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ラップ付き小説 ReversCrown 元気ないやつこっちおいで  作者: egubi
俺たちがリバースクラウンだ

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8/60

1-3-5  ORIGIN 未完成版

この作品にはイメージ楽曲があります。

ページ下部のリンクから聴けます。

読後の余韻に合わせてどうぞ


てか聞きながら読んでみて、飛ぶでぇ

配信を終えるはずだった。


画面は暗くなり、コメント欄の流れは止まり、部屋にはいつもの静けさが戻っていた。


黒い布。

小さなライト。

マイク三本。

ノートパソコン。

水。

シェイカー。

今日のメモ。


俺ら自身のNO FAKE。

一人じゃ曲にならない。

重いままでも前に進む。

足りないところに相手の音が入る。

相手の音が入る場所を残せ。


mcRCは、テーブルの上に置いたペンを見ていた。


ペン先には、まだ少しだけ熱が残っているような気がした。


言葉を書いたわけじゃない。


でも、今日の配信で出てきたものが、まだ部屋の空気に残っている。


wataは椅子にもたれ、スマホで近くの店を探していた。


「ラーメンか、定食か、カレーか」


「全部重い」


EGUIが低く言った。


「配信後やぞ。軽い飯ってなんや」


「うどん」


「うどんは軽い顔して、ちゃんと腹に来る」


「うどんに何の恨みがあるんや」


wataは、そう言いながらもスマホをスクロールし続けている。


EGUIはペットボトルを片付けながら、床に落ちていたケーブルを軽く足で寄せた。


mcRCは、二人の会話を聞きながら笑った。


笑えるくらいには、今日の配信は着地した。


でも、どこか物足りなかった。


いや、足りないというより。


まだ出せるものがある。


そんな感じだった。


NO FAKEは重かった。


必要な話だった。


でも、第三章の最後が、ただ重さだけで終わるのは違う。


この章で見えたのは、嘘の話だけではない。


三人が、自分たちの足りなさを認めたこと。

お互いの武器を認めたこと。

自分だけでは曲にならないと、ちゃんと言えたこと。

それでも、三人なら曲になると感じたこと。


なら、最後にもう一つ。


少し明るく、少し熱く、少し照れくさいものを出してもいい気がした。


mcRCは、ふとテーブルの端に置いていた別の紙を見た。


折りたたまれた歌詞案。


まだ、正式な歌詞カードではない。


何度も書き直した跡がある。

消し線がある。

横に小さく「ここ長い」「Hook強く」「wata詰めすぎ注意」「EGUI締め」とメモがある。


タイトルは、まだ仮のつもりだった。


でも、もうほとんど決まっていた。


ORIGIN


wataがスマホから顔を上げた。


「RC、何見てんの」


mcRCは少し黙った。


それから、紙を指で軽く叩いた。


「……これ」


wataが覗き込む。


「あ」


EGUIも、片付けの手を止めた。


三人の間に、少し違う空気が落ちる。


NO FAKEの重さとは違う。


もっと前の、もっと始まりの場所に触れるような空気。


wataが小さく言った。


「それ、まだ出さんやつやろ」


「うん」


mcRCは頷いた。


「まだ出すつもりなかった」


EGUIが紙を見る。


「完成してない」


「してない」


mcRCは正直に言った。


「歌詞もまだ直したいし、構成も少し迷ってる」


「Hookはほぼ決まってるけど、Verseの入りとか、Bridgeの長さとか、もう少し詰めたい」


wataが椅子を戻した。


「じゃあ、出さん方がええやろ」


普通ならそうだ。


未完成の曲を出すのは、怖い。


曲は、完成してから見せたい。


未完成のまま見せると、弱さが出る。


粗が見える。

迷いが見える。

言葉のズレが見える。

まだ整っていない自分たちが見える。


でも。


今日のNO FAKEの話をしたあとで、それを理由に隠すのは、少し違う気がした。


mcRCは、紙を持ち上げた。


「でもさ」


二人が見る。


「今日、俺らのNO FAKEの話したやん」


「一人じゃ曲にならないとか」


「足りないところに相手の音が入るとか」


「それを話したあとで、この曲を隠したまま終わるのも、なんか違う気がする」


wataは黙った。


EGUIも、何も言わなかった。


mcRCは続けた。


「これは、俺らが最初に互いを認めた曲やん」


「友情っていうより先に、respectがあったって曲」


「認めたくないけど、目をそらせなかったって曲」


「今日の話のあとに、これを少しだけ聞いてもらったら」


「たぶん、暗く終わらずに済む」


wataは、少しだけ顔をしかめた。


「未完成を聞かせるの、どうかとは思うけどな」


「思う」


mcRCは即答した。


「でも、未完成やって言えばいい」


EGUIが短く言った。


「言って出すなら、嘘ではない」


その一言で、wataが少し笑った。


「便利やな、NO FAKE」


「便利に使うな」


EGUIが返す。


けれど、反対はしていなかった。


wataは、紙を取ってざっと見る。


「うーん……まあ、Hookは強い」


「そこは強いよな」


「Verseも悪くない」


「悪くない、いただきました」


「ただ長い」


「それは知ってる」


EGUIが言う。


「でも、今なら長くてもいい」


wataが少し驚いた顔をした。


「EGUIがそれ言う?」


「今日の流れならな」


mcRCは、配信画面をもう一度見た。


終了後の画面。


配信は切れている。


でも、まだ戻れる。


このまま再開することはできる。


「やる?」


mcRCが聞くと、wataは少しだけ笑った。


「やるか」


EGUIも頷いた。


「やろう」


wataがスマホを持ち直す。


「タイトルどうする?」


mcRCは紙を見た。


「ORIGIN」


EGUIが短く言う。


「それでいい」


wataが、少しだけ肩を回した。


「未完成版、いきますか」


mcRCは配信画面を操作した。


一度終わった配信を、もう一度始める。


それだけなのに、妙に緊張した。


予定していないことをする時の緊張。


台本にない場所へ行く時の緊張。


でも、それは悪い緊張ではない。


画面が切り替わる。


再配信開始。


一瞬、コメント欄は静かだった。


それから、驚いたように動き出す。


え!?

戻ってきた!?

配信切ったよね?

何事?

おかわり?

飯は!?

生活指導終わったのにw

リバクラ再集合!


wataが真っ先にマイクを持った。


「はい、すみません。飯行くとか言って戻ってきました」


コメント欄が笑いで流れる。


飯は?

食えって言ったのそっちw

何があった

緊急?

大丈夫?


EGUIが短く言う。


「大丈夫」


wataが続ける。


「緊急ではない」


mcRCは、マイクに近づいた。


「ごめん。さっき終わるって言ったけど、もう少しだけやらせて」


コメント欄の速度が落ちる。


いいよ

何?

聞く

もう寝る準備してた

戻ってよかった

追加曲?


mcRCは、手元の紙を見た。


「本当は、この曲はまだ発表する気はありませんでした」


コメント欄が一気に反応する。


曲!?

新曲!?

え!?

未発表?

まじ?

予定外?


wataが横から言う。


「しかも完成してないです」


コメント欄。


未完成!?

そんなの聞いていいの?

デモ!?

レアじゃん

聞きたい

こわい


mcRCは頷いた。


「未完成を聞かせるのも、どうかとは思うんだけど」


「さっき、NO FAKEで俺ら自身の話をしたやん」


「一人じゃ曲にならない」


「三人で初めて曲になる」


「そういう話をしたあとで」


「この曲を、少しだけ聞いてもらいたくなりました」


コメント欄が静かになる。


wataが紙を軽く持ち上げる。


「ほんまにまだラフです」


「歌詞も直すかもしれんし、完成版では変わると思う」


EGUIが言う。


「でも、今の俺らには合ってる」


mcRCは、画面に向かって言った。


「いつか完成したら、またちゃんと聞いてほしい」


「今日は、未完成版として聞いてください」


少し間を置く。


「タイトルは――」


三人が、自然に目を合わせる。


「ORIGIN」


コメント欄が爆発した。


ORIGIN!?

タイトル強い

原点?

結成曲?

え、やば

これは聞く

戻ってよかった

未完成版ORIGIN


wataが少し笑った。


「コメントの圧がすごい」


EGUIが言う。


「やるぞ」


mcRCは頷いた。


音源は、まだ仮だった。


正式なミックスではない。


ビートも少し荒い。

Hookの重なりも、まだ調整前。

途中に仮のブレイクがある。

wataが「ここ、あとで詰める」と書いた場所もある。

EGUIが「長い」とだけ書いた箇所もある。


でも、熱はある。


未完成なのに、芯がある。


いや、未完成だからこそ、芯がそのまま見えるのかもしれない。


ビートが鳴った。


明るい。


でも、ただ楽しいだけではない。


どこかステージの始まりを感じさせる音。


搬入口の冷たい光。

まだ少ない客席。

床に響くスニーカー。

始まる前の静けさ。

それが一気に立ち上がるようなイントロ。


コメント欄がすぐに反応する。


音明るい

でも熱い

これ好きなやつ

ORIGINっぽい

始まり感ある


mcRCが一歩前に出る。


歌い出しではなく、まず話すように入る。


「バラバラだった」


wataが続く。


「でも立ってた」


EGUIが低く乗せる。


「同じステージ」


三人。


「違う見方」


コメント欄が一瞬で沸く。


うわ

もういい

同じステージ違う見方

今日の話だ

これ未完成?


mcRCの声が続く。


「俺は俺で

勝てると思った」


wata。


「でも客席が

先に気づいた」


EGUI。


「横にいたこいつ

ただもんじゃない」


三人の声が重なりかける。


「認めたくない

でも目をそらせない」


コメント欄の速度が上がる。


認めたくないw

でも目をそらせない

これ3人の出会い?

客席が先に気づいた、いい

もう泣きそうなんだが


wataが、少しだけリズムを前に押す。


「友情より先に

respect があった」


EGUIが締める。


「ここが俺らの

ORIGIN」


Hook。


三人の声が重なる。


「ORIGIN, ORIGIN

始まりは respect

ORIGIN, ORIGIN

重なった three lights」


未完成のはずなのに、Hookはすでに強かった。


言葉が立っている。


難しくない。


でも、ただの仲良しではない。


respect。


そこに、リバクラらしさがある。


コメント欄が一気に跳ねる。


ORIGIN!

始まりはrespect

これ強い

フックもう完成してるやん

重なったthree lights好き

未完成とは?


wataが歌いながら少し笑った。


未完成とは?というコメントが見えたのだろう。


でも、笑いながらも声は外さない。


「First night, first fight

ぶつかってわかった

Needed, needed

こいつが必要だった」


EGUIの声が重なる。


「Scene make

Technique

Straight word

Make it big」


mcRCは、歌いながら少し胸が熱くなった。


この曲は、過去の話だ。


でも、今の話でもある。


最初に三人が互いを認めた夜。


それは、きれいな友情から始まったわけではない。


最初から「仲間だ」と思っていたわけでもない。


むしろ、最初はそれぞれ、自分の武器で勝てると思っていた。


mcRCは、場を作れると思っていた。

wataは、言葉と韻で持っていけると思っていた。

EGUIは、最後に残るのはまっすぐな言葉だと思っていた。


全部、間違ってはいない。


でも、足りなかった。


その足りなさを、最初に見抜いたのは、自分たちではなかった。


客席だった。


Hookが終わり、mcRCのVerseへ入る。


「搬入口 light

まだ少ない crowd

冷えた floor

鳴る sneaker sound」


配信部屋なのに、ステージ裏が見える。


リスナーのコメントが流れる。


景色きた

搬入口light

冷えたfloor

mcRCの入り好き

ちゃんと見える


mcRCは続ける。


「ケース引く音

照明の影

始まる前の

静かな風」


その言葉で、あの夜の空気が戻ってくる。


まだリバクラと呼ばれる前。


三人が、同じイベントに呼ばれていた夜。


それぞれが別々に来て、それぞれが自分の準備をしていた。


mcRCは、客席を見ていた。

どのくらいの距離か。

照明がどこまで届くか。

人が立ち止まりそうな場所はどこか。

最初にどう空気を開けるか。


あの時も、彼は場を見ていた。


「俺は思ってた

場がすべて

入口なけりゃ

誰も来ねえ」


コメント欄。


場がすべて

入口なけりゃ誰も来ねえ

これmcRC

現場監督だ

Scene Makerだ


wataが横で小さく笑う。


また現場監督と言われている。


でも、今はそれすら少し誇らしかった。


「beat が鳴る

目線が上がる

一歩目で

空気を変える」


mcRCの声が少し強くなる。


あの夜、確かにそうだった。


最初に客席の顔を上げたのは、自分だと思っていた。


入口は作れた。


場は開いた。


「ほら見たか

これが俺の scene

この夜のドア

俺が open it」


コメント欄が沸く。


open it!

かっこいい

ドア開ける人

mcRC自信ある

ここから?


そして、Verseの空気が変わる。


「でも次の瞬間

こいつが跳ねた

細かい rhyme が

floor を上げた」


wataが少しだけ視線を落とす。


歌詞を知っているのに、照れている。


コメント欄が反応する。


こいつ=wata?

来た

細かいrhyme

floorを上げた

認める瞬間だ


mcRCは歌う。


「認めたくない

でも見えちまった

俺の景色で

こいつが光った」


wataが、少しだけ口元を押さえた。


「俺ひとりじゃ

入口まで

こいつの一拍で

景色が走った」


その瞬間、コメント欄が一気に流れた。


景色が走った

いい

これさっきの話じゃん

足りないところに相手の音が入る

mcRCからwataへのrespect

最高


曲はShort Hookへ戻る。


「ORIGIN, ORIGIN

始まりは respect

ORIGIN, ORIGIN

重なった three lights」


コメントも少しずつHookを覚え始めている。


ORIGIN ORIGIN

始まりはrespect

Needed needed

こいつが必要だった


wataのVerse。


彼の声は、さっきまで少し照れていたのが嘘のように、ビートに乗った瞬間に変わった。


「正直 最初

認めてなかった

雰囲気だけなら

すぐ消えると思った」


コメント欄が笑う。


正直w

認めてなかったw

wataさん言うなあ

雰囲気だけならすぐ消える

ひどいけどリアル


wataは続ける。


「残るのは skill

刻むこの beat

一語のズレまで

拾って flip」


ここはwataの領域だった。


言葉が細かく刻まれる。


母音の流れ。

内側で跳ねる韻。

小さなズレを拾ってリズムに変える技術。


コメント欄も反応する。


技術パートきた

flow気持ちいい

一語のズレまで拾う

wata Technician

音が細かい


「ズレ ブレ 揺れ

全部拾う

flow で補正

熱ごと運ぶ」


mcRCは、横で聞きながら思った。


あの夜、本当にそうだった。


wataは、自分が作った場を、さらに上へ運んだ。


ただ盛り上げるだけではない。


ズレている客席の手拍子。

少し遅れた首の揺れ。

まだ乗り切れていない空気。


それらを、wataは韻とフロウで拾い上げた。


「ほら見たか

これが俺の technique

このまま全部

持っていく気」


コメント欄が熱くなる。


technique!

wataの自信

いい

これは認めさせるやつ


そして、wataの声が少し変わる。


「でもラスト前

こいつが立った

まっすぐな声で

空気を割った」


EGUIが、表情を変えずに聞いている。


でも、ほんの少しだけ目線が下がった。


「その一言で

騒ぎが意味へ

上がった熱が

胸まで沈め」


コメント欄。


こいつ=EGUI

騒ぎが意味へ

これいい

熱が胸まで沈む

wataからEGUIへのrespect

技術に意味が乗った


wataは、少しだけ声を強める。


「認めたくない

でも刺さっちまった

俺の rhyme の先に

こいつの声が立った」


そして。


「俺ひとりじゃ

見せ場まで

こいつの言葉で

技術に意味が乗った」


コメント欄が爆発した。


技術に意味が乗った

うわ

最高

wataさんがこれ言うのいい

韻だけじゃ終わらない話

1-3-4の回収じゃん


wataは、歌い終わると少しだけ息を吐いた。


照れている。


でも、逃げてはいない。


Short Hook。


今度はコメント欄も一緒に歌っているようだった。


ORIGIN ORIGIN

始まりはrespect

Needed needed

こいつが必要だった


EGUIのVerse。


空気がまた変わる。


EGUIは、最初から派手に入らない。


低く、まっすぐに入る。


「俺も最初は

認めてなかった

景色も rhyme も

わかるけどな」


コメント欄が笑う。


全員認めてないw

EGUIさんまでw

わかるけどな、がEGUI

正直すぎる


EGUIは続ける。


「最後に残る

言葉は何だ

帰り道まで

口ずさむ one line」


ここがEGUIだった。


残る言葉。


帰り道。


一行。


華やかな瞬間より、終わった後に残るものを見る。


「声は出てる

でも足りない

ひとつになるには

まだ届かない」


コメント欄の流れが少し遅くなる。


EGUIの言葉は、やっぱり空気を変える。


「だから言った

飾らず言った

俺らは今

ここから始まった」


その一行で、曲のタイトルが一気に近づく。


ORIGIN。


始まり。


「お前が必要だった

俺らに必要だった

一人じゃ見えない

景色があった」


コメント欄が熱くなる。


お前が必要だった

俺らに必要だった

これだ

EGUIの直球

まっすぐすぎる


でも、EGUIのVerseはそこで終わらない。


自分の言葉が届いたと思った瞬間に、彼もまた気づく。


「そう思った

でも気づいた

この声の前に

道があった」


mcRCは、少しだけ息を止めた。


「冷えた floor に

道を作った

知らない名前に

耳を向けさせた」


wataは何も言わない。


EGUIはまっすぐ歌う。


「俺が立つ場所

先に開けてた

こいつの scene が

そこにあった」


コメント欄が一気に流れる。


EGUIからmcRCへ返った

道を作った

立つ場所を開けてた

すごい循環

三人が一周した


EGUIは、最後に低く決める。


「認めたくない

でもわかっちまった

俺の言葉の前に

こいつの景色があった」


そして。


「俺ひとりじゃ

届くだけ

こいつの scene で

声が世界へ向いた」


コメント欄。


声が世界へ向いた

最高

EGUIさんが認めた

一周した

ORIGINすごい


曲はBridgeに入った。


音が少し引く。


三人の声が、順番に入る。


mcRC。


「客席を上げるつもりで

隣の rhyme に撃たれてた」


wata。


「skill を見せるつもりで

隣の声に意味をもらった」


EGUI。


「まっすぐ届けるつもりで

隣の scene に立たされてた」


コメント欄が沸く。


隣のrhymeに撃たれてた

隣の声に意味をもらった

隣のsceneに立たされてた

これ強すぎ

全員が全員に撃たれてる


三人の声が重なる。


「客席が先に気づいた

俺らは後から認めた

こいつの武器に惚れた夜

ここが俺らの ORIGIN」


その瞬間、コメント欄の速度が一気に上がった。


客席が先に気づいた!!

これ最高

俺らは後から認めた

こいつの武器に惚れた夜

ORIGINすぎる

未完成とは?


mcRCは、歌いながら胸が熱くなっていた。


この曲は、まだ完成していない。


でも、このラインだけはもう変えたくないと思った。


客席が先に気づいた。


俺らは後から認めた。


それがリバクラらしい。


自分たちが最初から運命の仲間だった、なんて綺麗な話ではない。


ぶつかって、見せつけられて、悔しくて、それでも認めざるを得なかった。


それが始まりだった。


Final Hook。


三人の声が重なる。


「ORIGIN, ORIGIN

始まりは respect

ORIGIN, ORIGIN

重なった three lights」


コメントも重なる。


ORIGIN

ORIGIN

始まりはrespect

Three lights


「First night, first fight

ぶつかってわかった

Needed, needed

こいつが必要だった」


wataの声が少し跳ねる。


EGUIの低音が支える。


mcRCが前へ出す。


「Scene make

Technique

Straight word

Make it big」


コメント欄。


Scene make

Technique

Straight word

Make it big!

これライブで叫びたい

コールできる


最後に、三人で重ねる。


「ORIGIN, ORIGIN

この夜が答え

こいつらとなら

世界まで飛べる」


曲が終わった。


仮音源の最後は、少しだけ余韻が雑に切れた。


wataが思わず苦笑する。


「終わり方、仮すぎる」


コメント欄が爆発した。


888888888

未完成とは???

最高

これ完成したらやばい

ORIGIN強すぎ

明るいのに泣ける

respectの曲だ

3人の関係性見えた

これライブで聞きたい

フック強い

客席が先に気づいた、最高


mcRCは、歌い終わった後、すぐに喋れなかった。


wataも、珍しく言葉を探していた。


EGUIは、画面を見ていた。


コメント欄に流れる言葉を、ひとつずつ見ている。


友情より先にrespectがあった、いい

仲良しより強い

互いの武器に惚れたんだ

足りないからじゃなく、強いから組んだんだね

一人でも立てる。でも三人なら遠くへ行ける

これがリバクラ


wataが、そのコメントを読んだ。


「足りないからじゃなく、強いから組んだんだね」


少し黙る。


「……これ、いいな」


mcRCは頷いた。


「いい」


EGUIも短く言った。


「いい」


wataは画面を見ながら言った。


「そうなんよな」


「俺ら、足りないから寄りかかったんじゃなくて」


「それぞれ立ってたんよな」


EGUIが頷く。


「立ってた」


mcRCも言う。


「立ってたから、ぶつかった」


wataが少し笑う。


「最初からふにゃふにゃやったら、respectまで行かんもんな」


EGUIが言う。


「武器があったから認めた」


mcRCは、画面に向かって言った。


「今のコメント、かなり大事やと思う」


「足りないから組んだ、だけじゃない」


「それぞれ、一人でも立てるものがあった」


「でも、三人で重なると、もっと遠くへ行ける」


「それに気づいた夜が、ORIGINです」


コメント欄。


最高

これで完成してないのやばい

いつ完成?

完成版待ってます

もう一回聞きたい

ORIGINライブでやって

未完成版を聞けたの嬉しい


wataが笑った。


「完成版、プレッシャーえぐ」


EGUIが言う。


「ちゃんと作れ」


wata。


「お前も作るんやぞ」


「知ってる」


mcRCは紙を見た。


赤字の修正。

余白のメモ。

まだ決まっていないブレイク。

仮のOutro。


未完成。


でも、出してよかった。


そう思えた。


未完成を見せるのは怖い。


でも、今日の配信では、それが嘘ではなかった。


今の自分たちのまま、出せるものを出した。


そして、リスナーはそれを未完成として受け取ったうえで、楽しんでくれた。


これは、信頼に近い。


完璧な商品として出したわけではない。


作っている途中の熱を見せた。


それでも、受け取ってくれた。


mcRCは、少し声を落とした。


「聞いてくれてありがとう」


「本当に、まだ完成ではないです」


「でも、今日出してよかったと思ってる」


「いつか完成したら、またちゃんと聞いてください」


コメント欄。


聞く

絶対聞く

完成版待つ

未完成版も好き

今日聞けてよかった

ORIGINありがとう


wataが少し軽く言った。


「ちなみに完成版では、終わり方はちゃんとします」


コメント欄が笑う。


そこw

仮終わりかわいかった

終わり方で未完成って分かった

でもそれもレア

デモ感よかった


EGUIが言う。


「歌詞も詰める」


wataが頷く。


「詰める」


mcRCも言う。


「でも、核は変えない」


三人は自然に頷いた。


核。


ORIGINの核。


友情より先にrespectがあった。

互いの武器に惚れた。

客席が先に気づいた。

俺らは後から認めた。

一人でも立てる。

でも、三人ならもっと遠くへ行ける。


それは、もう変えなくていい。


コメント欄に、ひとつ流れた。


NO FAKEのあとにORIGIN聞けたの、すごくよかったです。

重い話で終わらずに、三人が互いを認める明るさで終わった感じがします。


mcRCは、そのコメントを読んで、少しだけ息を吐いた。


まさに、それがしたかった。


NO FAKEで自分の嘘を見た。


でも、その先にあるのが、ただ苦しさだけでは嫌だった。


自分に嘘をつかない先には、誰かを本当に認める明るさがある。


自分の足りなさを認める先には、相手の武器を喜べる強さがある。


自分だけで完璧なふりをやめた先には、三人で遠くへ行ける景色がある。


ORIGINは、その光だった。


wataが画面を見て言った。


「このコメント、今日の答えやな」


EGUIも頷く。


「うん」


mcRCはマイクを握った。


「今日は、本当にここまでにします」


コメント欄が笑いながら流れる。


今度こそ?

飯行って

寝て

水飲んで

ORIGINありがとう

最高だった


wataが手を上げた。


「今度こそ飯行きます」


EGUI。


「行く」


mcRC。


「みんなも、ちゃんと飯食って、水飲んで、寝てください」


wata。


「あと、今日のORIGINは未完成版なので、完成版を勝手に脳内で完成させすぎないでください」


コメント欄。


無理

もう完成してる

脳内再生止まらない

ORIGIN ORIGIN

始まりはrespect


EGUIが言う。


「覚えすぎるな」


wata。


「無理やろ」


mcRCは笑った。


「覚えてくれたなら、それはそれで嬉しい」


最後に三人で手を上げる。


「Reverse Crownでした」


配信終了。


画面が暗くなった。


今度こそ、部屋に静けさが戻る。


wataは椅子にもたれ、天井を見た。


「……出したな」


mcRCは紙を見て頷いた。


「出した」


EGUIも言った。


「出した」


少し沈黙。


それからwataが、ぽつりと言う。


「でも、よかったな」


mcRCは笑った。


「うん」


EGUIも、短く頷く。


「よかった」


三人はしばらく、ORIGINの紙を見ていた。


未完成の歌詞。


でも、今日の配信で少しだけ完成に近づいた気がした。


それは、歌詞が直ったからではない。


リスナーが聞いて、反応して、言葉を返してくれたからだ。


曲は、三人だけで作る。


でも、曲の意味は、届いた先でも育つ。


NO FAKEでそれを知った。


ORIGINでも、それを少しだけ感じた。


wataが紙を指差した。


「ここ、Bridge長いかもな」


mcRCが笑う。


「今それ言う?」


「完成させるなら言うやろ」


EGUIが言う。


「長い」


wataがEGUIを見る。


「お前、さっきは今なら長くてもいいって言ったやん」


「今は完成させる話やろ」


「切り替え早」


mcRCは笑った。


もう制作モードに戻っている。


それも、リバクラらしい。


熱くなって、照れて、出して、受け取って、また直す。


wataが言う。


「Hookはこのまま強くしたい」


EGUI。


「Neededは残す」


mcRC。


「客席が先に気づいた、は絶対残す」


wata。


「そこは残す」


EGUI。


「残す」


三人の声が、自然に揃った。


mcRCは、紙に小さく丸をつけた。


客席が先に気づいた


それは、ORIGINの芯だった。


同時に、今のリバクラにもつながっている。


もしかすると、これからもそうなのかもしれない。


自分たちより先に、リスナーが何かに気づく。


自分たちの曲の意味。

三人の関係。

言葉の奥。

文化の芽。


そして、それを見て、三人が後から認める。


それもまた、リバクラの形だ。


wataが立ち上がった。


「飯行こ」


EGUIが言う。


「行くぞ」


mcRCは、ORIGINの紙を丁寧にたたんだ。


今度は、適当に置かなかった。


クリアファイルに入れる。


wataがそれを見て笑う。


「大事にするやん」


mcRCは答えた。


「大事やろ」


EGUIが言う。


「大事やな」


その言葉に、mcRCは少しだけ笑った。


部屋のライトを消す。


黒い布が、暗く沈む。


配信部屋は、ただの部屋に戻る。


でも、今日の熱は残っていた。


NO FAKEで自分たちの嘘を見た。


そのあとで、ORIGINを出した。


まだ未完成の原点。


でも、たぶん必要なタイミングだった。


友情より先にrespectがあった。


互いの武器に惚れた。


一人でも立てる。

でも、三人ならもっと遠くへ行ける。


廊下に出る。


wataがスマホを見ながら言う。


「で、結局何食う?」


EGUI。


「ラーメン」


wata。


「さっき重いって言ってたやん」


EGUI。


「今日はいい」


mcRCが笑う。


「ORIGIN出したから?」


EGUIは少しだけ考えた。


「祝い」


wataが吹き出した。


「EGUIが祝いとか言った!」


「うるさい」


mcRCは笑いながら、二人の後ろを歩いた。


廊下の灯りが、三人の影を伸ばしている。


バラバラの影。


でも、同じ方向へ歩いている。


それが、少しだけORIGINみたいだと思った。


まだ完成していない。


でも、もう始まっている。


Reverse Crownは、そうやって進んでいく。

この話にはイメージソングがあります。

聴く場合はこちら:

コピペしてブラウザに貼り付けて、、、かっこいいからさ、、、


さきにこの話の曲、本当はまだ披露予定じゃなかったのに、、、

ORIGIN

https://youtu.be/v7r3_l4mYQM?si=l1vPLtDcNWjW9O6H


nofake

https://youtu.be/oV7c-3TJMgM?si=WDW85lU6iqQsmqZy


決めろ!はコチラ

https://youtu.be/P_2d3hcx3Uw?si=hvvTW3RMB2adTtwN

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Image Song

この物語のために制作したイメージ楽曲です。

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