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第284話:店の前の荷車
■橋の先の宿
朝。
空き地に建設中の小さな店。
その前に荷車が止まっていた。
釘。
板材。
布。
職人が荷を降ろす。
宿の主人が眺める。
「本当に店になるな」
誰かが笑う。
橋が直った。
宿が埋まる。
店が建つ。
どれも大きな出来事ではない。
だが確実な変化だった。
昼。
旅商人が立ち止まる。
「次来る頃には開いてるか」
職人は肩を竦める。
「多分な」
夕方。
共同街道局へ報告が届く。
「商業施設建設進行中」
係官が記録する。
地図の一点に新しい印が付いた。
■レグナス
カイルが報告を読む。
「橋一本でここまで」
ヴェルドは頷く。
「橋だけではありません」
窓の外を見る。
「橋を使う人たちです」
■最後
発展は建物ではない。
人が動き続けることで生まれる。
そんな小さな変化が今日も続いていた。
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