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十六話 《魔法》発現、そして《ランクアップ》へ

俺は現在ーー冒険者ギルドへと訪れていた。

理由は、昨晩に冒険者ギルドに差出人不明の手紙と書物が俺宛てに届いたと報告が来たのだ。

今日は、ソレを受け取る為にギルドへと赴く事になった。


しかし、一体誰が俺に…全く心当たりがない。


知り合いと言っても、アタランテさんやマナさん位しか居ない。

仮にあの2人のどちらかだったとしても直接じゃなくて、一度ギルドに渡す理由がない。


不安を覚えながらも、ギルドの中に入る。


「あ!ジーク君、待ってたよ!」


中に入ると、受付嬢ミリーナさんが出迎えてくれた。

彼女の笑顔は綺麗だなぁ…冒険者ギルドの中でも圧倒的な人気を誇る美貌に加えて、女神のような心を持ち合わせている。

彼女に担当して貰いたいと思っている冒険者は少なくない。


「おはようございます!それで…」

「まずは応接室に案内するね!」


ミリーナさんに連れられ、応接室の席に座る。

机の上には、一枚の丸められた羊皮紙と一冊の分厚い本が置かれていた。


「これが君に送られて来た物なんだけど、心当たりあるかな?」

「ごめんなさい、心当たりがないんですよ。」


ミリーナさんの話では、ギルドが送って来た人物を調べては居るが未だにわかっていない。

危険な物の可能性もある為、鑑定を行ったが異常は見られなかった。

後は、受取人となっているジーク本人がこれらを受け取るか受け取らないか判断して欲しいと言われた。


「受け取らない場合、どうなりますか?」

「差出人に送り返すか、処分のどちらかだね。」


うーん。

流石に、送ってもらった物を受け取らずに返したり処分するのは失礼だよな。

まぁ、悪い物ではないらしいし…受け取るか。


「受け取ります。」

「そっか、ありがとう。」

「はい。」


その後は、ギルドに手紙受け取りの刻印を押してミリーナさんと世間話や迷宮ダンジョンでの出来事などを報告して充実した時間を過ごさせて貰った。


ギルドを出て、拠点に戻る。


「ふむ…取り敢えず、手紙を開けてみれば良い。」

「お前の物だ好きにしろ。」


師匠とディオメデスさんは、そう言うと2人で別の部屋に移動した。

何やら、女子会を開くらしい。

壁が薄いので会話の内容は丸聞こえなのだが…聞く限り、どの会話の内容も俺の事だ。

俺の魅力を存分に語り合うぞ!と息巻いて楽しそうに話している。

聞いているコッチが恥ずかしいからやめて欲しい…


そう思いながら、羊皮紙を開く。


『拝啓 

 ジーク殿へ この書物をお送り致します。

 これを読めば、きっと貴方の夢の役に立つと思います。

 名も姿も明かさない事をお許し下さい。

 どうか、貴方の活躍をお祈りしています。

    ーーそして、ごめんなさい。』


手紙には、そう記されていた。


夢の役に立つ…か。

書物を手に取る。

表紙には題名は書かれておらず、見た目はかなり古く年季が入っている。

年代的にかなり古い物なのだろうか…一体、これが夢の役に立つとは思えなかった。

が、なるようになれだ。


ゆっくりと。

恐る恐る、書物を開く。

瞬間、強烈な光が部屋全体を包み込む。

頭の中に、何かが流れ込んでくる。


ザ、ザザッ、ザザーッ。


見知らぬ光景が浮かび上がる。


此処は何処だ…?


見たことも来たこともない、知らない場所。

蝶や妖精が一面に咲く花畑を優雅に飛んでいる。

そんな妖精達に囲まれて、楽しそうに微笑む一人の女性ともう一人、いやもう1匹は竜…違う、龍だ。


次の景色。


彼女は、聖霊や妖精たちと綺麗な唄を歌っていた。

耳に残る心地良い歌。

美しく、儚い歌。

天より地に還る、龍へ向ける凱歌。


次の景色。


燃えている。

あの綺麗な花は燃え、塵芥と化す。

聖霊や妖精は逃げ惑い、泣き喚く。

誇り高き龍は血に塗れ、腕の中に美しき女の骸を抱く。

そして、雄叫びの唄をあげる。


それは、悲劇と絶望。


約束の刻は訪れず、愛する者は死んだ。


天地は震え。


龍は怒りのままに、空を征く。


誉れ高く、誇り高き龍は、邪悪なる龍に失墜し。


己の憎悪。


己の憤怒。


感情の赴くままに、彼女の命を奪い去りし龍と世界を滅する。


消えゆく命の中で、朧げでいて、鮮明な記憶を思い出した。


『優しい貴方…偉大なる貴方…愛する貴方!どうか、私の代わりにあの子をお願い…例え死が二人を別っても、あの子だけは守り抜いて!

私達の可愛い、可愛い…ーーーーを。』


彼に残された使命…彼に残された唯一の彼女との証。


ああ、愛しきクリームヒルト…君の想いは確かに私が果たそう。


龍は、決意した。


彼女が遺した子の中で護り続けると。


彼女が愛した薔薇の花園で心地良さそうに眠る赤子を抱く。


遥か未来より此方を覗く、汝を覗く。


『厄災は、お前が斃せ。』


ーープツ。


そこで、記憶の景色は途絶えた。


ーー


ふと、目が醒める。


計四つの大きな山が、元気よく俺を出迎える。


「起きたか、心配したぞ。」

「師匠、ディオメデスさん?」


はて、どうして俺はベッドに横たわっているのだろうか。


「部屋に入ったら、本を被って倒れてたから心配したぞ。」


ああ、そうだ。


不思議な記憶を見たんだ。


俺じゃない、誰かの記憶。

でも、何処か懐かしかった。

あれは一体、なんだったのだろうか。


「これは…」


ふと、師匠が書物を眺めて言う。


「魔導書だ。」


「魔導書ですか!?なぜ、そんなものが…」


魔導書!?

この本は魔導書だったのか?

確か、魔導書を読んだ者に魔法を強制的に引き出す不思議な力を持った本。


「これを、読んだのか?」

「はい…」

「なら、ステータスを確認しよう。」


伝承が本当ならば、俺にも…


服を脱ぐ。


それを見たディオメデスさんが「きゃっ♡」と顔を両手で覆う。

なんというか、この人…最初とずいぶん、イメージが変わった。


「かの者に、神たる汝の奇跡を示せ。」


=================================


ジーク 性別:男

AGE;15歳

【ランク0】→《ランク開放可能》

《ステータス》

筋力:D(215)→D(400)

耐久:D(350)→C(410)

敏捷:D(365)→C(430)

魔力:F(0)→D(200)

幸運:D(300)

《派生ステータス》

根性E、執念F、勇気F

《魔法》

装填ルーン:グングニル

装填ルーン射出ガンド

《スキル》

【ーーーーーー】・【ーーーー】・【■雄凱歌】


==================


「魔法だ!魔法が発現しましたよ!」

「本当だ…待て、しかも《ランクアップ》も出来るぞ!?」


《ランクアップ》…その単語に俺は固まる。

それは冒険者にとって、これ以上ない努力の結晶。

己に覆われた殻を破り、新たなる自分へと進化する。


絶対に叶わないと思っていた0からの脱出…それが遂に、叶う時が来たのだ。

こんなにも幸運な日があっても良いのだろうか…


「師匠…」

「ああ…」


アテナスが立ち上がる。


ジークは、彼女の前に跪き手の甲に口付けを交す。


「ーー今ここに、汝の祝福ランクアップを神贈する。」


ジークの身体が、光り輝く。


=================================


ジーク 性別:男

AGE;15歳

《ランク1》

《ステータス》

筋力:F(100)

耐久:F(100)

敏捷:F(100)

魔力:F(100)

幸運:F(100)

《派生ステータス》

根性E、執念F、勇気F

《魔法》

装填ルーン:グングニル

装填ルーン射出ガンド

《スキル》

【ーーーーーー】・【ーーーー】・【■雄凱歌】


==================


遂に、ランクが上がった。

ステータスの数値がFに戻ったが、これはランクアップする全ての者に通ずる。

ステータスは下がるが、ランクアップ前のステータスは数値化していないだけで上乗せされているので弱体化とは違う。


「おめでとうジーク。」

「今日はお祝いだな!」

「ありがとう二人とも。」


その日の夜は、師匠とディオメデスさんが手作りケーキでお祝いしてくれた。

この日は間違いなく、人生で一番に幸せな日だった。

ランクアップの条件。


・偉業の達成:自分よりも強い魔物などに挑み勝つこと。

また、生死の境を彷徨い何とか生き残ると偉業として数えられランクアップできます。他にも小さな偉業や試練をコツコツと何回も達成すればいつかランクアップできます。


・全てのステータスをD以上。


この話が面白い!続きが気になる!と思ってくださった方は是非、評価や感想を宜しくお願い致します!

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