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127/152

■第127話:距離

 世界は。

 

 一度。

 

 

 触れた。

 

 

 

 そして。

 

 

 理解した。

 

 

 

 “触れてはいけない”と。

 

 


■魔導国家・中枢

 

「結論を」

 

 

 重い声。

 

 

 

 

 

 

 一拍。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 観測騎士団の報告が並ぶ。

 

 


■報告要点

 

・現象再現可能

・制御不可

・干渉時、崩壊発生

 

 

 そして。

 

 

 

・観測不能領域あり

 


■沈黙

 

 誰も言わない。

 

 

 だが。

 

 

 

 答えは出ている。

 

 


■判断

 

「……撤退する」

 

 

 静かな決定。

 

 

 

 

 

 

 一拍。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 誰も反論しない。

 

 


■意味

 

 戦闘しない。

 

 

 観測もしない。

 

 

 

 触れない。

 

 

 

 

 完全な距離。

 

 


■確認

 

「観測騎士団は」

 

 

 

 

 

 

「待機状態へ移行」

 

 

 

 

 

 

 一拍。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最も重い決定だった。

 

 


■内部

 

「……いいのか」

 

 

 誰かが呟く。

 

 

 

 

 

 

「放置するのか」

 

 

 

 

 

 

 一拍。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 答えは出ない。

 

 


■本音

 

 止められない。

 

 

 だから。

 

 

 

 触れない。

 

 

 

 

 それだけ。

 

 


■ヴァルハイン

 

「……引いたか」

 

 

 レオナルトが言う。

 

 

 

 

 

 

 一拍。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「当然だ」

 

 


■理解者

 

「最も近い存在ですら」

 

 

 参謀が言う。

 

 

 

 

 

 

「対処不能」

 

 

 

 

 

 

 一拍。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 沈黙。

 

 


■認識

 

 もう。

 

 

 確定に近い。

 

 

 

 これは。

 

 

 

 “戦争ではない”。

 

 


■中規模国家

 

「魔導国家が動かない?」

 

 

 将が言う。

 

 

 

 

 

 

「観測も止めたらしい」

 

 

 

 

 

 

 一拍。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……なぜだ」

 

 


■不安

 

 理由が分からない。

 

 

 だが。

 

 

 

 異常だと分かる。

 

 

 

 

 それが。

 

 

 

 

 一番怖い。

 

 


■観戦国

 

「……静かだな」

 

 

 将が言う。

 

 

 

 

 

 

 一拍。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「妙に」

 

 


■変化

 

 戦いは続く。

 

 

 だが。

 

 

 

 空気が変わる。

 

 

 

 

 軽くない。

 

 

 

 

 誰も笑わない。

 

 


■レグナス(上層)

 

「外部」

 

 

 ミレアが言う。

 

 

 

 

 

 

「観測騎士団、撤退」

 

 

 

 

 

 

 一拍。

 

 

 

 

 

 

 

 

 カイルが息を止める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……終わりましたね」

 

 


■否定

 

「いや」

 

 

 ヴェルドが言う。

 

 

 

 

 

 

 一拍。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「始まっただけだ」

 

 


■分析

 

「止める側がいない」

 

 

 ヴェルドが続ける。

 

 

 

 

 

 

「だから」

 

 

 

 

 

 

 一拍。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「止まらない」

 

 


■ルナたち

 

「……引いたね」

 

 

 ルナが言う。

 

 

 

 

 

 

「観るやつら」

 

 

 

 

 

 

 レオンが笑う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一番マシな判断だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 エリナが小さく言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……怖い」

 

 


■静かな理解

 

 世界は。

 

 

 少しだけ。

 

 

 

 理解した。

 

 

 

 

 これは。

 

 

 

 

 止められない。

 

 

 

 

 その領域にあると。

 

 


■最後

 

 戦いは。

 

 続く。

 

 

 止める者はいない。

 

 

 

 触れる者もいない。

 

 

 

 

 ただ。

 

 

 

 

 崩れていく。

 

 

 

 

 静かに。

 

 

 

 

 確実に。

 

 



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