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遺跡之外

次に後編が続くとは言っていない

『ん?んん?』

「ど、どうしました?」

『うーん?何か覚えのない情報?記憶?みたいなのが頭の中に流れ込んでくるな』

「え?それ大丈夫なんですか…?」

『オソラクハクロガネ様ノ失ワレテイタ記憶ガモドッタノデショウ』

『そうですね。【契約】を行ったのがきっかけになったのでは?』

『しかし、あまり実感が湧いてこないな。それに断片的な情報だけ流れ込んでくる感じだ』

『記憶が定着していないからでしょう。そのうち完全に定着したら実感が湧いてくると思われます』

『ふーん』

『それでは私も【契約】を行いましょうか』

「ハ、ハイ!それじゃあ名前は──」

『その前に』

「はい?」

『名前はクロガネ様が考えてください』

『めんどい』

『即答!?何故です!?イグニス達には名前を付けたではないですか!!』

『いや、俺が契約するわけじゃないし。カナデが考えればいいじゃん』

『ダメです。クロガネ様が考えてください』

『何故?』

『それはもちろん、羨まし──ではなくて、ええと、そ、そうです!貴方様は我らの王で在らせられるのですからその臣下に名前を付ける義務があるのです!!』

『義務と来たか。めんどいなぁ、オイ。こいつらの名前付けるのに三分かかったんだぞ』

「それぐらいなら考えてあげてもいいんじゃないんですか…?」

『うーん。それじゃあ、ちゃっちゃっと考えますか。…よし決めた!』

『…もう少しゆっくり考えてほしいんですけど…。それでどの様な名前なんですか?』

『お前の≪銘≫は今日から──』





『≪聖鎧≫の【契約】を確認。以上の事から≪聖戦の八芒星≫のうち第一星≪聖槍≫、第三星≪聖剣≫、第四星≪聖鎧≫、第六星≪聖■≫の【契約】が行われた事を私、第八星≪聖■≫が認識。よってこれより≪謎星アルカナ≫の覚醒を行います』





「な、何だ!お前たちは!?」

『唸れ!俺の漆黒の右拳ブラック・ライト!!』

「ガフッ!?」

「ア、アレックスーーーー!!貴様!よくもをアレックスを──」

『吼えろ!漆黒の左拳ブラック・レフト!!』

「ゲフッ!?」


ふぅ、悪は滅びた。


「な、な、な、何をしてるんですかーーーーーー!!」

『うおっ!びっくりしたぁ!!』


なんかカナデがいきなり叫びだしたぞ。大丈夫か?

後、大声出せたんだな。それにもびっくり。


「なんて事したんですか!見張りの方を倒してしまうなんて!!」

『案ずるな、手加減をスゲー行った』

「そうゆう問題ではありません!」


何を怒ってるんだ、こいつは?


『元々はお前が秘密で入ったからどうにかしないといけない、って言ったじゃないか』

「確かに言いましたけど!!他に方法があったかもしれないじゃないですか!!」

『ま、済んだこと事を悔やんでも仕方がない。先を見ようぜ!』

「えぇぇぇ……」


それにしても…


『何もねぇえな』


遺跡の外を出てみたらそこにあったのは見渡す限りの木。

それ以外にあるとしたらおそらく見張り達が使っているだろう小屋のみ。

肝心の遺跡はどうやら岩壁の下にある窪みから続いているらしい。

周りにあるのは、そう!The・自然!!

『オイオイ、仮にも『八大秘境』の1つなんだろ?八つしかない伝説の一つじゃなかったの?』

「それは─」

「人間共がこの『伽藍遺跡』の価値がわかっていないのですよ」

『それはドユ事ですか?セシリ……ア?』

「?どうかなさいましたか、クロガネ様?」


後ろを見ると銀髪碧眼の見たことのある鎧を着た女性がいた。


『…』

「…」

「?本当にどうかしましたか?何か不審な事が?」


気が付くと銀髪碧眼の女性が後ろに現れた!

コマンド:

戦う

仲間←

交渉

逃げる


『オイ、誰だあの女?知り合い?』

「いや、初めて見る方です。でも……」

「何を話しているのですか?」


戦う←


『唸れ!漆黒の右拳ブラック・ライト!!』

「キャァ!!」

「何で戦闘開始!?」

『む!この拉げる感触はセシリアか!』

「判断するところおかしくないですか?」

『いや、なんとなく鎧で判断はできた』

「ならなんで攻撃したんですか…?」

『なんとなく?』

「えー…」


イイじゃん、別に。

結果良ければすべて良し。結果出てないけど。


『で、セシリアは何で人間になってんの?』

「…私にも手加減をしてください。直すの大変なんですから。コホン、魔物は種族によっては知性と魔力があれば人化が行えます。それに私たちの様な『神造物』はこの程度簡単に行えます」

『ならやり方教えて』

「…申し訳ありません。それは不可能です」

『Why?』

「クロガネ様は正確には魔物ではなく『武具』なのです」

『だからできないと?面白くねぇー』

「しかし」

『ん?』

「≪八芒星≫の皆様は活動形態アクティブを行えます」

『何それ?』

「あ、聞いたことがあります。≪聖剣≫と≪聖槍≫の【契約者】の近くには見たこともない魔物が傍にいる時があるって。もしかしてそれが…」

「はい。≪八芒星≫は当時一匹のみで伝説と呼ばれた≪神獣≫を素材に用いています。その≪神獣≫の姿になることを活動形態アクティブと呼びます」

『ふーん。どうやんの?』

「そうですね…人化と同じなら姿をイメージして全身に魔力を巡らせることでできます。おそらく≪八芒星≫のクロガネ様もそれでできると思われます」

『じゃ、とりあえずやってみるか………俺の素材って何?』

「ああ、それは──」





王国ホル ウィッジ村 冒険者ギルド


「カナデ!無事だったのね!心配したんだから!!」

「わっ!」


私、ウィッジ村の冒険者ギルドの受付嬢リーナは久しぶりに帰ってきた友人、冒険者のカナデに勢いのまま抱きついた。

はじめ『聖鎧纏う伽藍遺跡』に行きたいと相談された時は本当に驚いた。私が何度説得しても絶対に行くの一点張り。

この子は妙な事で頑固になるところがあるのは知っていたけど、まさか『八大秘境』に行きたがるとは……

まぁ、結局私の方が折れてギルドに内緒で手助けしたんだけど。


「怪我はない?変な魔物にも襲われなかった?」

「う、うん。ごめんね、私のわがまま聞いてくれて」

「いいのよ。無事に帰って来てくれたんだもの。でも後で話は聞かせてもらうからね」


あー、本当によかった。そして私がもっと強くカナデを抱きしめたら…


バサバサ


と、何かがカナデの頭の上に乗った。


「どうしたの、これ?」

「ええと…何て説明したらいいかなぁ」


カナデの頭の上に乗ったのは、首に四色の飾りを付けた両目の色が違う──




『カー』



見たこともないような漆黒の三足の鴉だった。


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