■第71話:あの日の意味
戦場は。
まだ壊れている。
ぶつかっているはずの軍が。
噛み合わない。
それを。
見ている者たちは。
理解し始めていた。
■観測位置
「……全部、同じだな」
レオンが呟く。
「動きが揃ってる」
ガイラスが頷く。
「普通じゃねぇ」
ミレアが資料を閉じる。
「被害の広がり方も制御されてる」
カイルが震える。
「戦争なのに……」
「広がってない……?」
一拍。
ヴェルドが静かに言う。
「違う」
「広げていない」
その言葉。
意味が重い。
そして。
ルナが前を見たまま言う。
「……知ってる」
全員が見る。
「このやり方」
沈黙。
レオンが低く言う。
「……あいつか」
ルナは頷く。
「うん」
「カインだよ」
カイルが息を呑む。
「で、でも……なんでこんなこと…」
一拍。
ルナは目を伏せる。
「壊れたんじゃない」
静かな声。
「決めたの」
レオンが顔を上げる。
「……何を」
一拍。
ルナが言う。
「もう二度と、同じことを起こさせないって」
エリナが目を見開く。
「……それって」
言葉が続かない。
ヴェルドが引き取る。
「だから」
一拍。
「戦争を整えている」
カイルが震える。
「整えるって……」
ミレアが小さく言う。
「被害を抑えてる……?」
ヴェルドは首を振る。
「違う」
一拍。
「“あの状況”を作らせないためだ」**
沈黙。
誰も言葉を出せない。
ルナが小さく言う。
「……あの人」
一拍。
「まだ、あの日から出てない」
レオンが目を閉じる。
エリナは唇を噛む。
カイルはただ震える。
そして。
全員が理解した。
カインは。
変わっていない。
ただ。
世界の規模で。
やっているだけだ。




