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剣の守人  作者: なめなめ
守人の章
1/85

剣の守人

完結までは、毎日数話ずつ投稿していきますのでよろしくお願いいたします!

 ――――いつなのか、どこなのか定かでない遠い昔にあった世界の話。

 その世界には“魔王”なる悪しき者が存在した。人々に多大なる恐怖と絶望を植えつけようとする魔王を倒さんがため、人々は必死になって抵抗……しかし、悲しいかなその全ては(ことごと)く圧倒的な力によって蹂躙(じゅうりん)されて崩壊の一途を辿ることに。


 やがてこのままで人の歴史が終わる。そう誰も思えた時、何と彼等に救いの手を差し伸べる者が現れた!


 手を差し伸べたのは神。天の世界から全てを司る全能の存在は、人々の希望となり、同時に過酷な試練を与える。



 ――――ここは地上から遥か上空に浮かぶ天空城。


 古びた外壁で固められた外見の一方、内部は全体が大理石(だいりせき)を削って造った屈強な柱や壁によって支えられる構造になっており、中心部には六角形の大広間が存在する。

 また、六角形の辺にあたる壁部分にはそれぞれ別エリアへ繋がる扉が一つずつの計六つが設けられ、広場の中央にあたる位置に設置された円柱形の台座には、光り輝く美しい剣が『好きに抜いてくれ』と言わんばかりに突き立てられてあった……っが、その剣が実際に好きに抜けるかというと、答えは限りなく“(いな)”に近い。

 何故なら、剣は無造作に突き立てられてはいるが、決して()()()(さら)されている訳ではなかったからだ。


 剣の(かたわ)らには一人の少女が立っている。


 年の頃は人間に例えると十六か十七程に見える。短い銀髪に額から禍々しい一本角を生やし、眼光は赤く鋭い。

 さらに手には、自作したと思われる丈夫そうな槍が握られていて、如何にも只者ではないオーラを醸し出していた。


 尚、彼女の格好は簡易的な白い胸当、膝下までが隠れるくらいの黒く丈夫な布を適当に腰で巻いているだけの粗末な装備。

 右脚には所々が破れた黒いソックスを履き、両足は裸足。


 ――――そして、この少女が何者かというと……その正体は直ぐにでも明かされることになる。そう、すぐにでもだ!


「……また誰かやって来たみたいね」


 突然何者かの気配を感じ取った少女。どうやら城のどこかに“侵入者”が現れたらしい。


「ふぅ~」


 深く息を吐いて面倒そうな表情を見せる少女。表情からは、これが“いつものことだ”と言わんばかりな印象を感じさせていた。


 タッタッタッ……その内どこからか足音が聞こえ、侵入者が広間へ向かって来ていることを報せる。


 バタァーーーーーーーンッッ!!


 勢い良く開かれた扉に注目。するとそこには、長い髪を後ろに結んだ薄汚れた冒険者風の中年男が立っていた。


「あれが“魔王を倒す”といわれる剣だな……」


 男は一人言のように呟やくと、迷うことなく剣が突き立てられた台座の手前へ歩いて移動。


「ほぉ、思ったよりも普通の形をしてんだな」


 そして剣を一瞥(いちべつ)した後、物怖(ものお)じすることなく手を伸ばして……


「待ちなさい!」


 突然の制止に、男の手はピタリと止まった。


「何だぁ小娘? もしやとは思うが、お前が“剣の守人”なのか?」


 怪訝に訊ねる男に対し、小娘と呼ばれた少女は持っていた槍の穂先(ほさき)を向けて不敵な笑みを浮かべてから言う。


「それ以外に何がある?」と……

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