俺がどこかに来ちゃったワケ
間違えてページ更新して一回消えた。
ちょっと萎えたけど、予測変換に残っててよかった。
そこは、まるで死後の世界。
辺りは真っ暗で、何の音もしない。
わかるのは、自分が、何かを踏みしめている感覚のみ。
(俺は、死んだのか?)
それにしては、痛みはなかった。ただ一瞬の熱さがあって、気を失ったからわからなかっただけかもしれないが。
突っ立っていても何もわからないので、取り敢えず歩いてみる。
しかし、光などはなく、真っ暗の闇の中。実際には、三途の川なんて無くて、こんな道を歩くのだろう。
しばらく歩くと、多少の変化が起き出した。
時々、水滴の音が聞こえる。
時々、草むらの音がする。
時々、火花が飛ぶ音がなる。
次第にその感覚は短くなり、水滴は雨の音に、草むらは風の音に、火花は焚き火の音に変わる。
歩くにつれ、その音は次第に大きくなり、五月蝿いまでに聞こえてくる。
たちどまってみても、さらに近く、より大きくなっていく。
耐えられなくなって、思わず耳を塞いだとき、その音はパタリと止み、代わりに目の前に光が見えた。
うまく言い表せないが、映画で、音が大きくなってからその音がフッと消えて別の場面に移るシーンがある。あれを想像してもらえればいいだろう。
俺はまた歩き出す。
光は、次第に近付いていく。
今度は、声が聞こえてきた。
笑い声、怒鳴り声、泣き声、独り言。
しかし、そのどれもが見知らぬ誰かに向けられたものであり、自分に向けられたものはなかった。
さらに歩く。
光まであと少しというところで、光から声が聞こえた気がした。
(今、何か…)
さらに歩く。
『……サ、イ……ウ』
やはり、何かが聞こえる。
しかし、なんと言っているのかはわからない。
さらに歩く。
『イチ…ジョウ…ナギ…サ』
(光から声が…誰だろう…?……うぁっ!?)
唐突に光が拡大し、俺を呑み込む。
『イチジョウナギサ、ソナタは、死の運命を逃れ、此処に辿り着いた。ソナタは、また新たな世界で、新たな生き様を見せるがいい…』
(死の運命…?それに、新たな世界…?)
俺は何を言っているのか理解できないまま、俺の意識はまた沈んだ。




