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魔法設置〜異世界行ったら不労を目指す〜  作者: yuki
第5章 歴史の転換点編
62/122

第10話 劇

本日2話目です。

聖教国を観光し始めて三日目、朝早く、オーダーメイドを頼んだ武器屋に来ていた。

「できたぞ、坊主」

「本当に!?」

「ああ、いい仕事をさせてもらったぜ」

アルベルトは、店主から短剣を受け取り、視てみた。


=緋剣=

緋色金を素材に使った、最上位の短剣


よし、これであとは俺の魔力を流し込むだけだな。

「ありがとう、おじさん!」

「いいってことよ」

お金を払い、店を後にした。


「ただいま〜」

宿の部屋に戻ると、アイナが迎えてくれた。

「どこ行ってたの?」

「これだよ」

アイナに短剣を渡しながら言った。

「あ、これすごい手に馴染む」

「ならよかった」

あのおじさん相当腕が良かったな。


「あと、いくつか素材を混ぜたいからさ、ちょっといい?」

「ええ、お願いするわ」


よし、なら短剣の形はそのままで、今持っている太古の魔石と魔力を素材に・・・・・

「あ、そういえば属性つけたりする?」

「属性?そうね・・・・・」

アイナはしばらく考え、思いついたように答えた。


「”雷”とか?」

「雷か・・・・・・」

雷というと、遺物から読み取れた英雄の過去で見たあの落雷が思い出される。

あれは、凄まじかったな・・・・・。

「アル?」

「いや、なんでもないよ」

雷をイメージし魔力を流し込みながら、短剣に魔石を溶かし込んだ。


「よし、完成!」

出来上がった短剣は、バチバチ言っていた。



=雷霆・ケラウノス=

その一振りは、全てを斬る。切り口は、雷で焼かれる。

破壊不可。



「おお〜、すごいのできたな」

「こんなの使っていいの?」

アイナも詳細を聞いて、使えるのかどうか悩んだ。

「大丈夫だよ。ちょっと手かして」

アイナの手をとって、彼女の魔力を注ぎ込んだ。



=雷霆・ケラウノス=

その一振りは、全てを斬る。切り口は、雷で焼かれる。

破壊不可。アイナ専用武器。



「これでよし」

「相変わらずすごいわね」

そう言いながら短剣を受け取り手に馴染ませていた。

「試しにスキル使わず、これ切ってみて」

緋色金を出し、試し切りをしてもらうことにした。

「ええ」


アイナは、ゆっくりと緋色金の上に短剣を触れさせ、そのまま上に振り上げた。


”スパッ”


「「え?」」

アイナが振り下ろす前に緋色金は斬れていた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


「ま、いいか」

世界最強の鉱石は、刃が触れただけで斬れた。

この短剣の強さに加え、”捌くもの”があるのだ。

これで、おそらくアイナにきれないものは無くなった。



◆◆



その後、食材を大量に買ってきたアリスたちと朝食を取っていた。

「今日はなにするの?」

「どうしようか・・・・・」

なにも決めていなかった。

短剣を受け取りに行くことが今日1日の最大イベントであったため、それ以降は考えてなかった。


「あ、そういえば、劇がやってるらしいぞ」

セナが、教えてくれた。

劇か・・・・・。

前世でもそういうのは見たことなかったな。

「いいな、それ。行ってみようよ」



「よし、行こうか」

最低限のものだけを持ち、他は、アイテムボックスに入れ宿を出た。

「どこに行くんじゃ?」

聞いてなかったのかよ。

「劇だよ、劇」

「劇?」

「そう、劇」

「劇ってなにをするんじゃ?それは美味いのか?」

食いもんのことしか書いてないのかよ。


「あー、そう言えばそうだなぁ」

なにするか知らねーや。

「劇ってなにするの?」

提案をしてくれたセナに聞いた。

「聞いた話では、『英雄物語』を演じるらしいぞ」

『英雄物語』か・・・・・。

俺は、読んだことがないっていうか、『英雄の真実』にしか見えないからな〜。


「あー、あれをやるのか」

ラキナも何か思うところがあるのかな。

「ラキナは『英雄物語』を読んだことあるの?」

「いや、ないな」

そうか、ここに『英雄物語』を知らない人、読めない人が二人。

そう考えると、意外と楽しめそうだな。



「お、ここじゃないか?」

結構でかいな。こんなに大きな舞台とは思わなかった。

「すごいね、ここ」

アリスも驚いていた。

確かに、でかいが・・・・・。

でかすぎじゃないか?


「とりあえず入ろうか」

「だね」

セナに促され、会場に入った。

セナが今までで一番テンションが高い気がする。

「セナ。もしかして、楽しみだったの?」

「!?。そ、そんなことは・・・・・」

「えー、楽しみにしたのに〜」

「あ、アリス!?」

あっさり、暴露されていた。


「別に隠さなくてもいいのに」

「い、いや、私みたいなのが、このような・・・・・」

「別におかしなことはないと思うけど」

「そ、そうか?」

そうだ。このイケメン美女が劇を誰よりも楽しみにしているのは、なにもおかしなところはない。

むしろ、いい。




「ここら辺でいいかな」

一番見やすそうな位置を選び、5人分の席を取った。

「楽しみだね、アル君」

「だね」

「私も劇は始めて見るわね」

「そうか、なら全員初めてで良かったな」

「セナも初めてなの?」

「ああ、いつか見てみたかったんだが、行く機会もなくてな」

そうか、今日のテンションは、その我慢が溢れ出ていたのか。



「申し訳ございません、隣よろしいですか?」

一番通路側に座るアルベルトの隣に座らせて欲しいと、フードで顔を隠した女性が声をかけてきた。

「いいですよ」

どうぞと、着座を促す。

「ありがとうございます」

にしても、上品さが一足一頭足から溢れ出てるんだけど・・・・・。

どこかの貴族か?

「どうされました?」

「いえ、なんかやけに上品だなと」

「ああ、そういうことですか。まあ、それなりに教育されてきましたので」

やはり貴族か。


「む?なんじゃ、セリカじゃないか」

「ラキナ知り合いなの?」

意外だ。こんなところでラキナの知り合いに会うとは。

「ええ、お久しぶりです。ラキナさん」

「元気じゃったか?」

「ふふ、最近は少し忙しいですね」

「そうか」

二人は、結構長い仲らしいな。


「あの〜、ラキナとはどういったご関係で・・・・・」

このラキナと知り合いだ、何かあるはず。

「わたくし、この国で聖女をやらせてもらってます」

聖女?聖女ってあの?

「なんでこんなところに?」

「ふふ、抜け出してきちゃいました」

てへっ、とはにかみ笑顔を見せる。

「まったく、かわっとらんのお主も」

「そういうラキナさんは、変わりましたね」

「そうかの」

「ええ、そうですよ。みなさん変わっていきました」

二人の間に、過去を懐かしむような雰囲気が流れた。

俺を挟んで、そんな空気を醸し出さなくても。



アリスたちにも紹介をし、世間話をしていると、劇が始まった。

この劇は、三部構成になっており、少年期から最終決戦まで、分けて行うらしい。


「それでは、これより英雄となった少年の始まりの日々をお楽しみください」


垂れ幕が上がっていくと同時にアナウンスが流れ、壮大な演劇が始まった。



◆◆



「やあ、イリア!」

「おはよう、マルス!」

そんな、セリフとともに始まったが、初っ端から違和感しかなかった。


なんだこのセリフは、あの時のマルスはこんなんじゃなかったぞ。

「クク・・・・・・」

声が聞こえ、隣を見るとラキナが笑いを堪えていた。

「おまえ・・・・・ここで笑うなよ」

「わかっておるわ・・・・・・く・・・・」

実際に見てきた人にとって、本物とのギャップに悶え苦しむことになるだろうと予想した。


セナは、目を輝かせ見ており、アリスとアイナも、興味深く見ていた。


「お師匠様!私に魔法を教えてください!」

「先生!私にも!」

お師匠並びに先生ことラキナが劇に登場した。

これには、思わず・・・・・

「誰だあれ・・・・・」

目の前でラキナをイメージし、彼女を演じているのは、妖艶な美女だった。

本人と美女を何度も往復し、確かめた。

「全然似てねぇ」


「おい、ラキナ。おまえすごいイメージで伝わってるぞ」

詐欺じゃねえのか?

「良いではないか」

「は?だってあれ明らかに・・・・・」

「良いではないか」

同じセリフが返ってきた。

ん?こいつ・・・・・・。


「おまえ、自分があんなふうに思われてると知って喜んでるな?」

「!?」

「まさか・・・・・・」

「そ、そんなわけあるかい!」

劇の邪魔にならないように、気を遣っているため静かに言い争いを繰り広げていた。


「まあ、いいじゃありませんか、それぞれが楽しめれば」

セリカ様の言葉で、落ち着くことができたが、ラキナの演者を見るだけで、笑いが出てくる。

「おまえ、あとで覚えてろよ?」

「はいはい」



言い争いをしている中、劇は、まもなく一部終了近づいていた。



「お、あれって、クレアって人じゃない?」

マルスたちのそばにいたエルフは、彼女しか知らない。

「そうじゃな」

「ですね・・・・・」

ラキナも聖女もあまりいい話ではないようだ。


気まずい雰囲気にはなったが、第一部がちょうど終わった。


「これで、第一部を終了します。第二部については、このまま、上演をさせていただきます」


「みんなどうする?見ていく?」

「うん!」

「せっかくだから見ていきたいわね」

「私も、最後までぜひ」

ラキナ以外は、見ていくらしい。

「ラキナは?」

「・・・・・・ん?」

「いや、劇。このまま見ていく?」

「ああ、そうしようか」



「では、私はここで失礼しますね」

聖女様だけが帰るようだ。

「見ていかないんですか?」

「ええ、あまり長居しますと見つかっちゃいますので」

「そういうことですか。では、また機会があれば」

「ええ、また」

そう言って、彼女は会場を後にした。



「それでは、第二部『裏切り』を開演します。皆様、席におつきください」


◆◆



「いかがでしたか?聖女様」

「ええ、楽しめたは、彼にも会えたことだし」

セリカは、会場を外から見ながら笑顔を見せた。

「そうですか。それは良かったです」

「帰りましょうか」


セリカと侍女は、その場から消えるようにして街から姿を消した。






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