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クラスの王子様は僕の前でだけ我儘なメイド姿の女王様  作者: 隼


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第2話 二人での密会

 僕と宮原さんの時が一瞬静止する。僕達は次に何を言えば良いか思考していた。


「メグちゃん、どうしたの~?」


 黙っている宮原さん(メグちゃん)を見かねたマユさんが心配そうに宮原さんの顔を覗き込む。緊張して止まってしまったと思ったのだろう。


「あ、いえ、大丈夫です。め、メグで~す。よろしくお願いします」


「おお~、カッコ可愛い女子ですな」


 藤原は声を上げる。僕はふんっと藤原を見るがどうやら宮原さんのことを気付いていないようだ。というかこいつ学校の連中に興味無いから、もしかして宮原さんのこと認識してないのか……?僕は不思議に思いながら再び宮原さんの顔を見ると他の人に気付かれないようにこちらを凝視しているのが分かった。

 まるで「余計なことは喋るな」と言わんばかりである。僕は伝わるか分からないがコクっと頷く。


「おお、これはまた美人ですな。ゲヘヘ」


 こいつ、同じ学校だと気付いてないからゲス顔をしているな。お前、明日から学校での立場無くなっても知らんぞ。でも確かにいつもの凛とした感じとは違ってフリフリのメイド服姿の宮原さんを見るのは新鮮だ。元が美人なのはそうだが、女の子らしくって言ったら変だが可愛い女の子って感じだ。


「あ、ありがとうございま~す」


 宮原さんはぎこちない笑顔で対応する。まさか同じクラスの僕がいると思っていないからテンパっているのだろうか。


「ふ、藤原、僕やっぱり先帰ろうか?」


 何だか宮原さんに悪い気がして先に帰ってしまった方が良いだろうと判断する。僕はカバンを持って立ち上がる。


「え、あんまり面白くないか?」


 藤原が不安そうに俺を見上げる。折角、藤原が自分のおごりだからと連れてきてくれたのに申し訳ないと感じてしまう。だが宮原さんの迷惑になるわけにもいくまい。


「ご、ご主人様~、ごゆっくりしていってください」


 宮原さんが僕の顔を見て座ってと促す。あれ、彼女はてっきり僕に帰って欲しいと考えていたのだけど。僕が突っ立っていると宮原さんは僕の背後に周り肩を掴んで椅子に座らせる。


「五時に終わるのでこの店の近くの公園にいて」


 と耳打ちされる。僕はハッと宮原さんを見るとニコッと満面の笑みで僕を見ていた。その笑顔から「絶対に来いよ。来ないと◯す」と言われている気がした。僕はコクコクと頷く。


「や、やっぱりもう少しだけいるよ……」


「おう、そうか。まあゆっくりしようぜ」


 その後は藤原の推しであるマユさんが藤原とたまに話すくらいでのんびりした時間を過ごした。まあ時々、宮原さんが僕のことをジイっと凝視しているから怖くもあった。そして一時間少し経っただろうか。


「よし、そろそろ帰るか」


 藤原が帰り支度を始めたので僕もすぐ準備をして二人で出口に向かう。するとマユさんと宮原さんが一緒に会計の所まで来てくれた。


「道雄君、また来てね~」


「うん。あっ、次回からこいつも割り引いてやって」


「は?」


 藤原が俺を指して提案する。意味がわからず藤原の肩を掴む。


「いや、お前も居心地良さそうだったから。じゃよろしくね~」


「おっけ~」


 マユさんも会計をしながら快く快諾する。いや、こんな簡単に決まるってもしかして藤原ってただの株主って訳じゃないのか。いや、株主ってなんなのか具体的に知らないが。ふと宮原さんのことが気になってマユさんの後ろに立っている彼女を見る。


「……」


 宮原さんは相も変わらず僕の事を凝視している。さっき言った事忘れてないよな?と言わんばかりだ。そして会計が終わり俺達は外へ出る。


「俺は帰ろうと思うがこの後、どうする?」


「あっ、いや、僕はもうちょっとアキバで用あるから先帰ってくれ」


 僕は宮原さんに呼び出しを受けているので待たなくてはいけないのだ。藤原は「じゃあな~」と言って駅の方へ向かっていった。時計を見ると五時まで時間があるので近くのアニメショップで時間を潰すことにした。


 そして約束の五時過ぎ、指定されていた公園に向かうとワイシャツにロングスカートの宮原さんが腕を組んで仁王立ちしていた。僕はその姿を見て「うっ……」と躊躇してしまう。


「来たわね」


「はい……」


 僕は借りてきた猫のように肩をすくめる。僕は特に悪いことをした訳ではないけど平謝りしたほうが良いのだろうか。


「今日のことは誰にも言ったりしないので何卒……」


「……」


 宮原さんは口元を手で抑えて考えている。美人の宮原さんがそうしているだけで画になるななどと呑気な事を考えてしまう。


「……、まあ誰かに言ったらクラスで孤立させるように動けば良いか……」


 普段皆に優しくて慕わられている宮原さんから小さく恐ろしい言葉が漏れ出ていた。


「あの……、僕元々孤立してるのであんまり効かないです」


「……ごめん」


 何故か謝られてしまった。べ、別に傷付いた訳じゃないし!!


「だ、誰にも言わないし。もうお店にも行かないようにするから許してくれないかな!!」


 僕は頭を下げてお願いする。スクールカーストの低い僕はこれくらしないと信用してもらえないだろう。宮原さんはしばらく黙った後、再び話し始める。

「ここで働くことを他に言わなきゃそれで良いよ。……、あともう一つ、芦田君にお願いしたいことがあるんだけど」


「!?わ、分かった。お願いって何?」


 この状況を抜けられるならお願いくらい聞こうじゃないか。さあ、なんだ!!


「わ、私が可愛いメイドになれるようにレクチャーしてくれないかな?」


「え?」

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