安全都市へ!のんびり革命進行中
【第2巻 第9章 光あふれる安全都市へ】
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夜のラントベルク領――
かつては、日が落ちれば静まり返る、田舎の風景が広がっていた。
けれど今は違う。
「わぁ……!」
子どもたちが目を輝かせる。
広場にも、通りにも、温かな光がともる。
魔力式の街灯システムが導入され、夜でも明るく、安全に歩ける街に生まれ変わったのだ。
(これで夜も、こわくないね~)
エリシアは、夜空を見上げながらほっこり笑った。
手には、祭りの屋台で買った焼きトウモロコシ。
周囲には、楽しげな屋台の列。
夜でも子どもたちが公園で遊び、商人たちが賑やかに声を張り上げている。
魔力街灯、魔力パトロール自動車、夜間救急施設――。
すべてが、エリシアの「のんびりと、でも安心して暮らしたいな~」という小さな願いから生まれた。
***
一方そのころ、王都。
「……まずい。ラントベルク領に、さらに多くの人が移住を希望している」
「このままでは、王都が空になるのでは……?」
貴族たちは必死に頭を抱えていた。
ラントベルク領には、すべてがあった。
清潔な水、便利な交通手段、充実した医療、教育、娯楽、そして安心できる夜の街。
しかも、食べ物も美味しく、仕事もあり、何より空気が優しかった。
(でも、べつに……わたしはえらくなりたいわけじゃないし~)
エリシアは、ふわふわのクッションに埋もれながら、
おやつタイムに夢中だった。
「今日のおやつは~……たい焼き!」
ぺたんとしたたい焼きを両手で持ち、にっこり。
「ん~、しあわせ~」
エリシアがのんびり暮らすだけで、世界はまたひとつ、やさしく変わっていく。
それは、誰にも止められない、ほのぼの革命だった。
【第2巻 第10章 異世界温泉リゾート開国!】
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ラントベルク領に、新たな奇跡が生まれた。
それは――温泉街。
「いらっしゃいませ~! できたて温泉まんじゅうですよ!」
お土産屋が並び、蒸気を上げる温泉まんじゅうが飛ぶように売れている。
串に刺さった炙り団子、温泉卵、牛串焼き――。
食べ歩きグルメも大盛況だ。
「すごいね~、にぎやか~」
エリシアは、温泉まんじゅうをほおばりながら、街並みを見渡した。
周囲には、立派なホテルや旅館が立ち並んでいる。
和風建築の旅館には、暖簾がかかり、木の香りがふわりと漂う。
大理石造りの高級ホテルでは、バイキングやスパも楽しめる。
そして、山の中腹には――。
「わぁ、ロープウェイだ!」
赤く塗られたゴンドラが、山頂へとゆっくり進んでいく。
さらに山頂には、大きな観覧車が設置されていた。
ぐるりと回る観覧車からは、ラントベルク領全体が一望できる。
豊かな緑、穏やかな町並み、そして遠くに輝く湖。
まるで夢の中のような風景。
(……これだけあれば、都会のごちゃごちゃした感じ、全部忘れられるね~)
エリシアは、ロープウェイの中でアイスクリームをなめながら、のんびり思った。
***
そして、目玉となるのは、なんといっても温泉施設だった。
「いらっしゃいませ、ラントベルク・スパリゾートへ!」
巨大な温泉施設には、
- 露天風呂
- 岩盤浴
- 溶岩浴
- サウナ
- ミストサウナ
- 休憩ラウンジ(畳とリクライニング完備)
が完備されている。
お風呂は魔力で自動管理されていて、常に適温、清潔。
美しい庭園を眺めながら、ゆったり湯に浸かる時間は、まさに至福だった。
「ん~……しあわせ~」
エリシアは、露天風呂でぷかぷか浮かびながら、至福の時間を楽しんでいた。
***
この圧倒的な癒し空間は、瞬く間に評判となり――
「ラントベルク領を、特別観光・居住区として公式認定する!」
女王陛下の詔が下された。
つまり、ラントベルク領は、他の領地とは違う「国家直轄の自由都市」となったのだ。
(……まぁ、どうでもいいかな~)
エリシアは、サウナ上がりにキンキンのオレンジジュースを飲みながら、気だるげに伸びをした。
「おやつ食べて~、おふろ入って~、おひるねして~……」
今日も変わらず、のんびりスローライフ。
そうして、異世界はまた、エリシアによって優しく、柔らかく塗り替えられていくのだった。
【第2巻 第11章 ようこそ、異世界スロー都市へ!】
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ラントベルク領は、今や世界中から観光客が押し寄せる一大リゾート地となっていた。
「おぉ……この温泉という文化、我らの国にはない!」
砂漠の国から来たターバン姿の商人。
耳の尖ったエルフたちも、草原の民も、みな興味津々で街を歩いていた。
「わぁ~、外国のひと、いっぱいだね~」
エリシアは、アイスを食べながら、街角でのんびり人々を眺めた。
(でも~、わたしは、いつも通り~)
おやつとお昼寝最優先、絶対死守。
***
そんなある日。
「たいへんです! 温泉街で迷子が出ました!」
スパリゾートのスタッフが慌てて駆け込んできた。
迷子は、東の海国から来た小さな女の子。
エリシアは、近くにいた子どもたちと一緒にかくれんぼするように探し回り――
「あ、いた~」
無事、花壇の陰で泣いていた女の子を発見。
「だいじょうぶ~?」
エリシアが微笑みかけると、女の子はぱあっと笑顔になった。
***
温泉街では、さらに楽しいイベントが次々と開催された。
「第1回ラントベルク・スイーツコンテスト!」
各地のスイーツ職人が自慢のケーキや和菓子を持ち寄り、白熱のスイーツバトルを展開。
エリシアは、
「おやついっぱい~しあわせ~」
と、審査員席でにこにこしながら試食していた。
***
ほかにも、
「熱湯我慢大会!」(露天風呂にどれだけ長く入れるか対決)
「大食い選手権!」(温泉卵100個食べきれるか!?)
「射的大会!」(豪華賞品あり)
など、賑やかな催しが目白押し。
さらには――
「第1回オセログランプリ開催!」
町の広場には、特設のオセロステージが組まれた。
卓球台もズラリと並び、麻雀大会も開かれている。
「まるで祭りみたいだな!」
異国から来た商人も、卓球ラケットを手に大はしゃぎしていた。
(たのしそう~……でも、わたしはおやつたべる~)
エリシアは、温泉まんじゅうをほおばりながら、のんびり眺めていた。
***
こうしてラントベルク領は、
異世界一の平和で楽しいスロー都市へと、ますます進化していった。
エリシアはというと――。
「ふぁぁ……おひるね~」
ふわふわのクッションに飛び込み、今日も幸せなお昼寝を満喫していた。
【第2巻 第12章 のんびりしてたら、世界一】
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ラントベルク学園は、今や異世界で最も注目される学校になっていた。
読み書き、計算、歴史に科学。
さらに料理、手工芸、魔法応用まで学べる、充実したカリキュラム。
そしてなにより、生徒たちがみんな楽しそうに笑っている。
「留学させてください!」
「家族ごと移住したい!」
東の砂漠の国から、南の草原の民から、西の島国から――。
各国から、子どもたちとその家族が続々とラントベルク領へやってきた。
「えへへ~、おともだち、ふえた~」
エリシアは、日向ぼっこしながら、のんびり喜んでいた。
(べつに、すごいことしたつもりないんだけどな~)
おやつ食べて、お昼寝して、
たまに思いついた便利なものをポチポチ作っただけ。
気づけば、世界一の教育都市ができあがっていたのだった。
***
さらに、エリシアが開発した【魔力式テレビ】も、異世界中に広がりつつあった。
大通りの広場には巨大スクリーン。
個人用の小型テレビも、各家庭にどんどん普及していった。
「今日のおすすめは、ラントベルク温泉街~!」
「今なら観光ツアーキャンペーン実施中!」
元気なナレーションとともに、
温泉まんじゅうをほおばる子どもたち、
岩盤浴でとろける大人たち、
山頂から眺める絶景ロープウェイ――。
ラントベルク領の魅力が、世界中に放送されていった。
「観光したい!」「行きたい!」
世界中で、ラントベルク旅行が憧れの的になった。
***
一方、当のエリシア本人はというと――。
「ふぁぁ~……おひるねタイム~」
巨大なふわふわソファに沈み込み、
お気に入りのブランケットにくるまり、
クッキーと温かいミルクをお供に、うとうとしていた。
(よき~……)
世界がどれだけざわついていようと、
エリシアのスローライフは、揺るがない。
今日も明日ものんびりと。
気づかぬうちに、またひとつ世界を柔らかく、優しく変えていくのだった。
【第2巻 第13章 世界とつながる、温泉街フェス!】
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ラントベルク領に住む留学生たちが増えたある日――。
「文化交流イベントを開きましょう!」
と、領主である父が提案した。
テーマは、
「異世界みんなで仲良くなろう!」
もちろんエリシアも、のんびり賛成。
(たのしそうだし~、おやつもいっぱい食べられそう~)
***
当日、温泉街はお祭り騒ぎだった。
広場では、異文化ごはん対決が開催。
- 砂漠の民のスパイシー串焼き
- 草原の民の巨大ミートパイ
- 島国の握り寿司
- エリシア特製の「抹茶パンケーキ」!
さらには、各国の料理人たちが創意工夫を凝らして、
- 「温泉まんじゅう×バターソース」
- 「唐揚げ入りおにぎり」
- 「チョコレートきゅうり」
など、奇抜な創作料理も次々登場。
「なにこれー! おいしいー!」
子どもたちは目を輝かせながら、次々に食べ歩いていた。
(わたしも~、たべよ~)
エリシアはのんびりパンケーキをもぐもぐ。
***
別のエリアでは、言葉教室も開かれていた。
「こんにちはは、海国語で『サラーイ』!」
「ありがとうは、草原語で『ナイヤ』!」
子どもたちは楽しそうに新しい言葉を覚え、
あちこちで「サラーイ!」「ナイヤ!」と叫びながら走り回っていた。
***
極めつけは、大運動会!
- チーム対抗かけっこ
- 魔力玉入れ合戦
- 浴衣で障害物レース
- 大玉転がし in 温泉街
留学生たちも地元の子たちも、国籍を越えて、わいわいと競い合う。
エリシアも、子どもたちにせがまれて、
ふにゃふにゃ走りながら大玉を転がしたりしていた。
(たのしい~、けど~、ちょっとつかれた~)
***
夕方、イベントの最後には、広場に巨大なスクリーンが設置され、
世界中から届いた「ラントベルクへのメッセージ動画」が流された。
「ありがとう、ラントベルク!」
「エリシアさま、最高です!」
「次は家族全員で行きます!」
異世界のあちこちから、笑顔と感謝が届く。
(うれしいな~……でも、わたしは~)
「おふろ入って~、おやつたべて~、おひるねしたい~」
エリシアは、心の中で小さくつぶやきながら、
温泉街に広がる夜空と花火を見上げた。
今日も、スローライフ革命は、ふわふわと続いていく。




