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エリシア、異世界間スロー交流はじめます!

【第4巻 第20章 季節めぐる、のんびり祭り】



 ラントシティでは、四季を祝う【季節の祭り】が新たな恒例行事になった。


 「春のお花祭り、はじまるよ~!」


 街中に桜の花びらが舞い、

 ピクニック広場では、花見団子や桜まんじゅうが売られた。


 エリシアは、のんびりレジャーシートに寝ころび、

 クッキーをかじりながら、舞い散る桜を見上げた。


 ***


 夏。


 「ラントシティ夏祭り、開幕!」


 浴衣姿の人々が練り歩き、

 屋台では、かき氷、焼きとうもろこし、金魚すくい!


 巨大プールでは、スイカ割り大会も開催された。


 「えりーしあさまも、どうぞ!」


 渡されたスイカ割り棒を、ふにゃふにゃと振り回し――


 ぽこん、と見事に命中。


 (すいか、たべよ~)


 エリシアは、大満足でかぶりついた。


 ***


 秋。


 「ラントベルク秋の収穫祭!」


 たわわに実ったぶどう、りんご、かぼちゃたちが山積みにされ、

 焼きりんご、かぼちゃパイ、ぶどうタルトがふるまわれた。


 (たべることばっかり~……でもしあわせ~)


 エリシアは、秋空の下、甘いスイーツを満喫していた。


 ***


 冬。


 「ラントシティ雪まつり!」


 町中がイルミネーションに包まれ、

 巨大な雪像コンテストや、温泉街での雪見露天風呂も人気だった。


 「えりーしあ、雪だるまつくろ~!」


 子どもたちに手を引かれ、

 雪玉をぽてぽて転がして、小さな雪だるまを作った。


 (さむいけど~……たのしい~)


 温泉でほかほか温まったあと、エリシアはふわふわのブランケットに包まれた。


 ***


 兄のレオは、スポーツイベントを仕切り、

 姉のクラリッサは、カフェ経営を楽しみ、

 父と母は、温泉街でゆったり暮らしながら、たまに新しい趣味に挑戦していた。


 (みんな、たのしくくらしてる~)


 エリシアは、にこにこと、家族の幸せを見守りながら――


 今日もおやつとおひるね最優先で、

 のんびりスローライフを満喫していた。


【第4巻 第21章 異世界間スロー交流、準備開始!】



 ラントベルク領、ラントシティ。


 世界一のスローライフ都市に育ったこの街に、

 今、新たな風が吹こうとしていた。


 「異世界交流会のお誘いが来ましたー!」


 使者が手渡した招待状には、金色に輝く文字でこう記されていた。


 『異世界間スロー交流会』


 各地の異世界都市が集まり、文化と技術を分かち合い、

 さらに平和と友好を深めるためのイベント。


 (え~……たのしそう~……でも、たいへんそ~)


 エリシアは、おやつをかじりながらふわふわ考えた。


 でも。


 「エリシア、行こうよ!」

 「新しい友だち、たくさんできるかも!」


 兄レオと姉クラリッサにぐいぐい押され、

 結局、兄弟姉妹みんなで参加することに決まった。


 (……しかたないなぁ~、おやつもっていこ~)


 ***


 そのころ――

 ラントベルク家にも、静かな変化が訪れていた。


 「そろそろ、世代交代のときだな」


 エリシアの父と母が、正式に辺境伯の座を次代に譲ることを決めたのだ。


 新たな領主には、エリシアの兄レオが就任。

 (もちろん、エリシアはスローライフ担当。)


 父と母は、温泉街近くのこぢんまりした別邸に移り、

 「おいしいもの食べて、のんびり暮らす」生活に突入。


 「今日も温泉三昧だな」

 「ふふふ、次は何の趣味を始めようかしら」


 ――ふたりとも、誰よりも早くスローライフを満喫していた。


 ***


 こうして――。


 ラントベルク領は、ますます穏やかに、

 世界と優しくつながりながら、

 新たなスローライフの冒険を始めようとしていた。


 エリシアは、たっぷりおやつを詰め込んだリュックを背負って、

 にこにこ笑いながら、出発の準備をしていた。


 (たのしみ~、でも~……おひるねできるかな~)


 そんなことを考えながら――。


【第4巻 第22章 出発、ふんわり異世界交流会!】



 ラントシティの中央駅。

 特別仕様の魔導列車が、ゆっくりとプラットフォームに滑り込んできた。


 「じゃあ、いってらっしゃい、エリシア!」

 「おやつ、ちゃんと持った~?」


 兄レオが、やや心配そうに手を振る。


 (にいに、がんばってるなぁ~)


 領主になった兄は、毎日領民たちの相談を聞いたり、イベントを企画したり、

 ドタバタと忙しい日々を送りながらも、

 きちんと自分らしい、優しい街づくりを続けていた。


 (すごいなぁ~……わたしは~……)


 のんびりおやつリュックを抱えて、魔導列車に乗り込む。


 ***


 姉のクラリッサは――。


 「エリシア、わたしは今、南の島国にいるの! またお土産送るね!」


 世界中を旅して、文化や食べ物を学びながら、

 たまにエリシアに楽しい手紙や写真を送ってくれていた。


 (たのしそう~、でも~、わたしは~……)


 やっぱり、おひるねがいいなぁ~、と心の中でつぶやく。


 ***


 父と母は――。


 「今日は陶芸体験してきた!」

 「次は二人で、魔法料理教室に行くのよ!」


 今まで忙しくてできなかった趣味や旅行に、夫婦で次々チャレンジ。

 どこか新婚旅行のような、幸せな空気を纏って暮らしていた。


 (ふたりとも、たのしそう~)


 エリシアは、ぽやんと笑って、魔導列車の窓から広がる景色を見つめた。


 ***


 そして、異世界交流会の開催地――

 【オルビスシティ】に到着!


 - 空を飛ぶ島々が浮かぶ【天空国】

 - 氷と雪に包まれた【白銀国】

 - 魔力砂漠を持つ【紅砂国】

 - 永遠の花咲く【花園王国】


 世界各地から、それぞれ個性あふれる国の人々が集まっていた。


 「すご~い……」


 エリシアは、目をぱちぱちさせながら、

 さっそくおやつブースを発見!


 - 空飛ぶアップルパイ

 - 氷でできたキャンディ

 - 砂漠のスパイシーチョコ

 - 花の香りがするマカロン


 (ぜんぶたべたい~)


 もぐもぐ食べ歩き、ほわほわお昼寝できるベンチも探しながら、

 異世界文化を無邪気に楽しんでいった。


 ***


 周囲がどれだけにぎやかでも、

 エリシアのスローライフ精神は変わらない。


 おやつとおひるねを大切にしながら、

 世界とふんわりつながっていく――


 それが、エリシア流の異世界交流だった。


【第4巻 第23章 世界は、思ってたより広かった】



 異世界間スロー交流会、オルビスシティ。


 広大な会場では、各国ごとにテントが立ち並び、

 文化や食べ物、遊びや工芸品を自由に体験できるコーナーができていた。


 「わぁ~、みたことない服~!」

 「これ、たべもの!? 光ってる!」


 エリシアたちは、目を輝かせながら各国を巡った。


 - 天空国:空飛ぶ布を使った衣装と、ふわふわ浮かぶパンケーキ

 - 白銀国:氷のキャンバスに描くアート体験、シャーベットスイーツ

 - 紅砂国:香辛料を使ったあたたかいお茶、砂の城づくり遊び

 - 花園王国:花の香りを練り込んだチーズやスープ、花冠づくり体験


 (世界って、ひろいなぁ~)


 エリシアは、もちもちの氷キャンディをかじりながら、

 ぼんやりと空を見上げた。


 ***


 そんな中、会場では特別イベントがスタート!


 【異世界おやつフェス】

 【異文化スローオリンピック】


 - 世界中の甘いものを集めた屋台街

 - のんびり玉入れ合戦(おやつ付き)

 - スローリレー(歩いて競争、ゴールしたらアイス!)


 など、笑顔とおやつにあふれた大会が開かれた。


 「エリシアちゃん、参加する~?」


 「おやつ、もらえるなら~!」


 ふにゃふにゃ笑いながら、エリシアもゆるっとエントリー。

 のんびり走って、ゴールして、アイスをゲットして、満足そうにほっぺをふくらませた。


 (たのしい~)


 ***


 エリシアだけじゃない。


 兄レオも、スポーツブースで異世界の新しい遊びを試しながら、

 「世界にはまだまだ知らないものがあるな!」と目を輝かせていた。


 姉クラリッサも、各国の工芸品や文化体験に夢中になり、

 「今度はこの国に行ってみたいな~!」と新しい旅の計画を立てていた。


 そして、父と母も。


 異世界の家庭料理を食べ比べながら、

 「知らない世界を知るのって、楽しいね」と、手を取り合って微笑んでいた。


 (みんな、たのしそう~)


 エリシアは、そんな家族を見ながら、

 心の中がほんわかあたたかくなった。


 ***


 こうして――。


 ラントベルクファミリーは、

 世界がどれだけ広く、面白く、優しいもので満ちているかを、改めて知ったのだった。


 もちろん、エリシアはというと――


 「つぎのおやつ、なにたべよ~」


 変わらず、もぐもぐ、のんびり、すやすや、

 スローライフ街道を爆走中だった。


【第4巻 第24章 みんなの世界、みんなの未来】



 異世界交流会が進む中――。


 ふと気がつけば、

 子どもたちは、言葉や国の違いなんて関係なく、

 笑いながら一緒に遊び、学び、手を取り合っていた。


 「いっしょにオセロしよ!」

 「このおかし、わけっこしよう!」


 天空国の子も、白銀国の子も、紅砂国の子も、花園王国の子も。

 みんな、すぐに友だちになった。


 (すごいなぁ~)


 エリシアは、ひなたぼっこしながら、にこにこ眺めていた。


 ***


 そして、自然な流れで――

 小さな【文化交流学校】が誕生した。


 - 世界中の言葉や文化を学び合い

 - 一緒にスポーツをしたり

 - 世界のおやつを手作りしたり


 子どもたち自身が「もっと知りたい!もっと仲良くなりたい!」と願ってできた、夢のような学校だった。


 「たのしそう~」


 エリシアも、ときどき授業に参加して、

 おやつ作りの特別講師(?)として大人気だった。


 ***


 そして、世界中に優しい風が広がった。


 - 国と国の間にあった壁が、すうっと消えていき

 - 血や争いではなく、笑顔と手作りのおやつが行き交い

 - 誰もが、違いを認め合い、支え合い、仲良くなれた


 世界は、まるで一枚のあたたかな毛布のように、

 みんなをやさしく包みこんだ。


 (しあわせだなぁ~)


 エリシアは、ふかふかクッションの上で、

 大きく伸びをして、うとうとしながら思った。


 ***


 こうして――。


 ラントベルク領から広がったスローライフの波は、

 異世界中に広がり、

 ついには世界そのものを、ゆったりとした、優しいものに変えていった。


 世界は、ひとつになった。


 誰もが、笑って、おいしいものを食べて、

 のんびり、すやすや、幸せに暮らせる世界に。


 そして、その中心には。


 今日も、おやつとおひるねを愛し続ける、

 ひとりの小さな女の子――エリシアがいた。

シリーズ【転生辺境伯令嬢は、スローライフで世界を変える】

ここに、【第4巻】まで無事、完結しました!!!

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