1-4-5 RUN IT配信/恋愛相談オーダー
この話にはイメージソングがあります。
聴く場合はこちら:
コピペしてブラウザに貼り付けて、、、かっこいいからさ、、、
さきにこの話の曲、本当はまだ披露予定じゃなかったのに、、、
ORIGIN
https://youtu.be/v7r3_l4mYQM?si=l1vPLtDcNWjW9O6H
RUNIT
https://youtu.be/ptZZJdr_2hc?si=ezl42O50F9OaBGLV
nofake
https://youtu.be/oV7c-3TJMgM?si=WDW85lU6iqQsmqZy
決めろ!はコチラ
https://youtu.be/P_2d3hcx3Uw?si=hvvTW3RMB2adTtwN
RUN ITは、思ったより早く広がった。
イベントの翌朝には、もう切り抜きがいくつも上がっていた。
最初に伸びたのは、やっぱり最後のHookだった。
RUN IT, RUN IT
準備したなら RUN IT
その短いフレーズに、客席の声が混じった瞬間。
まだ初披露のはずなのに、会場が返している。
リバクルーだけではない。
知らない客も混じっている。
その映像が、何度も回された。
次に伸びたのは、アンコールを断った場面だった。
ありがとう。でも今日は俺らだけの夜じゃない。
このイベント全体の夜です。
続きは、また俺らの場所でやります。
コメント欄は、その二つで分かれていた。
RUN ITで熱くなった人。
アンコールを断った判断に刺さった人。
対バン相手に拍手を渡したリバクルーを褒める人。
「ATTACKやってほしかった」と悔しがる人。
「いや、だからこそ次がある」と言う人。
それらが全部混ざって、リバクラのタイムラインは朝から騒がしかった。
⸻
【リバクラ活動記録】
出来事:
外部イベント初出演/RUN IT初披露
フォロワー数:
前日比 +1,842
最大同時視聴者数:
未配信イベントのため未計測
切り抜き本数:
23本 → 71本
一番伸びた切り抜き:
『RUN IT初披露で初見客が声を出した瞬間』
214,000再生
トップコメント:
「初披露で客が返してるの、普通に強い」
二番目に伸びた切り抜き:
『アンコールを断って次の出演者へ声を渡すリバクラ』
168,000再生
トップコメント:
「やらない判断までライブなの、ちょっと好きになった」
⸻
wataは、その数字を見ながら、配信部屋の椅子に沈んでいた。
「見て。やらない判断までライブって言われてる」
mcRCはパソコンを開きながら頷いた。
「そこ拾われたか」
「拾われるやろ。あれ、かっこよかったもん」
EGUIがシェイカーを振りながら言った。
「自分で言うな」
wataは胸に手を当てる。
「いや、俺ら全員かっこよかったやろ。そこは認めていこうぜ」
EGUIは短く返す。
「調子に乗るな」
「出た」
mcRCは二人のやり取りを聞きながら、コメント欄の事前待機を見ていた。
すでに待機コメントが多い。
RUN ITの話聞きたい
あれ初披露だったの?
ATTACK温存なのずるい
アンコール断るの熱かった
対バン相手さんも良かった
次のイベント出るんですか?
RUN IT配信でやりますか?
mcRCは、少しだけ笑った。
あの夜は、まだ終わっていなかった。
ライブは一回きりでも、その意味は後から動く。
切り抜きになって、コメントになって、誰かの解釈になって、また自分たちのところへ戻ってくる。
リバクラは最近、その循環を知り始めていた。
自分たちが出したものが、受け取られて、少し形を変えて返ってくる。
それは嬉しい。
でも同時に、怖くもある。
言葉は、出した瞬間から自分たちだけのものではなくなる。
RUN ITも、そうなり始めていた。
wataが言った。
「今日、RUN ITちゃんと話すんやろ?」
「うん」
mcRCは頷いた。
「昨日のイベントの話と、RUN ITの話」
EGUIが言う。
「アンコールの話も」
「する」
wataがスマホを置いた。
「ATTACKの話は?」
mcRCは笑った。
「絶対来るやろな」
「来るよな。『なんでATTACKやらんかったんですか』って」
EGUIが短く言う。
「次で使う」
wataがニヤッとした。
「その言い方、いいな。次で使う」
「使える場所で使う」
mcRCは頷いた。
「ATTACKは、昨日撃つ曲じゃなかった」
wataが少し肩をすくめる。
「わかってる」
でも、その声にはまだ少し未練があった。
ATTACKは強い。
昨日の流れで出していたら、おそらく爆発した。
でも、それは昨日の勝ち方とは違う。
ORDERで開け、決めろ!で刺し、RUN ITで走らせる。
その流れを崩さないために、ATTACKは残した。
未消化の課題。
でも、未消化だからこそ次がある。
EGUIが配信画面を見た。
「始めるぞ」
mcRCは頷いた。
「いこう」
配信開始。
画面が切り替わった瞬間、コメントが一気に流れた。
きた!
RUN IT!
外部イベントおつかれ!
アンコール断ったの見た!
ATTACK温存許さん
でもかっこよかった
飯食った?
EGUIさん飯食えbot待機
EGUIが眉を動かした。
「誰がbotや」
wataがすぐ拾う。
「飯食えbot、起動しました」
「してない」
mcRCは笑いながら手を上げた。
「こんばんは。Reverse Crownです」
コメント。
こんばんは!
おつかれ!
RUN IT聞きたい!
今日は反省会?
対バンどうだった?
mcRCは、ゆっくり話し始めた。
「昨日、外部イベントに出てきました」
「配信でもストリートでもなく、対バン形式のイベント」
「俺らを知らない人も多い場所でした」
wataが続く。
「めちゃくちゃ知らん顔多かった」
EGUIが言う。
「だから良かった」
コメント欄。
だから良かったw
強い
知らん顔多いの怖くない?
初見客に届くのすごい
mcRCは頷いた。
「怖かったよ」
「でも、そこで届くかどうか見たかった」
「今回のセトリは、ORDER、決めろ!、RUN IT」
コメントが一気に反応する。
最高
NO FAKEなかったね
ATTACKもなかった
ORIGINもなし
RUN IT新曲だったの!?
wataが笑う。
「そう。RUN IT、初披露でした」
えええ
初披露であれ!?
客が返してたやん
やば
もう知ってる曲みたいだった
wataは少し得意げに胸を張った。
「まあ、俺らがすごいということで」
EGUIが即座に言う。
「客がすごい」
「それはそう」
mcRCも頷いた。
「本当に、客席がすごかった」
「リバクルーも、初見の人も、ちゃんと入ってきてくれた」
「だからRUN ITが走った」
コメント。
RUN ITが走った、いい
曲名回収
走ったね
あれ現地で聴いた人うらやましい
wataが画面に顔を近づける。
「で、今日はRUN ITの話をします」
「でもその前に、ひとつだけ」
少し間を置く。
「ATTACKは死んでません」
コメント欄が爆発した。
www
知ってる
温存!
ATTACK生きてた
次やれ
いつ撃つんだ
EGUIが短く言う。
「撃つ場所で撃つ」
wataが指を鳴らす。
「はい、これです。ATTACKは撃つ場所で撃つ」
mcRCも笑う。
「昨日はRUN ITの場所だった」
「ORDERで入口を作って」
「決めろ!で準備の話をして」
「最後に、準備したなら走れってRUN ITを出した」
「だから、昨日はATTACKじゃなくてRUN ITだった」
コメント欄に「なるほど」が増える。
曲順がメッセージってやつ?
1-4-1で言ってたやつだ
ORDER→決めろ→RUN ITの流れきれい
ATTACKは別の勝負曲か
mcRCは、そのコメントを見て少し笑った。
「そう。曲順はメッセージ」
EGUIが嫌そうに少しだけ目を細めた。
wataがすかさず言う。
「EGUI名言です」
「言うな」
「もう言ってる」
コメント。
曲順はメッセージ
名言
EGUIさん言いそう
書きました
Tシャツ化?
EGUIが言う。
「するな」
wataが笑う。
「公式がするな言うグッズ、増えてきたな」
mcRCは軽く手を振った。
「話戻すよ」
「RUN ITは、準備したなら走れって曲です」
コメントが静かになる。
mcRCは続ける。
「ORDERで、欲しいものを言っていい場所を作った」
「決めろ!で、ここぞで出せるように準備しろって言った」
「でも、準備しただけで止まってたら、何も変わらん」
「だからRUN IT」
wataが続ける。
「準備って、めちゃくちゃ便利な言い訳になるからな」
コメント欄がざわつく。
うわ
分かる
準備中ですって言い続けるやつ
まだ早いって言いがち
もっと勉強してから、ってなる
それ私
wataは頷いた。
「もっと練習してから」
「もっと自信ついてから」
「もっと環境整ってから」
「もっとタイミング来てから」
「言える。めっちゃ言える」
EGUIが低く言った。
「でも来ない」
「そう」
wataは指を鳴らした。
「タイミングって、向こうから王冠かぶって歩いてこないんよ」
mcRCが笑った。
「何その例え」
「いや、王冠とか俺らっぽいやん」
EGUIが言う。
「王冠が歩くな」
コメント欄が笑う。
でも、RUN ITの話の芯は崩れない。
mcRCは言った。
「もちろん、無準備で走れって話ではないです」
「準備は必要」
「考えるのも必要」
「怖がるのも自然」
「でも、準備したのにずっと止まってるなら」
「どこかで一歩出すしかない」
EGUIが続く。
「震えても走れ」
wataが乗る。
「完璧じゃなくてもRUN IT」
コメント。
震えても走れ
完璧じゃなくてもRUN IT
刺さる
でも怖い
仕事では分かる
趣味でも分かる
恋愛は無理
そのコメントを、最初に拾ったのはwataだった。
「恋愛は無理、来ました」
コメント欄が一瞬で反応した。
それ
恋愛は別
仕事なら自分が動けばいいけど恋愛は相手がいる
RUN ITできないやつ
走ったら事故る
告白RUN ITは怖い
友達関係壊れる
それは走れって言われても無理
wataは笑いかけた。
いつもの彼なら、ここで軽く茶化していたかもしれない。
「恋愛RUN ITは事故りそうやな」
実際、口から出かけた。
でも、コメント欄の速度と温度が一瞬で変わったのを見て、途中で止まった。
コメントが増える。
好きな人に言えない
今の関係が壊れるの怖い
言わないまま他の人に行かれたら嫌
でも言ったら困らせるかもしれない
走るって、自分だけの問題じゃない
相手がいることはRUN ITできない
EGUIが、画面を見たまま言った。
「走れって言えば済む話じゃない」
その一言で、部屋の空気が少し変わった。
wataは、静かに頷いた。
「……やな」
mcRCもコメントを追う。
恋愛。
急に来たように見えて、実はそうではなかった。
RUN ITの本質は、一歩踏み出すこと。
でも、踏み出す先に相手がいる時、人は急に止まる。
仕事なら、自分が準備して出せばいい場面もある。
趣味なら、自分がやると決めれば始められることもある。
でも恋愛は、自分だけが走っても成立しない。
相手の心がある。
関係がある。
これまでの時間がある。
壊したくないものがある。
mcRCは、マイクに近づいた。
「恋愛は、RUN ITだけじゃ足りないな」
コメント欄が静かになる。
「自分が走るだけじゃない」
「相手がいる」
「相手の気持ちもある」
「今ある関係もある」
「だから怖い」
wataが少し低い声で言った。
「しかもさ、告白だけじゃないやろ」
「付き合ってる中でもある」
「言いたいこと言えない」
「本当は嫌なのに、うんって言う」
「本当は寂しいのに、大丈夫って言う」
「相手に合わせてるうちに、自分の形が分からなくなる」
コメント欄が、一気に深くなった。
それ
付き合ってる中でもある
うんって言ってしまう
嫌われたくなくて合わせる
いい彼女でいたくて飲み込む
いい彼氏でいたくて強がる
怒ったら嫌われそう
泣いたら重いって思われそう
EGUIが言う。
「重いって言われるの、怖いからな」
wataが少し驚いたようにEGUIを見た。
「EGUIがそれ言う?」
「言うやろ」
「いや、分かるけど」
EGUIは画面を見ていた。
「本気で思ってることほど、重くなる」
静かになった。
コメント欄も、少しだけ速度が落ちる。
EGUIは続けた。
「でも、本気を全部軽く見せたら、相手には伝わらん」
wataが頷いた。
「それな」
mcRCは、その流れを見ながら、胸の中で何かが繋がり始めるのを感じた。
これは一人の恋愛相談ではない。
最初は「恋愛は無理」というコメントだった。
でも、そこから周りの声が重なった。
告白できない。
関係が壊れるのが怖い。
本音を言えない。
相手に合わせる。
「うん」で飲み込む。
怒れない。
泣けない。
本気を重いと思われたくない。
コメント欄が、ひとつの場所になっていく。
一人の悩みではなく、複数の生活が同じ痛みに集まっている。
レゾナンス。
共鳴が起きていた。
mcRCは黙って見ていた。
wataも、いつものようにすぐ言葉をかぶせなかった。
EGUIも、コメントを流さなかった。
そこへ、ひとつのコメントが来た。
「行かないで」って言いたいわけじゃないんです。
でも、できるなら、もう少しだけ自分のそばにいてほしい。
そう思ってることすら、うまく言えないです。
「うん」って言ってた方が、優しい人でいられる気がして。
そのコメントは、長かった。
でも、流れなかった。
誰かがスクショするような間があった。
その後、コメント欄が一気に動いた。
わかる
それ
うんって言ってしまう
優しい人でいたいの分かる
行かないで、は重い
でもそばにいてほしい
言えない
めっちゃわかる
泣いた
これ私
これ俺もある
wataは、軽く息を吐いた。
「……これは、ひとりじゃないな」
mcRCは頷いた。
「うん」
EGUIが短く言った。
「拾った方がいい」
その言い方は、静かだった。
でも、ほとんど決定だった。
mcRCはまだコメントを見ていた。
次々に、似た声が出てくる。
相手が優しいからこそ言えない
わがまま言ったら崩れそう
合わせてたら、いつの間にか本音が分からなくなった
でも気づいてほしいって思ってしまう
ちゃんと言わないと伝わらないのも分かる
言ったら嫌われるかもと思う
好きだからこそ言えない
wataが言う。
「これ、ただ“告白しろ”じゃないな」
EGUIが頷く。
「違う」
mcRCは、ゆっくり言った。
「本音を言っても壊れない関係にしたい、って話やな」
コメント欄が反応する。
それ
それです
本音を言っても壊れない関係
違うって言っても離れない
怒っても終わらない
泣いても重いだけにされない
それが欲しい
wataは、言葉を探すように手元のペンを回した。
「RUN ITは、走れって曲やけど」
「これは……走る前に、言わなあかんやつか」
EGUIが言う。
「言え」
wataが少し笑った。
「短い」
でも、誰も否定しなかった。
言え。
それが、核だった。
でも、ただ言えでは足りない。
「本音を言え」と命令するのは簡単だ。
そうではなく。
言っても大丈夫な場所にする。
聞く側が受け止める。
「うん」だけでは見えない心を、ちゃんと聞く。
優しさに甘えていた側が、今度は返す。
mcRCは、ふと一つのフレーズを呟いた。
「Say it to me」
wataが顔を上げた。
「え?」
「Say it to me」
mcRCはもう一度言った。
「俺に言って」
「本音を聞かせて」
「うん、だけじゃ見えない heart」
コメント欄が反応した。
Say it to me
うわ
タイトル?
それいい
うん、だけじゃ見えないheart
やばい
もう曲じゃん
wataは、ペンを握り直した。
「待って。今の残す」
EGUIが言う。
「残せ」
wataはメモに書いた。
SAY IT TO ME
その文字を見て、mcRCの中で曲の輪郭が少しだけ見えた。
帰り道のライト。
濡れたアスファルト。
通知のない画面。
「大丈夫」って言葉を信じたふり。
でも本当はSOSを聞き逃していた。
wataが、早口ではなく、少し静かに言った。
「“うん”って頷く、その奥のブルー」
mcRCが顔を上げる。
「それいい」
wataは続ける。
「全部飲み込む、君の優しさ too good」
コメント欄。
もう書き始めてる
早い
うんの奥のブルー
優しさtoo good
痛い
EGUIが、低く言った。
「違うなら違うって言って」
その一言で、またコメントが動いた。
それ言われたい
違うって言っていい関係
泣く
それ
もう曲になってる
mcRCは、マイクを握ったまま、画面を見た。
「これは……」
少しだけ笑う。
「オーダー入りまーす、でいい?」
コメント欄が爆発した。
きたああああ
オーダー入りまーす!
恋愛オーダー!
SAY IT TO ME!
これは聞きたい
俺のセリフだ!
私のコメント拾われた?
みんなの曲だ
リバクラ恋愛曲きた
wataがすぐに言った。
「ただし」
コメントが少し止まる。
「これは、一人の相談だけで作る曲じゃないです」
mcRCも頷く。
「うん」
「今、いろんな声が重なった」
「恋愛で走れない人」
「言えない人」
「合わせすぎる人」
「優しさに甘えてしまった人」
「本音を聞きたい人」
「言っても壊れない関係が欲しい人」
「その声が重なったから、オーダーになります」
EGUIが短く言う。
「一人の痛みじゃなくなった」
コメント欄が静かに流れる。
それがリバクラのオーダー
共鳴してから曲になる
これいい
一人じゃないの救われる
レゾナンスだ
wataが「レゾナンス」の文字を見て、少し笑った。
「レゾナンスって言ってる人おる」
EGUIが言う。
「共鳴やろ」
mcRCは頷いた。
「そう。共鳴」
「それが起きたら、俺らは拾う」
少し間を置く。
「SAY IT TO ME」
「作ります」
コメント欄がまた流れる。
待ってる
絶対聞く
泣く準備しとく
恋愛曲だけど重そう
でも優しそう
RUN ITからここに来るのすごい
wataが画面を見ながら言った。
「RUN ITから、まさかこっち来るとはな」
mcRCも笑った。
「でも自然やったな」
EGUIが言う。
「走るだけじゃ足りんって分かった」
wataが頷いた。
「そうやな」
「走れ」
「でも相手がいるなら」
「ちゃんと聞け」
mcRCが続ける。
「ちゃんと言え」
EGUIが締める。
「逃げるな」
wataが少し笑う。
「結局そこはEGUI」
「でも優しく言え」
mcRCが言うと、EGUIは少しだけ黙った。
「……それは、努力する」
コメント欄が笑いに変わる。
EGUIさん努力するw
優しく言えチャレンジ
でも今の好き
逃げるな、でも優しく
SAY IT TO ME楽しみ
mcRCは、少しだけ肩の力を抜いた。
今日の配信は、RUN ITの話をするつもりだった。
外部イベントの話。
アンコールを断った話。
ATTACKを残した話。
次の大きなイベントへの引き。
それだけで十分だった。
でも、RUN ITは別の扉を開けた。
走れ。
その言葉は、恋愛の前で一度止まった。
そして、止まった場所から別の曲が生まれた。
SAY IT TO ME。
それは、RUN ITの否定ではない。
RUN ITの先にある、別の答えだった。
自分だけが走ればいいわけではない。
相手がいるなら、聞く。
言う。
受け止める。
違う歩幅を、ちゃんと見つける。
wataが伸びをしながら言った。
「また宿題増えたな」
mcRCが頷く。
「増えた」
EGUIが言う。
「作れ」
wataが笑う。
「はい」
mcRCは画面に向かった。
「今日はありがとう」
「RUN ITの話から、SAY IT TO MEのオーダーまで来るとは思ってませんでした」
「でも、これがリバクラの配信やなと思います」
「こっちが予定してた話だけじゃなくて」
「みんなの声が重なって、次の曲が見える」
コメント。
それが好き
オーダー文化
次待ってる
SAY IT TO ME待機
RUN ITも配信でやって
ATTACKも忘れないで
wataがすぐ拾う。
「ATTACK忘れてません」
EGUIが言う。
「使う場所で使う」
mcRCが笑う。
「それもまた、次の宿題」
「でもまずは、SAY IT TO ME」
「ちゃんと作ります」
最後に、EGUIがマイクを少し近づけた。
「飯食え」
コメント欄が爆笑する。
出た
飯bot
締めが飯
恋愛相談から飯
でも大事
EGUIは真顔で続けた。
「恋愛の悩みは、空腹で考えるな」
wataが腹を抱えた。
「今日一番実用的」
mcRCも笑った。
「ほんまにそれ」
笑いの中で、配信は終わった。
でも、コメント欄には最後まで流れていた。
Say it to me
本音を聞かせて
うん、だけじゃ見えない
オーダー入りまーす
画面が暗くなる。
部屋に、静けさが戻る。
wataは、すぐにメモを見た。
SAY IT TO ME
その下に、いくつかの言葉が並んでいる。
うん、だけじゃ見えない heart。
違うなら違うって言って。
優しさに甘えてた俺が、今度は受け止める番。
泣いてもいい。
怒ってもいい。
本音を聞かせて。
mcRCは、その文字を見ながら言った。
「恋愛曲やけど、ただ甘くはならんな」
wataが頷く。
「ならん」
EGUIが言う。
「甘いだけならいらん」
mcRCは笑った。
「そうやな」
甘いだけではない。
痛みがある。
後悔がある。
優しさに甘えた鈍さがある。
本音を言えなかった側の寂しさがある。
そして、今度は受け止めたいという意思がある。
SAY IT TO ME。
次のオーダーは、もう始まっていた。
第四章は、外へ出る章だった。
ホームじゃない夜で、知らない客に出会った。
RUN ITで走らせた。
アンコールを断って、場を渡した。
次の大きなイベントへの扉も開いた。
そして最後に、配信の中で、別の扉が開いた。
恋愛。
でも、ただの恋愛ではない。
相手を縛る曲ではない。
自分だけ走る曲でもない。
本音を言っても壊れない関係を願う曲。
mcRCは、椅子にもたれた。
「次やな」
wataがペンを回す。
「SAY IT TO ME」
EGUIが短く言う。
「作るぞ」
三人は頷いた。
外の場で得た熱は、次の配信で別の形になった。
RUN ITの足音は、恋愛の前で一度止まり。
そこから、新しい声が生まれた。
言ってほしい。
聞かせてほしい。
優しさの奥に隠した、本当の声を。
リバクラの次のオーダーは、静かに始まっていた。
この話にはイメージソングがあります。
聴く場合はこちら:
コピペしてブラウザに貼り付けて、、、かっこいいからさ、、、
さきにこの話の曲、本当はまだ披露予定じゃなかったのに、、、
ORIGIN
https://youtu.be/v7r3_l4mYQM?si=l1vPLtDcNWjW9O6H
RUNIT
https://youtu.be/ptZZJdr_2hc?si=ezl42O50F9OaBGLV
nofake
https://youtu.be/oV7c-3TJMgM?si=WDW85lU6iqQsmqZy
決めろ!はコチラ
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