■第110話:外部戦線③
戦いは。
続いている。
だが。
同じ崩れが。
増えていた。
■グラディア前線
「第三小隊、崩れ!」
「第五も続いています!」
報告が飛ぶ。
同時に。
複数。
「……またか」
■崩れの質
単発ではない。
連続する。
一つ。
また一つ。
同じ形で。
「遅れてる……?」
■現場
「合わせろ!」
叫ぶ。
だが。
迷う。
一瞬。
その間に。
崩れる。
「くそっ!」
■フェルス側
「押し込め!」
号令。
だが。
踏み込みが。
揃わない。
一拍。
それだけで。
攻撃が薄い。
「……なんだこれは」
■全体
両軍とも。
同じ。
ズレる。
崩れる。
決まらない。
戦いが。
進まない。
■グラディア本陣
「崩れ、増加」
報告が入る。
「原因は」
一拍。
「不明」
将が沈黙する。
「……おかしい」
■指揮官の違和感
「疲労では説明できん」
別の将が言う。
「同時に起きすぎている」
一拍。
「何かある」
■否定
「……気のせいだ」
別の声が切る。
「戦場ではよくある」
一拍。
「偶然が重なっただけだ」
楽な答え。
そして。
選ばれる。
■停滞
結論は出ない。
調査も進まない。
戦いは続く。
ズレたまま。
■観戦国
「動きが鈍いな」
将が言う。
「決め手がない」
一拍。
「拮抗しているだけだ」
評価は変わらない。
■レグナス(上層)
「外部戦線、崩壊拡大」
ミレアが言う。
「指揮官レベルで違和感」
一拍。
カイルが顔を上げる。
「……気づきますか」
ヴェルドが答える。
「まだだ」
■分析
「説明できない」
ヴェルドが続ける。
「だから切る」
一拍。
「それが人間だ」
■ルナたち
「……惜しいね」
ルナが言う。
「あと少しで届くのに」
レオンが笑う。
「でも切る」
エリナが小さく言う。
「……なんで?」
一拍。
ルナが答える。
「楽だから」
■レグナス
「報告」
「外部違和感、拡大」
一拍。
「問題ない」
それだけ。
戦いは。
進まない。
崩れながら。
だが。
誰も止めない。
気づきかけて。
それでも。
届かない。
それが。
今の世界だった。




