守れなかった宝物
閉会式が終わって、私はまた1人で帰ろうとしたその時…
『生徒会長!一緒に帰りましょ。』
いつもの日常が戻ってきてしまった…
『無視?』
『(もう誰も助けてくれない…)』
『おい、聞いてんのか?』
私は背中を蹴られて転んでしまった…
『あっ!!麗奈ちゃんの服が……』
必死に埃をはらうひより
『あーあ…せっかくもらった制服なのにもう汚してんの?』
『美月…あれ…』
山本さんが何かを合図した。
『ひよりダメだろ?大切にしなきゃ。』
そう言ってスカートの砂を払ってくれた松島さん…
『あっ…ごめん…』
佐藤さんはわざと私にぶつかった…
そこには泥の水溜まりがあった…
『あっ!!あぁぁ!!』
『うぁぁ……』
私は初めて声を上げて泣いてしまった…
『お…お願いします…
この制服だけは…許してください…』
そして私は汚れたまま…土下座した…
着いた手が震える…
『こんなんじゃあたしたちがいじめてる見たいじゃん。』
『私たち何もしてないのにね。』
『染み付かないように早く帰って洗濯しろよ。』
私は足音が消えてもしばらく怖くて動けなかった…
その後の記憶は無く、家に着くと玄関でお母さんが待っていた…
『ひより…どうしたのそれ。』
ドロドロの制服を見て母は言った。
『お母さん…』
とうとうバレてしまった…
『それにその制服…前に来たあの子が着てたやつじゃない。』
『洗濯してあげるから早く脱ぎない。』
『あとこれ。どう言う事か教えて。』
そう言って渡された二通の手紙…
桜台高校から届いた手紙…
中には明日の日付けが書かれた退学届けが入っていた…
そしてもう一通は…
【明日クマのマスコットを2つセットで持ってきて】
【麗奈】
麗奈ちゃんの手紙だった。
私は制服を洗濯かごに入れ、急いで部屋に閉じこもるしか出来なかった…




