■第107話:戦後(第二戦)
戦いは。
二度終わった。
同じ結果で。
だが。
残ったものは。
同じではなかった。
■ヴァルハイン本陣
「損害報告」
静かな声が響く。
「第一次接触に比べ」
「損耗、増加」
一拍。
「再編困難」
沈黙。
重い。
だが。
それ以上に。
違和感がある。
■参謀室
「……説明できるか」
レオナルトが問う。
一拍。
誰も答えない。
できない。
ただ一人を除いて。
■理解者
「……一つだけ」
参謀が口を開く。
一拍。
「仮定ですが」
全員が見る。
「“条件”ではない」
■仮説
「戦力でもない」
「戦術でもない」
一拍。
「接触した時点で」
「結果が決まる」
■否定
「……ありえん」
楽観派が即座に切る。
「そんなものは戦争ではない」
一拍。
「証明もできん」
正しい。
だが。
違う。
■沈黙
誰も肯定しない。
誰も否定しきれない。
それが。
一番危険だった。
■レオナルト
「……記録に残せ」
短く言う。
「仮説として」
一拍。
「検証は続ける」
それだけ。
だが。
方向は変わった。
■変化
戦うだけではない。
理解しようとする。
それだけで。
前回と違う。
だが。
まだ。
確信ではない。
■他国視点(中規模国家)
「二度とも撤退か」
将が笑う。
「話にならんな」
副官が頷く。
「やはり小国に手間取っただけです」
一拍。
「宰相がどうとか関係ない」
軽い断定。
変わらない。
■バルザーン帝国(戦略部)
「二度の接触」
将が資料を見る。
「同一傾向」
一拍。
「興味はある」
だが。
「まだ観測で足りる」
■レグナス(上層)
「ヴァルハイン、再編中」
ミレアが言う。
「内部で仮説発生」
一拍。
カイルが顔を上げる。
「……気づき始めましたか」
ヴェルドが答える。
「まだ浅い」
■ルナたち
「……分かりかけてるね」
ルナが言う。
レオンが笑う。
「でも届かねぇ」
エリナが小さく言う。
「……どうなるの」
一拍。
ルナは静かに言う。
「まだ続く」
■レグナス
「報告」
「異常認識、一部確認」
一拍。
「問題ない」
それだけ。
二度終わった。
同じ結果で。
だが。
違いが生まれた。
理解する者と。
理解しない者。
その差が。
これから。
広がっていく。




