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第76話 帰還、そして再び動き出す朝

ルファスとキャスカを救出した。

二人とも辛かったな……

俺がちゃんとしてればこんな事にならなかったのに。

本当に俺はクソ野郎だ。

でも大丈夫かな、二人とも。

特にキャスカは女の子だし、どう接すればいいのか……

 昨日、ルファスとキャスカを救出して城から逃げてきた俺たちは、山中の丘で車中泊をした。

 ロックをかければ俺の軽キャンの中は世界一安全な場所だから、安心して眠る事が出来た。

 まあ、狭いので俺は運転席で寝たから仮眠みたいでちゃんと寝れなかったが、回復薬(小)を飲んだので体は平気だ。


 朝起きて周辺を見渡したが、追手が来た形跡がないのでひとまずは安心。

 山奥なのが幸いしたのだろう。

 だがまだヴァルファ帝国領内だから、帰るまでは気を抜かないようにしないとな。

 

「ヒロシ、コーヒーまだいる?」


 朝御飯後のコーヒーを飲んでいると、空いたカップを見てレイラが聞いてきたのでおかわりを頼む。

 気が利く奥さんだ。


 タバコに火をつけ、俺は考えていた。


 本当にヴァルファ14世を生かしておいて良かったのか?

 それが正解だったのか間違いなのか俺には、正直わからない。

 あの時は、キャスカが生かしてやって欲しいと言ったから生かした。

 それだけだ。


 いくら父親だろうと、あんな酷い目に合わされたのに、キャスカ……


 俺はヴァルファ14世を許した訳じゃない。

 次に奴が二人に何かしたら、俺は問答無用で……殺る。



「何、怖い顔してんのよ」


 キャスカが、俺に話しかけてきた。


 何時もの強気で、生意気なキャスカだ。


 それが……嬉しい。

 日常が戻った気がする。


「うるせーよ。

 ニヒルな顔をしていると言ってくれ」


 俺は笑ってキャスカに言ってやった。


「そろそろ、ラガス王国に帰るか?」


 俺の言葉に、キャスカは頷くと辺り風景を目に焼き付けるように眺めてた。

 悪い思い出もあれば、良い思い出もあるのだろう。


 それが生まれ育った土地っていうものなんだろうな。


 実際キャスカが何を考えているのか、何を思っているのか……俺には解らない。

 俺は余計な事を言わずに、ただその様子を見ながら、レイラが持ってきてくれたコーヒーを飲んだ。



「みんな乗ったか?」


 俺は、運転席から、後ろのみんなに聞いた。


「大丈夫よ」


 レイラ。


「ヒロシ様、プロムはいつもお側にいます」


 プロム。


「大丈夫です」


 ルファス。


 全員乗車完了。


「それじゃ、行こうか?」


 助手席に乗せたキャスカに言った。

 綺麗な風景でもみて、元気出せー。


「あんたじゃなくてお兄様が隣ならよかったのに」


 俺を見ずに、窓の外を見るキャスカが答えた。

 気を使ったのに、言い方!

 まあ、これがいつものキャスカだ。

 いつも通り、それが嬉しくて俺は笑顔になった。


 前を向きアクセルを踏み込み軽キャンを走らせる。


ブロロロローー




 暫く走ると、国境付近に到達。

 案の定、ヴァルファ軍が待ち構えていやがったぜ。


ブロロロローー


 大勢の兵士たちがこちらに向けて弓を構えるのが見えた。

 かなりの殺意を感じる。

 ヴァルファ14世の野郎、俺に半殺しにされたのをかなり恨んでいるんだろうな。

 国境にあんなに沢山の兵士を配備しちゃって。


 だから?



「バカが、停まるかよ」


 俺は、アクセルを踏む。


ブオォオオーー


 スピードを上げた軽キャンに向かっての雨が軽キャンに降り注いできた!


カッ! カツ! カン! カッ! カツ! カン!


 軽キャンに、どんどん矢が当たるが、女神の加護で強化されたボディーに傷すらつける事が出来ない。


「カンカン、カンカンうるさいな!」


 俺は、矢の雨を無視してヴァルファの兵士達へ向けて突き進む!


ブオォオオーー


 奴等も撥ね飛ばされたくないようで、兵士達が左右に分かれて避けていく。

 

「このまま国境を抜けるぞー!」


「ヒロシ、ジュース飲む?」


 軽キャンの冷蔵庫から冷えたジュースをレイラが差し出してくれたが、この状況で?


「ありがと、レイラ。

 今ちょっと忙しいから後でな」


「あ、私飲みますわ」


「キャスカ、揺れるから後にしなさい」


 車内にジュースをこぼされたくないので注意する俺。


「ヒロシ様、お菓子はどうです?」


「後でねプロム!」


「ノガミさん、チョコ美味しいですよ」


「そうか、ルファス!

 で、何の報告??」


 ……大丈夫か、こいつ等。


「俺が頑張ってるんだから、全員もう少し緊張感を持ちましょうよ!」


ブオォオオーー


 兵士をかき分け突き進むと国境ゲートの前に木のバリケードが築かれているのが見えた。


「そんな物、足止めになる訳もないだろう」


ドガァアアアーー!!


 バリケードと国境ゲートを突き破り悠々ヴァルファ帝国を走り去る俺たち。


「みんな、お疲れさん!

 そんじゃ、このままラガス王国へ帰るぞー」



ラガス王国・軽キャンクラブの拠点の屋敷――


 カイとウィズが、慣れた手つきで洗濯物を干している。


 その時、ウィズの耳に小さく軽キャンのエンジン音が聞こえた気がした。


「!」


 その音が徐々に近づいてくるのが分かり、間違いないと確信する地獄耳のウィズ。


「頼む!」


 一緒に作業していたカイに、洗濯物を投げつけ走り出すウィズ。


「ちょっと、ウィズ何やってんだよ! ふざけてると、また、フィリーに怒られるぞ!」


 カイが注意するが、ウィズは無視して敷地を飛び出していく。


 遠くをキョロキョロ見渡すウィズの動きが止まった。


「カイ! バンとフィリー呼んでこい! 帰ってきた!」


 ウィズの言葉に、カイは飛び上がって、バンとフィリーを呼びに走る。


 ヒロシ達が戻ってくるのだ!



ブロロローー……


 軽キャンが屋敷の前に到着すると、ウィズ達が出迎えてくれていた。


 みんなの姿を確認して、帰ってきたんだと実感。

 絆の強さってのが、こういう時にわかるもんなんだと思う。

 ただ……今は事情があるので絆とか考える余裕は無い。


「ただいまッ」


 それだけ言うと足早に屋敷に入った俺は、トイレへ直行する。

 結構前から、便意と戦って運転してきてたんだ、仕方ないだろう。


 感動の対面とはならなかったが、ヒロシ達は無事ルファスとキャスカを仲間の元へと届けることが出来た。



――ヒロシたちがラガス王国へ帰還して、数日が過ぎた。


 最近忙しかったから、ゆっくりするのも悪くない。

 って事で、毎日遊んで過ごしていた。


 開き直ってはみたが……


「やっぱ、働かざる者食うべからず! だよね?」


 俺達は、そろそろ冒険者家業に戻ろう!



 言ってはみたが……モチベーションが上がらない。


 別に金に困ってる訳でもないし、ちまちまと冒険者しててもなぁ。


「いかん、いかん! だらけた生活続けてたら体にも精神衛生上にも良くない!」


 今日はしないけど、明日から頑張ろう!

 もうね、やる気満々の俺は止められないぜ。

 明日からバリバリ頑張ろう。

 ただ、今日は休み。



 そんな風に考えていたら、更に数日が過ぎていた。

 ……まあ、やろうと思う事が大事だから。

 明日こそは、頑張ろうと思います。

やっぱり我が家が一番!

読者諸兄から、やる気の塊と評判の俺だがダラダラと過ごしている。

まあ、明日から頑張れるから、俺はまだ大丈夫だな。

評価とブクマがあればなぁ……チラチラ

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