1.プロローグ 邪神降臨の儀と書いて「ハロウィンパーティー」と読む
ひっそりと静まり返った、放課後の理科室の扉を開ける。
するとそこには……。
「のわぁぁぁぁぁぁぁあっ!?」
「きゃぁぁぁぁぁあっ!?」
俺と横川は、その”ブツ”を視界に認めた瞬間、漫画なら劇画調になる位の表情で驚いた。清水さんに至っては笑顔のままに動きを止め、微動だにしない。
ジャックランタンの被り物を頭に装着し、黒いマントを羽織った人体模型。
俺たちの前には、どう控え目に見ても”邪神”としか表現しようのないブツが鎮座していた。
全裸にマントを装着したその姿。そこからこの邪神が、露出狂の神であることが伺われる。つまりは社会の窓から、フューチャーを全開にしておいでだ。
いや社会すらも超越して、直に! 惜しげもなく! 股の間のキャノンとボールツーを御開陳してらっしゃる。
また体の半身に至っては、マントの隙間から無機質な臓器をチラ見せ。
しかもカーテンで光が遮断された室内でジャックランタンの目がペッカペッカと点滅し、その度に臓器が生々しく光る。
結論から言うともの凄く怖い。多分、これが邪神界なら、
「いや~~君、邪神力高いね~」
「やだぁ、そんなことないですよぉ」
と、合コンでモテモテに違いない。
自分で言っておいて何だが、どんな状況だよそれ!
そして邪神の横では、かの神の創造主――花祭香奈が両腕を組み、得意げに、満足そうに、グッジョブ私! 的な感じで口の端を必要以上に歪め、泰然自若として微笑んでやがる。
「さぁ、ハロウィンパーティーを始めるわよ!」
止まっていた時間が、へたくそに動き始めた。
その中で俺は回想する。何故、このような摩訶不思議なハロウィンパーティーが開催されてしまったのかを……。




