魔王は敵で嫁で転生者で
盗賊団を皆殺しにしてそのあとアジトを贖罪で焼き払ったアジトを焼き払いながらテンガはなぜ自分があんなに怒ったのか考えていた
「不思議だな……他人の事なんてどうでもよかったのにな…なんであそこまで俺は頭に来たんだ?レイラが壊れそうになったから?俺に似たガキが酷い目にあっていたから?いまいちわからん……俺が変わったのか?俺は俺のままだが?………クソッ!イライラする……」
アジトを消し炭にしたあと走ってレイラの元にもどったがそこには泣きそうになっているレイラがいた
「でぇんがぁさぁぁん!!!」
「あーもー……うっとうしい……なにがあったんだよ?」
「あっあのぉ……実は人質の子供の中に衰弱しすぎていて死にそうな子がいたんです……でも私魔法使えないから……なんにもできなくて…テンガさんを呼ぼうにももう間に合いそうになかったんです……」
「……………そうか」
「私なんて謝ったら………」
「いい加減にしろよ………謝るだ?誰にだ?お前は出来ることをやった!!そして出来ないことが出来なかったんだ!なにが悪いんだ?お前は神にでもなったつもりか!俺たちは所詮人間だ……なんでもできる訳じゃねぇんだよ!!それを………てめぇは………」
「でもぉ………」
「1つだけゆっとく………お前はやれるだけのことをやったんだ…誇れ…手が届かずに逝ってしまった奴の事を忘れろとは言わねぇ…ただ無駄な十字架を自ら背負うな……それが後の足枷になっちまうんだよ…」
「なら私はどうすればいいんですか?」
「覚えといてやれ…お前が死ぬまで…俺の読んだ漫画でな…人が死ぬのは人に忘れられた時だという台詞がある……それでいいんだよ……」
「私が覚えていればその人は確かに生きていることの証明になりますね……私絶対にわすれません!!」
「ああ…そうしてやれ……俺はその事から逃げた臆病者だからな…俺には出来ないんだよ……」
「テンガさん?」
「なんでもねぇよ……それより今のお前に出来ることはなんだ?助けた奴らに飯でも食わせてやれ」
「あっはい!!!」
大勢の子供達に囲まれながら食事をしているレイラを置いてテンガは森の少し奥の開けた場所に立っていた
「約30人として……ベッド…食料…服に水……魔物も出るからなぁぁ……外壁を高めに作っとくか………」
太陽が沈みかけの真っ赤な空に黒い稲妻が何度もうち上がる………バチバチ……ズゴゴゴゴ……バチバチ……
レイラの所に戻ると食事を終えみんなで仲良く遊んでいたレイラはというと男の子にスカートを捲られたり胸を揉まれて恥ずかしくて死にそうな顔をしていた
「ちょっやめてくださいよぉぉ……」
「なにやってんだこのバカ…」
「あっテンガさん!!助けてくださいよぉ…このままじゃ私お嫁に行けなくなります!!」
半べそのレイラが飛び付いてくる
飛び付いてくるレイラをデコピンで弾き飛ばし、ため息をつきながらくだらないとでもいうような表情で奴は言いやがった…男なら言ってみたい台詞ランキング8位くらいのあの台詞を
「いけなくなったら…俺が嫁にもらってやるから……黙ってろ…」
「いったぁぁい!……え?テンガさん今なんて?」
「おいガキ共…ちょっと俺についてこい」
「ねぇねぇ(n‘∀‘)ηテンガさん?テンガさんってばぁぁ!!」
「うっとうしい……」
バシ!!
レイラの額にチョップが炸裂
「いったぁぁ……女の子に手をあげるとは……なんて人ですか……」
ぶつくさ文句をいいながらうずくまるレイラの回りにいた女の子たちがサイテー!!っていう目付きをしたままこちらを見ていた
「なんだよ?」
「べっつにぃ…ただレイラおねぇちゃんが可哀想だなぁってレイラおねぇちゃん優しいのに」
「…ほんと…集団になった女ほどめんどくさいものはねぇよ……もういいからさっさとついてこい…夜になるぞ」
テンガが子供達を連れて森の奥に進むといきなり道が開けちょっとした草原が広がっていた、しかも3階建ての超豪華な一戸建てが建っていた……魔物対策の為に外壁も2m近くあり近くの川から水も引いてある日本で買うなら数億はしそうな豪邸だ
「俺たちは明日の朝に出発する、だがお前たちを連れては行けないんだそこはわかってくれ……だからこの家をお前らにやるよ、目的を果たして国に帰るときお前らも連れて帰ってやるそれまでこの家で待ってろ」
「わぁ……すっげぇ……」
「お兄ちゃんすごい…」
子供達が口々に驚きを口にしている横でレイラが質問してきた
「なんですかあの豪邸は?どうやって作ったんですか?こんな短時間に」
「うーんなんていうかな…魔法とは違うんだが…錬金術ってやつだ物質を分解して再構築する技術のことだ、ようするに鉄の塊を錬成すると刀に変えることも盾に変えることもできるんだよ」
「なんかわかんないけどすっごいです」
「話して損した、これだからバカは……」
子供達を家に入れた途端に小さい子ははしゃぎ走り回ってたがテンガは年長の5人組を捕まえて今後の話をした
「あいつらの世話はお前らにたのむよ、できるだろ?」
「うん!まかせて」
「食料は俺が夜に大量に用意しとくから心配するなあと絶対に外壁から出るんじゃないぞ、夜は家からでるなよ」
子供達にいろいろと説明をして夜も深くなり子供達が眠りについたあとあの二人は……庭にいた
「やっぱりなんだかんだで優しいですよね、テンガさん……」
「そんなんじゃねぇよ…俺に出来ることをしただけだ……優しさでも同情でもねぇよ」
「本当に素直じゃないですね……それじゃ私そろそろ寝ますね」
「なに言ってんだ?今夜は寝れねぇと思えよ?」
「えっちょっえええええええ!!ちょっと待ってください……私心の準備が……それにこう言うことはもっと段階を踏んで………」
林檎の如く真っ赤な顔で自分で胸を抱きながらキャーキャー言っていたレイラを拳骨で黙らせた
「なに勘違いしてんだ…あいつらの食料確保のために大量の魔物を狩らなきゃなんねぇだろうが…しかもお前はその食料を使って保存食を1ヶ月分作り置きするんだ寝れるわけねぇだろ」
超真顔で
「デスヨネーーー」
熊みたいな魔物や猪みたいな魔物や鹿に鳥に山菜にとにかく山ほど狩りまくった食材、計230kg 調理をレイラに任せてテンガは爆睡した、レイラは太陽が上るギリギリまでキッチンで格闘していた
二人が起きたのは昼の13時頃であった
「やることやったしそろそろ出るか」
「そうですね…」
「お兄ちゃんとお姉さんありがとね、迎えに来てくれるんだよね…私達信じてるからね」
「はい必ず!!」
「覚えてたらな……」
それから2日かけて森を抜け…さらに3日かけて山を越え谷を越え…さらに7日後なんやかんやで魔王城へ到着
「魔王城って本当にあるんだな…」
「私も見たのは初めてです…」
「あれ?そういえば勇者って魔王城へどうやって入るんだ?インターホンないし…」
「いくら魔王とはいえ一応は他人の家ですからね……勝手にはいるのは……」
「とりあえず……ノックしてみるか」
そのときいきなりドアがあいた
「お客様ですか?」
そこには見た目は普通の人間なのだが背中にコウモリみたいな羽が生えている女がいた
「まぁ一応お客かな?魔王に用があるんだが」
「魔王様は2か月前に天寿を全うされ現在は姫が我が一族をまとめおられます、話なら姫がお伺いしますどうぞ中へ」
中へ通されさすがのテンガも驚きが隠せない
「なぁレイラこんなんでいいのか?」
「まぁ堕鬼族は礼儀正しく意味のない争いはしない種族ですからね…」
「だからって勇者通すのか?」
「でも魔王さんはもう居ないみたいですし、そもそもテンガさんが勇者ってのも無理があると思いますしね」
「ん?待てよ…おい、ねぇちゃんさっき魔王はもう死んでいないって言っていたが次の魔王はまだ決まってないのか?」
「ある理由がありまして次の魔王様が不在なんです、王無き我が一族は滅亡の危機にあるのです」
塔の最上階へ案内され部屋に入ると部屋には残りの将軍と軍師が一堂に会していたしかし魔王の椅子と思われる椅子にはレイラと変わらない年頃の黒髪の娘が座っていた、しかしその傍の王妃とその子供の席が空いていた
「よくきたのぉ、歓迎するぞ客人殿」
娘が口を開いた
「俺たちゃ魔王に用があるんだが、もういねぇみたいだな?どうなってんだ、次の魔王は誰だ?」
「なんと答えればよかろう……父上はもういない、本当ならばその娘の妾の夫が魔王になるはずなのだがな妾には夫がおらんのだ」
「なるほどね、つまり嫁に行き遅れたのか」
「いえ、そういうわけではございません」
軍師と思われる女が丁寧に説明をしてくれた
※堕鬼族とは参照
「つまり、姫様は強すぎるのですよ…その美貌と強さを兼ね合わせた才色兼備の女性ですからね、嫁に欲しいと各方から話は来ているのですが……我が一族の掟をもってして正式に夫婦になれるわけでして…そうなると誰も姫様には勝てないので新たな魔王様が決まらないという次第なんです」
「ふーーん…じゃ……くそっ!!頭が……」
「「よう兄弟……ちょっと体を俺に貸せ!」」
「ふざけんな!黙ってみてろ!そういう約束だろうが!!」
「「誰も寄越せと言ってるわけじゃねぇだろうが……大事な用事があるんだよ…わりぃな実力行使でいくぞ」」
「ちくしょぉ……覚えてろ…よ……」
途端にテンガの目付きが変わったいつもの気だるそうな目付きから全てを見下した傲慢な目付きに変わった
「あっあのぉ……テンガさん大丈夫ですかぁ?」
「ほぅ…べリアルか、久しいな」
「え?テンガさんじゃない?」
頭の上に?の嵐が起きているレイラを置いてテンガもといルシファーが吠えた
「おらぁ!!旦那が直々に出てきてやってんだから出てこいやー!!」
「なにを言うておるのじゃ?妾は貴様の嫁ではないが?」
「わりぃな、ねぇちゃんお前じゃねぇんだよ……お前の中にいる奴に用があるだよ、お前転生者だなしかも覚醒して契約も交わしてるはずだ」
「じゃあ、あのお姫様も転生者!?」
「まぁそういうこったよ、いつまで狸寝入り決め込んでんだ!!さっさっと出てこい!!」
「うるさいなぁ…ぎゃあぎゃあと…」
すると娘も目付きと口調が変わっていった
「よう!何年ぶりだ……アスタロトよ」
「あら!ルシファーじゃんおひさー」
「お前いつの間に転生した?しかもすでに契約を結んでるとは」
「だってさぁ普通嫁を置いて一人で転生しする?普通?だからさ暇だから転生しました」
「えええええええ!!夫婦なの?あの二人?いや…えええええええええ」
「「レイラ落ち着きなって」」
「え?べリアルさん?」
「「あの怪物夫婦がまた出会ってしまったか…一回夫婦喧嘩で地獄が崩壊しかけたからね…悪いことは言わない逃げなレイラ」」
「でもテンガさんが…」
「「そのテンガが暴れるかもしれないの!強くなったって言ってもあたしの力はあの二人には到底及ばない…逃げな!!」」
覚悟を決めこそこそと逃げ出したレイラを尻目にやはり夫婦喧嘩に発展してしまう
「暇だから転生ってお前なぁ……」
「言ってなかったけどこれでも私結構怒ってるんだよ?勝手にどっかに行った無責任なあんたにね‼」
「まぁそういうな…一応夫婦なんだからついでに一緒に旅でもするか?」
「夫婦?なんのことですか?私を捨てて一人で転生した無責任な人とはもう別れたものだと思っていましたが」
「本当にわかんねぇ女だな……俺にだってやりたいことくらいあんだろうが!」
「ええ!わかりせん!わかりたくもありません!!」
「このやろう…これだから 女 は!!」
「ふん!これだから 男 は!!」
「じゃあどうしたら旅についてくる?転生者の力が必要なんだよ俺の契約者にな」
「あんたが契約者の為にね…あやしぃ…そうだなぁ…じゃあ私に勝てたらついていってあげるよ」
「そうしたいんだがな…俺の力は契約でほとんど俺の契約者に渡してんだよ」
「あたしもだよ?だからさお互い契約者に頼む代理決闘っと行こうじゃないか」
そこでお互いにバトンタッチ
「ふざけんじゃねぇぞぉぉ!!クソルシファーがぁぁぁ!!」
「妾は別に構わぬが?」
「あん?決闘は受けねぇとは言ってねぇだろうが…ストレス発散してぇからなこの決闘受けてたつ!!」
「妾も受けてたとう…で、どうする?決闘の内容は?」
「どちらかが死ぬまででどうだ?」
「妾は一族を背負っておるのだ、今の妾に簡単に掛けられるほどの命はないのじゃ」
「つまんねぇのぉ……」
「なら参ったと先に言えばおしまい、これでよいな?では始めようか妾は アイリス・ブランフォード 誇り高き降神族の姫 さぁ本気で参られよ」
「テンガだ…後悔してもしんねぇぞ……サザンクロス!!」
一瞬で闇神楽を出現させるのと同時にサザンクロスを発動するがアイリスが持っていた鉄扇を広げると斬撃が消えた
「なにぃ……」
「一瞬ヒヤッとしたぞ…妾も攻撃しよう…アイススパイク!」
水魔法と風魔法で氷魔法をつくりそれを土魔法のアーススパイクに掛け合わせた魔法で地面から氷の棘が次々と現れる
「チィィ…うっとうしいなぁ…氷なら闇の炎で焼き払ってやる…贖罪」
しかしやはりすぐに魔法がかき消されてしまう
「どうなってんだ畜生…」
氷の棘を躱しながら歯ぎしりをしているテンガだがさほどピンチというようにも見えない
「ちょこまかと…グラビティハンマー!」
テンガにとんでもない重力が襲いかかるが相手が化け物ならこの男も化け物である
「うっとうしいんだよぉ!!ボケがぁ!!」
普段の何百倍もの重力をかけられた状態で長刀の闇神楽を神速の早さで振り氷を一掃しアイリスの視界が砕けた氷で埋め尽くされたわずかに0.2秒の刹那、闇神楽をデスサイズに変換目の前の空間を切り裂いた
「こっちにこいや…次元引斬」
切り裂かれた空間にくだけ散った氷塊が吸い込まれていったそれはアイリスもしかりものすごい力でテンガの元へ引っ張られた、しかしテンガの眼前まで引き寄せたものの魔法はやはり消えたが
「残念…こんだけ近けりゃもう魔法なんざ要らねぇ…」
すでにテンガはデスサイズを新たな武器に変換していた、アリゲーター(アンカーランチャーガントレット)近接戦闘用武器でグローブのように腕に装着する。
指の先端は鉤爪になっており鉤爪の部分が射出され壁に引っ掛けたり、敵に突き刺したり縛ったりすることもできる。
ワイヤー自体も釣り針のような反りがたくさんついており殺傷機能がある。
鞭のようにワイヤーをしならせて傷つけたりする事も可能になった。
両手合わせて10発のアンカーを射出する事が出来る
「歯ぁ…食いしばれこのやろう…」
アイリスの頭を抱き抱えその腹部に全力のボディーブローしかしなんとか鉄扇を間に滑り込ませることで直撃は防いだもののテンガのバカ力で鉄扇を通しものすごい衝撃がアイリスの体を貫いた、転生者で強靭な肉体を持つアイリスですら気絶寸前になるほど悶絶おそらく内臓が何個か破裂したはずだ
「ぐぅ…」
「なんだその鉄扇、かなり本気で殴ったんだがヒビ1つ入ってないのはショックだなぁ」
「このぉ……」
未だに起き上がれずにいるアイリスはテンガの目を見た瞬間殺されると悟ったしかしさっきの攻撃の衝撃が残りまいったと言うどころか息をするのも苦しい
「まいったと言わねぇんだ?言えねぇよなぁぁ笑……じゃあ死ね」
いつの間にかデスサイズに変換し、それをレイラの首めがけて振り下ろした……
アイリスちゃん
俺の一番好きなキャラです
黒髪ロングの美少女
現実にこんなのいねぇよなぁ……
嫁は金髪ショートなんで余計に憧れます




