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黒賢人の件は、クラスメートたちには上手くごまかした。
怪我をした場所も通学路に偽られており、加害者も架空の人物となっているため隠蔽にはそう労力は使わなかった。
問題はそこではない。
「……」
昼休み、俺は腕を組みながら、教室の片隅で椅子に座りながら考えた。
どうにも、謎が多すぎる。
賢人の映像にあったイザナミと沖田の件、賢人襲撃の件、そして黒賢人の件。
だが調べようにも、何一つ手がかりがない。特に、黒賢人に関しては賢人本人が何も知らない以上、どうしようもないと言える。
賢人に対しては、「俺が賢人を脅し真実を喋らせる」という未来を予見したが本当に何も知らないようだ。
クラスメートにも、何人か同様の方法で調べてみたが手がかりなし。
一つだけ打開策があるとすれば、イザナミ&沖田のことか。
もう一度同じ場所へ行き調べれば何かわかるかもしれない。あるいは、俺自身がなんらかの口実を作りJ-ノグリーフを伺う、とか。
とりあえず、的をイザナミ&沖田の件に絞る。
方法はある。
それを実行するかの話。
「なるほどな……」
今晩映像の場所へ行ってみるとして、そこから先だ。
もし今晩何も変化がないのなら全く変わらないし、もし何かあってもそれが真相究明に直結するかはわからない。
気持ちの良い日差しが差している。俺の席は窓辺、窓ガラスに風が遮られ暖かい日差しだけが入ってくる。
その、乾燥したような熱。それが俺の思考を遮る。
「……」
まあ、今晩どう動くかはわからない。それまでは、策を練りすぎるのは早計か。
俺は机に突っ伏し、仮眠をとることにした。
これからどうなろうと、ねじ伏せればよい。
たまにはこれぐらい楽観的でも、バチは当たらないよな────




