むような大きさの虹色の魔法陣が空中に形成された。

「……な、何だ?」

 ラルフが形成した魔方陣の中心下にいたアスピスは、驚愕の表情を見せた。次の瞬間、彼の体に大きな異変が起きる。

「体が動かない……!? ナゼだ!?」

 その場に倒れ込んでしまったアスピスは何とかして強引にウィンドウを開き自分のステータス情報を確認する。

 そこにはなんと、他から見ても絶対に有り得ないような数値が映し出されていた。

「嘘だろ、ステータス、Lv以外全ての数値が『1』だと――!?」

 信じられなかった。

 故に、アスピスの体が動かない理由はまさにそれだった。

 アスピスは、尋常じゃ無いほどに固まってしまう。

「バカな――!? そんな事が、あって良いはずが――」

 彼がそんな事を口にした、その直後だった。


《「――森羅万象、『全ての存在を否定』せよ」――∃,0,¬c^2-∀.Q.E.D.》


「第5作成魔法・【終末の虹(エンド=ダ・ウェルト)】。消えろ堕天使の使徒(デモ=ラドロ)おおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ――!!!!」

 ラルフの魂の叫びと共に、

 ――刹那。この世の空間、全てが光に包まれた。

 ゴゴッ!! という、まるで巨大な岩を小石にするかのように砕く重い音が辺りを響かせた。

 上空に展開された魔法陣の中心から光柱が発生し特殊なエネルギー波がアスピスとグール達へ向けて放出される。

 光柱はの色は白から始まり、赤や黄色と次第に色を変えてゆく。

「――――!!」

 アスピスの悲鳴にも似た叫び声は光の波動の衝撃によって悉くかき消された。


「な、何っ、この魔法……!?」

 魔法を唱えるラルフのすぐ側にいたレクティアが呟くようにそんな事を口にした。

 レクティアが唖然としている中、エダは腕を組みながら平然とした顔つきのまま言葉を紡いだ。

「これが、『魔法改変の(ライブラリ)権利書(・チェンジャー)』の力……」

「なんで、【終末の虹(エンド=ダ・ウェルト)】をラルフが!?」

「ん? キミもしかして知ってるのか?」

「知ってるも何も、この魔法ってワールド上では『禁呪指定』されてるヤツじゃないですか!!」

 【終末の虹(エンド=ダ・ウェルト)】、それはこの世に存在する魔法の中で最も強力かつ最も消費MPが大きい高等魔法である。

 それにレクティアは放った言葉『禁呪指定』。それはこの世に存在する魔法の中で特に現実の肉体までに影響を及ぼす物にのみに言われる言葉だ。禁呪に指定された魔法は即座に関係のある書物やデータを完全に抹消されその魔法はこの世には存在しない(、、、、、)扱いとなる。

 特に【終末の虹(エンド=ダ・ウェルト)】は5段階の危険度の中でも最も危険なAクラスの分類に入る魔法だ。実際Aクラスに指定された魔法はこれまで、それしか確認されていない。

「そうさ、おまけにボクは最初から『そのつもり』だったし」

「そのつもり?」

「ラルフの固有特性(パーソナルアビリティ)は『存在しない(、、、、、)魔法・特性を作成出来る能力』だよ。それに禁呪指定されたら『存在しない』扱いになる。だからボクはラルフの力の利用したのさ」

「す……凄い」

 聞いてレクティア自身その言葉しか出なかった。

 レクティアがその言葉をな放った直後ラルフの魔法の効力が尽きた。

 天から地へと貫くように輝く光柱が段々と細くなり光は全て消えた。

 最後まで詠唱を維持し続けたラルフは、あまりの疲労にその場に崩れ落ちる。

「ラルフ!!」

 レクティアは叫びすぐさまラルフの下へ駆け寄り彼女の両手をラルフに宛てる。

「は、ははっ……ちょっと、無理しちゃった。かな」

 彼の発した声は弱々しかった。まるで声帯が潰れたかのような掠れた声だった。

「無理も何も……どうして、そこまで!? 早く一旦回復を――」

「いや、……しなくて良いよ」

「えっ?」

 するとラルフはレクティアにしか聞こえないような声量で静かにあることを口ずさんだ。

「お前から『こう』されるのも……正直、悪くないから……ね」

 ラルフは言うと、眠りにつくかのようにゆっくりと目を閉じた。

「もう……ホントにバカじゃないの……アナタは」

 聞いて頬を真っ赤にし、両目から透明な雫をポロポロと流しながらレクティアは宛てていた両手を力強く握り締めた。

 ラルフの魔法で諸共被ったグール達の姿は無く、アスピスの姿も何一つ残っておらず、ましては地上はまるでクレーターの様に変貌しその中心には『核石(セミ=クリスタル)』すら残っていなかった。

 やがて、闇雲に包まれた空からは天国への梯子のように太陽の光が入ってゆき彼らを歓迎するかのように優しく照らした。


 そして――彼ら達の元に静寂が訪れた。


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