模擬続行
デケェなこの人…。
身長は2m超えてるんじゃね?人間か?
それにしても、えーと確かテイムしている魔獣と闘うって話じゃなかったのか。
…もしかしてこの人そうなのか?ぶっちゃけそう言われたら納得してしまいそうなんだが。
「あ、クロガネさんも闘うんでしたね」
『忘れてんじゃねぇよ』
「…喋るのか」
『あ』
Oh…またやっちまった…。
…………………………。
めんどくせぇ!
『喋っちゃいけねぇのか!ア゛ア゛!?』
「開き直った!?」
「いや、構わない」
「受け入れた!?」
「世界は広い。そういう事もあるだろう」
…コイツ、話が分かるな。
「リーアがこちらの準備もできたと連絡が来た。付いて来てくれ」
「え?グランさんの闘いは見ないんですか?」
「いや、モナが観戦しているからな。何かあったら連絡してくるだろう」
☆
案内された場所はさっきの訓練場よりもかなり広い場所だった。
「自己紹介をしておこう。俺はダリウス。そこでアンタの連れと闘っているグランをリーダーとした『輝く燈火』に所属している≪拳闘士≫兼≪召喚士≫だ」
『クロガネ。カラスだ』
「………」
「………」
「始めるか」
『OK』
「え、それでいいんですか?」
『自己紹介は簡潔に済ました方がいいだろ』
「えぇ、私がおかしいの…?」
それにしても≪拳闘士≫兼≪召喚士≫ねぇ…。なんかゴツいガンドレット付けてるし、折れた剣掴むから近接戦闘を得意にしているかなぁとは思ったが、≪召喚士≫も兼ねてるのか。
俺と似てるなぁ。
「おい、向こうの鎧の嬢ちゃんがグランと互角以上に渡り合ってるのには驚いたが…」
「いや、グラン押され気味じゃなかったか?」
「話の腰を折るなよ。それよりもあのカラス喋ってないか?」
「それよりもってひどいなお前」
「は?カラスが喋る筈ないだろ。腹話術じゃね?」
「ツクモちゃん…さびしかったんだろうな…」
「そっとしといた方が良いのかもしれないな…」
「待て待て。あのカラス魔物だろ?なら喋れてもおかしくないだろ」
「しかし、そうなるとあのカラスはBランクを超えているのか…?」
外野うるせぇな。
「召喚:苦悩の蛇」
お、魔法陣。
向こうが何か召喚するみたいだな。へー、召喚ってあんな感じなんだー。
それにしてもあの魔物、不吉な名前だな…。
大きさは約1m。外見は夜の様な濃い藍色に真紅の瞳。
えーと、どんな魔物だ?
目に魔力集中。
【名前】???
【種族】苦悩の蛇
【ランク】B
【称号】?
【ステータス】
攻? 防C 知C 速? 運C
【解説】
???
所々わかんねぇ。
【契約】した奴なら全部分かるんだけどなぁ…。アイツなら【契約】しなくても分かるんだろうなぁ。
…………?アイツって誰だ?
今、俺は誰の事を考えた?
それに何だ、これ以上思い出そうとするのを拒否している自分がいる。まるで思い出さない方が幸せだと俺の本能が訴えっているような…。思い出すと余計な苦労を背負う事になりそうな…。
よし、忘れよう!
それじゃあ、こちらも始めますか!
まぁ、この広さなら大丈夫だろう!
『全顕在化:神造・巨人之鎧〈土〉』
☆
コイツは何だ?
こちらが苦悩の蛇のアガラを召喚したら、クロガネがこちらを睨んだ─カラスだからよく分からないが、おそらく─と思ったら、
『全顕在化:神造・巨人之鎧〈土〉』
今度は聞いた事が無い呪文を唱え、クロガネの首飾り─片目と同じ色─茶色の宝石が光り出し…
『主ヨ、御命令ヲ』
突如目の前に現れたのは茶色の鎧に覆われた巨人。
その巨人は褐色の瞳でこちらを睨んでいた。
☆
何なの、コレ…?
私、受付嬢のメイはリーアに頼まれて明日の昼食を奢ってもらう代わりに軽い気持ちで【契約獣】の模擬戦の審判を頼まれた。
そして、カナデちゃんが三足のカラスの魔物を手放し、ダリウスさんが苦悩の蛇を召喚したので規定に則り≪鑑定鏡≫を使い魔物の詳細を見ようとしたら
『全顕在化:神造・巨人之鎧〈土〉』
いきなりカナデちゃんのカラスが喋り、鎧の巨人がいきなり現れた。
私が≪鑑定鏡≫に目線を落すと
【名前】テラ
【種族】神が創りしモノ 神造・巨人之鎧〈土〉
【ランク】S
【ステータス】
攻S 防S 知B 速E 運B
【解説】
神が創りし動く鎧〈四精領〉の一領。
???
…Sランク?




