表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラップ付き小説 ReversCrown 元気ないやつこっちおいで  作者: egubi
sound session編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
151/186

5-2-8 ReShiNaグルチャ 水の人、森の人、風の人



rena@水の人:

帰った?


shiho@森の人:

帰った。

楽器を置いた。

肩が人間に戻った。


natsu@風の人:

帰った。

耳だけ、まだ会場。


rena@水の人:

わかる。

低音がまだ胸の奥にいる。


shiho@森の人:

私は床から来た。

足裏にまだいる。


natsu@風の人:

床、強かった。

あれは床が歌ってた。


rena@水の人:

床が歌ってたは、ちょっとわかる。


shiho@森の人:

いや、わかるんだ。


natsu@風の人:

低い音は、だいたい床の担当。


rena@水の人:

今日のnatsu、最初から風の人だね。


natsu@風の人:

風の人なので。


shiho@森の人:

それ、便利すぎる。


rena@水の人:

というか、この表示名なに?


natsu@風の人:

似合うと思った。


rena@水の人:

水の人?


natsu@風の人:

うん。


shiho@森の人:

森の人。


rena@水の人:

なんでそれ?


natsu@風の人:

気に入った。


rena@水の人:

答えになってないけど、気に入ったなら仕方ない。


shiho@森の人:

私は嫌いじゃない。


natsu@風の人:

決まり。


rena@水の人:

決まった。


shiho@森の人:

水と森と風の反省会。


natsu@風の人:

反省してない。

まだ揺れてる。


rena@水の人:

揺れてたね、今日。


natsu@風の人:

見ないで。


shiho@森の人:

風なのに見られるの嫌なんだ。


natsu@風の人:

風にもプライバシーがある。


rena@水の人:

風のプライバシー、強い。



rena@水の人:

まず言っていい?


shiho@森の人:

どうぞ。


natsu@風の人:

流して。


rena@水の人:

全然、別ジャンルすぎた。


shiho@森の人:

それは本当にそう。


natsu@風の人:

森から急に高速道路。


rena@水の人:

わかる。

私たち、普段は水辺とか森とか風とか言ってるのに。


shiho@森の人:

今日は、光、低音、人、人、人、スマホ、歓声。


natsu@風の人:

人が多いと、風が曲がる。


rena@水の人:

一万一千人って、数字で聞くより怖いね。


shiho@森の人:

客席が海みたいだった。


natsu@風の人:

でも波じゃない。

人の壁。


rena@水の人:

音も大きかった。


shiho@森の人:

大きかった。


natsu@風の人:

耳が一回、会議を離脱した。


rena@水の人:

耳が会議を離脱。


shiho@森の人:

でも分かる。

途中で耳が「私はここまでです」って言ってた。


rena@水の人:

音が大きくて、耳が死ぬかと思った。


natsu@風の人:

耳、よく生きて帰った。


shiho@森の人:

次は耳栓いる。


rena@水の人:

いる。

絶対いる。


natsu@風の人:

耳栓しても、床から来そう。


shiho@森の人:

低音は足で聴くからね。


rena@水の人:

なんか今日、音楽の話してるはずなのに、身体の部位が多い。


natsu@風の人:

耳、足、胸。

ヒップホップは身体に来る。


shiho@森の人:

それは今日わかった。



shiho@森の人:

あと、楽器。


rena@水の人:

邪魔だったね。


natsu@風の人:

ふたり、入口で地形変えてた。


rena@水の人:

地形?


natsu@風の人:

アコギとバスクラで、通路が山。


shiho@森の人:

山ではない。


natsu@風の人:

森の人が山を否定してる。


rena@水の人:

ややこしい。


shiho@森の人:

でも、邪魔だったのは認める。


rena@水の人:

邪魔だけど、あると安心するんだよね。


shiho@森の人:

わかる。

持っていると、自分の重心が戻る。


natsu@風の人:

私は笛があると、逃げ道がある。


rena@水の人:

逃げ道?


natsu@風の人:

音に逃げられる。


shiho@森の人:

それはnatsuっぽい。


natsu@風の人:

風なので。


rena@水の人:

便利な言葉、二回目。


shiho@森の人:

でも本当に入場に時間かかった。


rena@水の人:

私たちだけ別レーンだったもんね。


natsu@風の人:

楽器持ちレーン。

ちょっと冒険者っぽかった。


shiho@森の人:

私は武器検査みたいな気持ちになった。


rena@水の人:

アコギもケースに入ってると、急に物々しい。


natsu@風の人:

shihoのは、完全に何か封印されてた。


shiho@森の人:

バスクラです。


natsu@風の人:

大きな森の筒。


shiho@森の人:

言い方。


rena@水の人:

でも、バスクラのケースって本当に大きいよね。


natsu@風の人:

ふたりは楽器。

私は棒。


shiho@森の人:

natsuはいいねぇ。

棒一本で。


natsu@風の人:

棒じゃない。


rena@水の人:

フルート。


natsu@風の人:

風の通り道。


shiho@森の人:

急に詩人。


natsu@風の人:

棒って言われたから、守った。


rena@水の人:

それは守っていい。


shiho@森の人:

ごめん。

風の通り道。


natsu@風の人:

よし。


rena@水の人:

満足してる。



rena@水の人:

で、正直な話していい?


shiho@森の人:

いい。


natsu@風の人:

水門あけて。


rena@水の人:

水門って。


natsu@風の人:

水の人だから。


rena@水の人:

今日、リバースクラウンだけ、かっこよかった。


shiho@森の人:

うん。


natsu@風の人:

あそこだけ、空気が入った。


rena@水の人:

それ。

あそこだけ息できた。


shiho@森の人:

先攻の人たちも、上手かったとは思う。


rena@水の人:

うん。

たぶんすごい。

周りも盛り上がってたし、音も揃ってたし、あれが好きな人にはめちゃくちゃ楽しいんだと思う。


natsu@風の人:

でも、風が入る隙間がなかった。


shiho@森の人:

ずっと前へ押してくる感じだった。


rena@水の人:

「ほら、乗れよ」って言われてる感じ。


natsu@風の人:

私、乗れって言われると止まる。


shiho@森の人:

それは分かる。


rena@水の人:

知らない人に急に乗れよって言われても、私は嫌だなって思った。


natsu@風の人:

うん。

知らない波に、急に乗れない。


shiho@森の人:

周りは乗ってたから、あの人たちは悪くない。

合う人には合う。


rena@水の人:

そう、否定じゃない。

ただ、私には遠かった。


natsu@風の人:

座る場所がなかった。


shiho@森の人:

聴き手の余白が少なかった、ということ?


natsu@風の人:

たぶんそれ。

でもそんな賢い言い方じゃなくて。

「ここ、私いていい?」ってなった。


rena@水の人:

わかる。

私は、すごい音の中に立ってるのに、ちょっと外にいた。


shiho@森の人:

音遊びとしては高度だった。

でも、私は人が見える方に反応する。


natsu@風の人:

先攻は、音が走ってた。

リバクラは、人が歩いてきた。


rena@水の人:

それいい。


shiho@森の人:

natsu、今日たまに核心を置くね。


natsu@風の人:

たまに落ち葉が刺さる。


rena@水の人:

落ち葉は普通刺さらない。


natsu@風の人:

乾いてたら刺さる。


shiho@森の人:

森としては否定しにくい。



rena@水の人:

でも、どっちも同じジャンルなんだよね。


shiho@森の人:

ヒップホップ。


natsu@風の人:

同じ森に見えない木。


rena@水の人:

また森。


natsu@風の人:

shihoの日だから。


shiho@森の人:

今日、私の日なの?


natsu@風の人:

大きい音で森が揺れてた。


shiho@森の人:

揺れてたね。

バスクラのケースも揺れた。


rena@水の人:

ヒップホップって、一言で言ってもこんなに違うんだね。


shiho@森の人:

先攻は、音の密度と勢い。


rena@水の人:

リバクラは、名前と景色と人。


natsu@風の人:

あと、すきま。


shiho@森の人:

すきま、大事。


rena@水の人:

そう。

一曲目で「誰がいるか」がわかった。


shiho@森の人:

mcRCさんは場面を置いていた。


natsu@風の人:

夜のコンビニ、見えた。


rena@水の人:

wataさんは、言葉が細かいのに、今日は置いていかなかった。


shiho@森の人:

韻が硬いのに、客席の足が残っていた。


natsu@風の人:

速いのに、風穴があった。


rena@水の人:

EGUIさんは、まっすぐだったね。


shiho@森の人:

まっすぐ。

でも、押しつけではなかった。


natsu@風の人:

太い線。

でも、殴ってこない。


rena@水の人:

それすごく大事。


shiho@森の人:

BEEFさんも、後ろにいるのに見えた。


natsu@風の人:

後ろの風向き係。


rena@水の人:

暴れ牛なのに?


natsu@風の人:

牛が風を読む日もある。


shiho@森の人:

今日のnatsu、自由すぎる。


natsu@風の人:

グルチャは風通しがいい。



shiho@森の人:

ROLL CALL、よかった。


rena@水の人:

うん。

あれ、普通なら内輪っぽくなりそうなのにね。


natsu@風の人:

内輪の扉を、外から開けてた。


shiho@森の人:

一曲目で名前を出していたからだと思う。


rena@水の人:

Reverse Crownで、三人の名前と役割が見えたあとに、ROLL CALLだから入れた。


natsu@風の人:

いきなり呼ばれたら、逃げる。


rena@水の人:

私も。


shiho@森の人:

でも、あの順番なら、呼ばれても怖くなかった。


natsu@風の人:

知らない名前が、ちょっと知ってる音になってた。


rena@水の人:

それいいね。


shiho@森の人:

あと、BEEFさんの紹介があったのもよかった。


rena@水の人:

あれ大事だった。

後ろで何してる人か、ちゃんとわかった。


natsu@風の人:

あの人、音をほどいてた。


shiho@森の人:

壊していたようにも見えた。


natsu@風の人:

壊して、風を通して、また結んでた。


rena@水の人:

それ、怖いけど綺麗。


shiho@森の人:

うん。

怖いけど、ちゃんと戻すから見ていられた。


natsu@風の人:

戻せない破壊は怖い。

戻す破壊は、職人。


rena@水の人:

BEEFさん、職人だったね。


shiho@森の人:

愛想はないけど。


natsu@風の人:

愛想は置いてきた。


rena@水の人:

どこに?


natsu@風の人:

ターンテーブルの下。


shiho@森の人:

拾ってあげて。



rena@水の人:

KEEP MOVINGは、正直助かった。


shiho@森の人:

分かる。


natsu@風の人:

耳は疲れてたけど、身体がほどけた。


rena@水の人:

「一分だけでいい」って、ちょうどよかった。


shiho@森の人:

大きいことを言われたら、もう受け止めきれなかったと思う。


natsu@風の人:

人生変えろって言われたら、帰る。


rena@水の人:

帰るんだ。


natsu@風の人:

風なので。


shiho@森の人:

また出た。


natsu@風の人:

でも、一分なら残る。


rena@水の人:

一分ならできる気がする。


shiho@森の人:

動くことへの圧が少なかった。


natsu@風の人:

軽い風。

押さない。

背中に触るだけ。


rena@水の人:

それがリバクラの今日の良さだったかも。


shiho@森の人:

深く入りすぎなかった。


natsu@風の人:

知らない人の心に、靴で入らなかった。


rena@水の人:

ああ、それ。


shiho@森の人:

とても大事。


natsu@風の人:

入口で靴を脱いでた。


rena@水の人:

リバクラが?


natsu@風の人:

たぶん。


shiho@森の人:

比喩が独特だけど、わかる。



rena@水の人:

あのサングラスの五人、いたよね。


shiho@森の人:

いた。


natsu@風の人:

光ってた。


rena@水の人:

光ってた?


natsu@風の人:

サングラスが、気持ちを隠せてなかった。


shiho@森の人:

あれ、たぶんリバックラインだよね。


rena@水の人:

私もそう思った。

声で分かった。


natsu@風の人:

あの大音量の中で、声だけ飛んできた。


shiho@森の人:

耳が死にかけていたのに、あそこは分かった。


rena@水の人:

音楽やってると、そういうの拾っちゃうよね。


natsu@風の人:

うん。

歓声の中に、知ってる形があった。


shiho@森の人:

サングラスで顔は隠れていた。


rena@水の人:

声が隠れてなかった。


natsu@風の人:

声は素顔。


shiho@森の人:

いい言い方。


rena@水の人:

かわいかった。

裏で支えてるのに、客席では普通にファンだった。


shiho@森の人:

支えるって、冷静でいることだけじゃないんだね。


natsu@風の人:

泣くのも支える。

叫ぶのも支える。

たぶん目立つのは事故。


rena@水の人:

最後だけ急に現実。


natsu@風の人:

五人サングラスは、風景になる。


shiho@森の人:

たしかに目立つ。



shiho@森の人:

今日のリバクラは、勝つためだけではなかった気がする。


rena@水の人:

うん。


natsu@風の人:

でも勝った。


rena@水の人:

勝ったね。


shiho@森の人:

そこも大事。


natsu@風の人:

かっこいいだけで終わらず、勝った。


rena@水の人:

私、結果発表の時ちょっと泣きそうだった。


shiho@森の人:

私は少し泣いた。


natsu@風の人:

私は笛のケースを握った。


rena@水の人:

泣く代わり?


natsu@風の人:

風の固定。


shiho@森の人:

風にも固定が必要なんだ。


natsu@風の人:

強すぎると飛ぶ。


rena@水の人:

今日の会場は飛ばされそうだったもんね。


shiho@森の人:

でも、リバクラの時は足が残った。


natsu@風の人:

そう。

足が残る音だった。


rena@水の人:

それ、すごくいい。



rena@水の人:

次も行く?


shiho@森の人:

行く。


natsu@風の人:

行く。

耳栓を持って。


rena@水の人:

楽器は?


shiho@森の人:

持っていく。


rena@水の人:

持っていく。


natsu@風の人:

また山と森と水が入口を詰まらせる。


shiho@森の人:

森は詰まらせない。


rena@水の人:

水も詰まらせない。


natsu@風の人:

アコギは岩。

バスクラは樹。

私は風の通り道。


shiho@森の人:

自分だけ軽くした。


rena@水の人:

ずるい。


natsu@風の人:

フルートなので。


shiho@森の人:

棒なのに。


natsu@風の人:

棒じゃない。


rena@水の人:

風の通り道。


natsu@風の人:

よし。



shiho@森の人:

次は、もう少し早く行こう。


rena@水の人:

別レーン時間かかるしね。


natsu@風の人:

ふたりの引っ越しがあるから。


rena@水の人:

引っ越しじゃない。


shiho@森の人:

楽器です。


natsu@風の人:

はいはい、音の家具。


rena@水の人:

家具になった。


shiho@森の人:

家具ではない。


natsu@風の人:

でも、あると家になる。


rena@水の人:

それは、ちょっと好き。


shiho@森の人:

うん。

楽器があると、自分の居場所ができる。


natsu@風の人:

ほら、家具。


shiho@森の人:

違うけど、今日は許す。


rena@水の人:

今日、shihoが優しい。


shiho@森の人:

会場で耳を削られたから。


natsu@風の人:

角が丸くなった。


shiho@森の人:

明日戻る。


rena@水の人:

戻るんだ。


shiho@森の人:

戻る。



rena@水の人:

でも、ほんとに行ってよかった。


shiho@森の人:

うん。


natsu@風の人:

知らない森だったけど、行ってよかった。


rena@水の人:

リバースクラウン、かっこよかった。


shiho@森の人:

三人とも違うのに、同じ方向を向いていた。


natsu@風の人:

BEEFさんも、後ろから風向きを変えてた。


rena@水の人:

あれは大きいね。


shiho@森の人:

次も見たい。


natsu@風の人:

次も聴く。

耳は守る。


rena@水の人:

楽器も守る。


shiho@森の人:

通路も守る。


natsu@風の人:

それはふたりが頑張って。


rena@水の人:

はい、水の人、頑張ります。


shiho@森の人:

森の人も、枝を畳みます。


natsu@風の人:

風の人は、先に通ります。


rena@水の人:

ずるい。


natsu@風の人:

風なので。


shiho@森の人:

本日何回目。


natsu@風の人:

便利なものは、何度でも吹く。


rena@水の人:

最後ちょっとかっこいいのやめて。


natsu@風の人:

おやすみ、水の人。


shiho@森の人:

おやすみ、風の人。


rena@水の人:

おやすみ、森の人、風の人。

次は耳栓。


natsu@風の人:

次は耳栓。


shiho@森の人:

次は早め集合。


natsu@風の人:

次も、リバクラ。


rena@水の人:

うん。

次も、リバクラ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

Image Song

この物語のために制作したイメージ楽曲です。

YouTubeでイメージ楽曲を聴く

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ