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俺がこの世から消えたワケ
超絶未熟者のほぼ処女作でございます。
俺、長田 黒無には、家族以外の誰にも言えない秘密がある。それは…
「あー今日も可愛いなぁー(スリスリ)」
子供の時にもらったぬいぐるみを、未だに手放せていないのである。
特に狐の『コン』が大好きで、時々抱き枕代わりにしているくらいだ。
もちろん、これがイレギュラーであることは重々理解している。しかし、そこはどうでもいいのだ。
「黒無ー、そろそろ学校行きなさーい!」
「はいよー」
こうやって毎日ギリギリまで愛でてから学校に行くのだ。
ある夜更かしした次の日、目覚めると、ぬいぐるみ達がベッドになかった。
「えっ!?コン達は!?」
とそこに母親の声
「あのぬいぐるみはさっきゴミに出したわよー。流石に汚くなってたからねー」
えっ、ちょっ…
「何してくれてんの母さん!」
俺は急いで家を飛び出した。ゴミ収集車は目の前の道路の向こうに着いたばかりだ。
「良かった、間に合っ…」
『ブーーー!!』
「ほぇっ?」
目の前には、銀色に輝く鉄の塊。それ以降の記憶は、無い。