嚮導之鴉
魔物にはランクがある。
それぞれE~SSSランクまで存在すると言われている。
そう、言われている。
大まかに区部すると
E:戦闘力を持ち合わせていない。家畜としも飼われている。
D:戦闘力を持ち合わせているものの、大人なら難なく倒すことができる。家畜としも飼われている。
C:一般人は闘う事が難しいが、初心者冒険者、騎士等なら倒す事ができる。
B:熟練の冒険者、騎士でないと戦う事ができない。
A:熟練の冒険者、騎士達が数人、数十人でないと戦う事ができない。
S:規格外。現れたら国に要請して軍を動かしてもらおう!
ここまでが世間一般に公開されている情報。SS、SSSランク
SS:『八大秘境』、魔大陸の深奥に確認されている。また、それ以外の個体は信仰の対象になっている場合がある。
SSS:え、いるの?…確か……文献にその存在が示唆されていたような…。
☆
『目の前の蛇をやっちまいな、テラ。あと、手加減しとけよ』
『御意』
何故こうなったのだろうか?
迫りくる巨大な拳を見ながら吾輩はそんな事を思った。
吾輩は蛇である。名をアガラ。種族は苦悩の蛇。
ダリウス殿を仮の主として仕えている。何故仮なのかとゆうのはまた今度語るとしよう。
吾輩はダリウス殿に頼まれてカナデ嬢が契約したという【契約獣】と模擬戦を行うことになった。
そこまではいい。
吾輩も独立していったカナデ嬢がどの様な魔物と契約したのかは気になっていた。
そして、ダリウス殿の魔法陣から呼び出され、吾輩の目の前にいたのは…
規格外の鴉だった。
外見は普通の鴉。いや…足が三足あり、両の眼が違う。
そして、見るからに貴重な首飾りを付けている。
肌に感じる強烈な威圧感。本能が訴えている。
あれはヤバい。危険だ。相手にしてはいけない。逃げろ。
さもなければ殺される。
『ダリウスど…』
『全顕在化:神造・巨人之鎧〈土〉』
ダリウス殿あれは危険だ。吾輩がそう言おうとする前に目前の鴉が言葉を紡ぐ。
そして溢れる新たな威圧感。
吾輩、終わった?
☆
「避けろ!アガラ!!」
その声が届いたのか硬直していた蛇が俊敏な動きでテラの攻撃を躱す。
直後、その蛇がいた場所は大きく陥没する。
『おー、スゲー。簡単に陥没するな、地面』
『恐悦至極』
『いや、褒めてねぇよ』
『………』
Oh……スゲー…。鎧なのにすんごくがっかりしているのが伝わってくる。
「…開始の合図もなくやってくれるな、クロガネ殿」
『ん?…あぁ、そうだったな!向こうの模擬戦でも合図がしてたな。Sorry。……しかし、続きするか?ってゆうか、できるのか?』
「…無理だな」
蛇さんがスゲービビってる。憐れみを感じる程に戦意Zero。
『すまない、ダリウス殿。吾輩には…荷が重い』
『Wow、蛇が喋った!』
「それを言うならそちらはカラスが喋っているではないか」
『確かにそうだな。オーイ、カナ…』
何かカナデが頭を抱えてうずくまっている。
『カナデー?どうしたー?気分でも悪いのかー?』
あ、動いた。
『どうした?』
「…な……やっ……か」
『Pardon?』
「何をやっているんですか!!」
『Oh!どうした、いきなり大声出して。ビックリしたぁ』
「もう…これどうするんですか……」
今度は泣き出したよ。何があった?
☆
周りの声がよく聞こえない。
私、メイは茶色の鎧を身に纏った巨人の鑑定結果を見て呆然としていた。
『目の前の蛇をやっちまいな、テラ。ああ、手加減しとけよ』
『御意』
私が放心しかけていると、カナデちゃんのカラスが鎧の巨人に命令を下していた。
「え?え?」
慌ててカナデちゃんの方を見ると頭を抱えてうずくまっている。
「え?」
私、まだ合図してないよね?
何で?
そこで、ふと≪鑑定鏡≫に目を向けると
【名前】クロガネ
【種族】嚮導鴉
【ランク】測定不可
【称号】迷惑なヤツ
【ステータス】測定シテハナラナイ
【解説】
聖戦の八芒星≪聖鎧≫の活動形態。
その鴉、神々の子達を導く。
その鴉、あらゆるモノを導く。
故に……
オイ、だから勝手に勝手に見てんじゃねぇよ。
喧嘩売ってんの?買うよ?カナデが
????
……………?
私、いつ眠った?
『…蛇って喰えるのかな?』
『仕留メマスカ?』
『ひっ!!』




