四領之獣
私は帰って来た(一時的に)
背後には
得体の知れない
獣?たち
Byクロガネ
………獣でもないな。
二本の尾を持つ赤い猫、空中を泳ぐ青い魚、茶色い三眼の犬、そして緑の…緑の…
『オイ、ベントゥスはどうした?』
『ム?』
『イツノ間ニ…』
『アチラニイマス』
視線の先には──
『モグ、モグ』
器用に蛙の丸焼きを食っている緑色の狸。
『射出!漆黒の右拳!!』
「腕が飛んだ!?」
『痛ッ!?』
Hit!直撃を確認。
及び対象の頭部の落下を確認。
『しかし、お前ら…あれだ、えっと』
「〈四精領〉です」
『〈四精領〉でいいんだよな?』
『ハイ』
改めて動物の形状を模した1m前後の鎧を見る。
ずいぶんと可愛くなっちまって…最初の迫力が嘘のようだ。
なんかもうアンティークショップに置いてありそう。動くことを除けば。
『とりあえず質問をいいか?』
『ナンナリト』
『何で顕在化してないのにここにいんの?あとその姿は何だ?』
顕在化。
一定以上の強さを持つ魔物を宝珠等に封じ、必要に応じて開放する古の術式、とセシリアに説明された。これなら10m×4領という巨人を目立たずに同行させることができます。との事だった。
ちなみに宝珠は俺が目覚めたときに目の前にいっぱいあったので、それぽっい首飾りにしてみた。
鎧になるとあら不思議、腕飾りに早変わりです。
ん?遺跡は大丈夫なのか?
大丈夫じゃね?あの遺跡にはまだ化け物がいるから。
『コノ姿ハアクマデモ意識ヲ移シタ分体デス』
『本体ハクロガネ様ガオ持チニナッテイル宝珠ノ中二アリマス』
『コノ姿ハ我々ノ元二ナッタ幻獣ニソッテ造ッテイマス』
『ウワーン!僕ノ頭何処ー?』
『アチラダベントゥス』
『アッ!アッター!アリガトウ!イグニス』
ん?なら俺の活動形態とはやっぱ違うのか?
…ま、いいか!
『ところで、セシリア』
「なんでしょうか?」
『周りの連中が気絶したのは俺が原因ってどうゆうことだ?』
「【謎星】冥王の兜飾り。その能力は隠蔽に優れていると聞いてます。それがクロ…ウ様の魔力を隠していたと考えられます」
『え?もしかして俺って周りの連中が気絶するような魔力を放出してんの?』
何それ?怖ッ!俺、怖ッ!
『思った以上に物騒だな!俺という存在!』
「……≪八芒星≫の時点で物騒だと思うんですけど…」
『Be quiet!話の腰を折るな!』
「ご、ごめんなさい!?」
「魔力を制御すればそうゆうことは無いんですけど…」
『ほう、どうすんの?』
「そうですね……自分の体を瓶、魔力を液体と考えてそれに蓋をするイメージをしてみればよろしいかと」
『OK!』
………
…………
…………………
『どうだ!』
「ダダ漏れですね」
「あんまり変わってない気が…」
『マジか!』
おかしい、自分では結構な量を抑えているのだが…たぶん。
『……仕方ない。この首飾りは持っておこう。歩き回るだけで人々が倒れたら面倒だしな』
『ソレガヨロシイカト』
『それにしても…』
辺り一面死屍累々。
『どうするかなぁ、これ…』
☆
『≪謎星No.9≫の覚醒及び【接続】を私、第八星≪聖■≫が認識。現状、最も近くにいる≪聖戦の八芒星≫は第四星≪聖鎧≫
─≪謎星No.1≫の【接続】を私、第八星≪聖■≫が認識。現状、最も近くにいる≪聖戦の八芒星≫は第三星≪聖剣≫
─≪謎星No.11≫の覚醒及び【接続】を私、第八星≪聖■≫が認識。現状、最も近くにいる≪聖戦の八芒星≫は第一星≪聖槍≫』
☆
呼び出された。ハゲにver.2。
「まさか頼んだその日のうち、しかも扉を出てすぐに問題を起こすとは思わなかったぞ…」
『へへっ、照れるな』
「褒めとらんわ!」
どうやら俺の魔力は二階まで影響を出していなかったらしく、異変を嗅ぎつけた秘書さんに気付かれ、逃げる暇もなく部屋に案内された。
『…悪気はなかったんです。まさか、まさかこんなことになるなんて…俺、これからどうすれば…』
「本当にどうするんじゃ、まったく」
『そんなの決まってるじゃないですか』
「なんじゃ?」
「全員始末すれば元々この件はなかったことになります」
「…それ本気で言ってるんか?」
『オイ、セシリア。お前が話すとややこしくなる、少し黙っとけ。さて、Mr.バドルフ。今さっきのセシリアの話は流してくれ』
「…お主は仮にも伝説に謳われる≪聖戦の八芒星≫、それぐらい簡単できそうじゃ。あとお主喋り方が一定しないの」
『それが俺だ』
「…………そうか。それでお主の考える方法は何じゃ?」
『逃げる』
「「は?」」
☆
「ふぅ……、落ち着いたな。久々に食ったぜ、ビエール。さてとさっさと探しに行こうぜ!」
『それがだな、ヨハネ』
「ん?」
『匂いが消えた』
「は?」
『唐突にな。あの『簒奪の鴉』の匂いが完全に消えた』
「オイオイオイオイ!せっかく大陸渡ってきたんだぞ!てゆうかおかしいだろ!何でお前が見失うなんてことが起こるんだ!」
『おそらくは≪謎星≫が原因だろう。たしかそんな力を持った星があった…気がする』
「うぁぁぁぁ…。テンション急降下何ですけど…」
『そう落ち込むな。とりあえず匂いが消えた場所に向かうぞ』
「へーい…」




