第1遭遇
「とりあえず少ししゃがんでもらってもいいですか?」
「?」
私の言葉に不思議そうな顔をしながらも王子様は少し膝を曲げしゃがんでくれました。
見上げる位置にあった顔が、今、私の手の届く高さにあります。
自分とは比べ物にならないぐらいのキレイな顔が近づいて。
自分で頼んでおきながら
”うっぎゃーーーー”
ジタバタと騒ぐ私の心。
それを、大きく息を吸い込み吐きだし、少し落ち着かせ
右の掌を開いて思いっきりフルスイング!!
バッチン!!
頬を叩いた音と共に掌がジンっと痺れるような感覚。
「返事は以上です!!」
想像もしなかった行動に王子様は目を大きく見開いています。
驚いたせいなのか、さっきまでの「絶対零度」色の瞳ではない、淡く優しい琥珀色の瞳。
自分とは全く違う色に、一瞬吸い込まれそうな、感覚。
そんな感覚が怖くて。
私は慌てて踵を返し、その場を後にしました。
初投稿となります。
何分不慣れな身ですので、生温か~く見守っていただけるとうれしいです。
また誤字脱字があればご連絡いただけると、更にうれしいです。
見切り発車ですがよろしければお付き合いくださいませ。