281/442
第282話:昔話の終わり方
■ドラグナール竜騎帝国・酒場
夜。
若い竜騎兵たちが集まっていた。
古参教官もいる。
話題は昔の戦だった。
落ちた竜。
帰らなかった仲間。
命懸けの飛行。
若い兵たちは聞き入る。
やがて一人が聞いた。
「後悔してますか」
酒場が静まる。
教官は少し考えた。
長い沈黙。
そして首を振った。
「してない」
短い返答。
だが続きがあった。
「ただ」
一拍。
「お前たちには同じ目に遭ってほしくない」
誰も笑わなかった。
誰も茶化さなかった。
静かな夜だった。
■最後
昔を誇ることと、繰り返したいことは違う。
時代は少しずつ変わり始めていた。
(次話へ)




