■第127話:距離
世界は。
一度。
触れた。
そして。
理解した。
“触れてはいけない”と。
■魔導国家・中枢
「結論を」
重い声。
一拍。
観測騎士団の報告が並ぶ。
■報告要点
・現象再現可能
・制御不可
・干渉時、崩壊発生
そして。
・観測不能領域あり
■沈黙
誰も言わない。
だが。
答えは出ている。
■判断
「……撤退する」
静かな決定。
一拍。
誰も反論しない。
■意味
戦闘しない。
観測もしない。
触れない。
完全な距離。
■確認
「観測騎士団は」
「待機状態へ移行」
一拍。
それが。
最も重い決定だった。
■内部
「……いいのか」
誰かが呟く。
「放置するのか」
一拍。
答えは出ない。
■本音
止められない。
だから。
触れない。
それだけ。
■ヴァルハイン
「……引いたか」
レオナルトが言う。
一拍。
「当然だ」
■理解者
「最も近い存在ですら」
参謀が言う。
「対処不能」
一拍。
沈黙。
■認識
もう。
確定に近い。
これは。
“戦争ではない”。
■中規模国家
「魔導国家が動かない?」
将が言う。
「観測も止めたらしい」
一拍。
「……なぜだ」
■不安
理由が分からない。
だが。
異常だと分かる。
それが。
一番怖い。
■観戦国
「……静かだな」
将が言う。
一拍。
「妙に」
■変化
戦いは続く。
だが。
空気が変わる。
軽くない。
誰も笑わない。
■レグナス(上層)
「外部」
ミレアが言う。
「観測騎士団、撤退」
一拍。
カイルが息を止める。
「……終わりましたね」
■否定
「いや」
ヴェルドが言う。
一拍。
「始まっただけだ」
■分析
「止める側がいない」
ヴェルドが続ける。
「だから」
一拍。
「止まらない」
■ルナたち
「……引いたね」
ルナが言う。
「観るやつら」
レオンが笑う。
「一番マシな判断だ」
エリナが小さく言う。
「……怖い」
■静かな理解
世界は。
少しだけ。
理解した。
これは。
止められない。
その領域にあると。
■最後
戦いは。
続く。
止める者はいない。
触れる者もいない。
ただ。
崩れていく。
静かに。
確実に。




