3.7.4 竜の襲撃が終わり
「調べるとは、具体的に何を」
「実は、グランスラム帝国が我ら竜を捕まえ操る術を開発したらしいのだ。我はこの地にその証拠を探しにきた。
竜を操った証拠がないか見つからないかと思ったのだが」
「いくらなんでもあの帝国が竜を操るなど。
奴らは土竜や飛竜を捕まえ操っていると聞いてはいるが、あのタイプの竜は知能も高い。動物のように操れるとは思えぬ」
レイブリングさんが答えた。
「我らもグランスラムが我ら高位竜を操れるとは思っておらんかった。
じゃが今回、成人を儀を受けた5竜のうち2竜が被害に遭っておる」
「2竜も。他の1竜は? どうなったの?」
「先に倒したという竜がそのうちの一つ。残りは恐らくはグランスラム帝国内部に捕まったままじゃ。
我らは人を襲わぬと決めておるので、実害が出るまでは手が出せぬ」
「そうですか。わかりました。
少なくとも今のあなたは我々に対する敵意も無いようですし、体が回復するまではここで静養してください」
「お主たちが倒したという竜の討伐状況も教えてほしいのだ。
100歳前後の若い竜ばかりとは言え、人間に討伐できるような存在ではないはずだ」
「そうですね。ではまた明日に時間を取りましょう」
僕が笑顔で答えると、ティアマトもにっこり笑ってくれた。
皆が部屋から出ようとしたが、イシスは、ティアマトの近くをフワフワと浮いている。召喚獣なら、僕の近くに来ないのと聞くとこの姿の時は妖精だから好きなところをフワフワするものだと答えた。
ずいぶんと自由気ままな召喚獣だ。
翌日、改めて討伐状況の話をすることになった。
詳しい話はレイブリングさんとエイミー、それに後ろで落とし穴の操作をしていたバーニィが説明した。
僕は、竜の鱗で作られたゴブリンの上位種について説明した。
「話を総合する限り、その竜は地竜のような戦い方だ。
我らは重力魔法を使って空に浮かび、翼で風魔法を操りながら移動ができる。
落とし穴にはまって出れぬということがあり得ぬ。
だが、鱗の強度、背の翼、体格いずれをとっても成人の儀に出た竜の一つであることは間違いない。
「重力魔法は浮かぶだけなんだ。
だから、重力魔法だけだと移動がしにくいのか」
「ジルベール様、急に関係ない話をしては」
「ああ、いい。
子供が疑問に思ったことはすぐに答えるべきだ。
我は一族の子育てでそう習った。
ジルベール殿のスキルに重力魔法があるので使えるのだろう。人が使う重力魔法は、対象物を浮かせて移動させる方法だ。よくあるのは絨毯や杖を浮かせて移動する方法だ。
術者に、対象物まで浮かせるので消費魔力は多くなるが術者と異なる対象物に重力を発生させるので安定した移動ができる。
そなたは、個人を浮かす方が得意なのだろう。
残念だが個人を浮かす能力は、上下の移動は簡単であるが、前後左右への移動は難しい。
つまり個人で重力魔法を使って移動するのは困難だ。
竜の場合は、翼に風魔法を発生させるようにして複数の魔法を同時に使えるようにしている。
だが普通の人族は複数の魔法を同時に操るのは難しいのだろう。それ故に一般には風魔法を発生させる魔道具と併用して使用するのだ。
そなたは複数の魔法を使えるのだろう。
魔道具がなくても我らのように飛べるのではないか」
「なるほど、ありがとうございます。
話の腰をおってすみません。
もとに戻してください」




