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【書籍、コミック発売中】転生幼女は教育したい! 〜前世の知識で、異世界の社会常識を変えることにしました〜  作者: Ryoko(湖森遼)
〜SS作品〜

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コミカライズ記念S S アメリアの茶道教室?

96話と97話の間くらいのお話。

コミカライズ出版記念のS Sになります。

コミックシーモアから4月11日より配信中です!


 今日はセーバの町の主要メンバーを集めての勉強会の日。


 本日のテーマは茶道。


 倭国からやって来たタキリさんをお招きしてのお茶会から数日。


 いや、あのお茶会は想像の斜め上の展開で、今でもちょっと戸惑ってるんだけどね。


 とはいえ、あの話の流れから考えても、今後セーバの町と倭国との関係は相当に親密になると思うんだよね。


 そうなると、当然、倭国の人たちとの付き合いも増えてくる。


 ここにいるメンバーは全員子供だけど、それでも私の側近でセーバの町を支える主要メンバーであることに変わりないからね。


 当然、偉い人と会談する機会も増えてくるわけで……。



「そんなわけで、今日はみんなに最低限のお茶席でのマナーを覚えてもらいます」



 そんな私の宣言に戸惑いを見せるのは、公爵邸勤めのレジーナとカノンを除くほぼ全員。


 いや、レオ君も!?


 きみ、貴族だよねぇ?



「あのぉ、アメリア様、サドウってなんですか?」



 あぁ、そこからかぁ……。



「なんだアン、茶道も知らないのか?」


「なら、お兄ちゃんは知ってるの?」


「えっと……茶道ってのは、倭国のお茶を飲むことだよ」



 そんなふうに話すのはアンさんとユーノ君の兄妹。


 2人はセーバの町の工業部門担当だ。



「……えっと、確かコップ? 茶碗? をくるくる回すやつじゃなかったっけ?」


「それ、聞いたことある。確か、正座して飲むんだよ」



 そう話すのは漁業船舶部門担当のユーベイ君と農業酒造部門担当のハーベ君。



「いやいや、茶道ってのはす〜ごくキツい修行なんだぞ。

 精神が研ぎ澄まされて魔法が上手くなるって父上が言ってた。

 俺は父上にず〜と正座させられて……うっ、うぅ」



 俯いたまま恐怖に耐えるように足を震わせるレオ君。


 アルトさん、いったいレオ君に何させたの!?


 そんなレオ君の様子に、みんなもすっかり尻込みしちゃってるし……。



「もう! レオ君、茶道はそんな怖い修行とかじゃないよ。

 お茶もお菓子も美味しいし、気分だってすっきりするんだから」



 これは、段階を踏まないといけないかなぁ。


 と、そんなわけで、まずは立礼棚りゅうれいだなを使っての呈茶ていちゃから体験してもらうことにした。


 立礼棚ってのはお茶をてるためのキッチンテーブルみたいなもので、明治の頃に外国人をもてなすために考案されたもの。


 ふつうの茶道みたいに畳に正座してするんじゃなくて、お茶を点てる亭主もお客さんも、みんな椅子に座ってだから、正座が苦手な人でも安心して楽しめるんだよね。


 よく観光地なんかでやってるのは、だいたいこのスタイルだ。


 ちなみに、たまに観光地で見かける“呈茶”っていのは、ふつうにお抹茶と和菓子を出してますって意味にとって問題無し。


 作法とか気にせず、誰でも気楽に楽しめるようになっている。



「うわぁ、このお菓子おいしい!」


「このお茶、ちょっと苦いな」


「うん、でも、甘いお菓子を食べた後だと、口の中がさっぱりして丁度いいかも」



 うんうん、いい感じだね。


 ちなみに、茶道の作法、というか、お抹茶の楽しみ方なんだけど、


 まずお菓子を全部食べる。で、その後お茶を一気に飲み干す。


 これが正しいお抹茶の楽しみ方。


 コーヒーとケーキみたいにちょっとずつ交互にいただいたりはしないんだよね。


 まずお菓子の味を楽しむ。


 で、口の中が甘ったるくなって、それを洗い流したいなってタイミングで、今度は少し苦めのお茶を飲むと……。


 口の中に残った甘さとお抹茶の苦さが程よく混ざって、いい感じになるってわけ。


 あと、お抹茶を一気に飲み干すのは、せっかくの美味しいお茶を冷まさないって意味もある。


 お抹茶は量も少ないから、出されたらすぐに飲まないと、すぐに冷めて美味しくなくなっちゃうからね。


 もう一度言うけど、お菓子が先、お抹茶が後。


 席でのんびりするのはいいけど、出されたものは美味しいうちにさっさといただくこと。


 これだけ守ってれば問題無い。


 と、ここまではふつうのお茶のいただき方。


 で、次は正式なお茶席でのマナーなんだけど……。



「「「うぅぅうぅ……足が痛いです!」」」



 レオ君じゃないけど、慣れないと正座はやっぱりキツいよねぇ……。


 私も正座は苦手な方だったから、気持ちはよ〜くわかる。


 足の親指を合わせるとか、ハの字にして間にお尻を落とすとか、色々言われたけど……。


 全然ダメだった。


 そんな中で、私なりに色々試して一番効果があった方法をみんなに伝授することにする。


 それはずばり! ストレッチ。


 茶道って、なに気に体育会系だからね。


 運動の前には準備体操をするって、当たり前でしょう。


 普段使わない足の筋肉を使って、普段はしない関節の動かし方をするわけだからね。



「いい? みんな正座した? そうしたら、そのまま上半身をグッと後ろにそらしていって。


 そう、後ろに倒れそうになったら手で支えていいから、できるだけお腹と太ももの筋肉をグッとそらしてね」



 このストレッチを何度かやってもらい、改めてみんなに正座してもらうと……。



「あっ、足が痛くない!」


「うん、最初より全然楽だね」


「……確かに、足の間にお尻が落ちる感じがする」


「そうだねぇ。なんか上半身も安定したような……」



 うん、みんなにも効果があったみたいで良かった。


 まずは、この方法で少しずつ正座に慣れていってもらおう。



「うぉ! 足、痛くないぞ! この方法さえ知っていれば、父上の訓練にも耐えられたかも……」



 ……レオ君、茶道は訓練じゃないからね。



「はぁ、嘆かわしいです。他のみなさんと違ってレオ様は貴族なのですから、そんなことでは困りますよ」



 全然貴族とは思えないレオ君の様子に、苦い顔のレジーナだけど……、



「そんなこと言ったって、キツいものはキツイんだよ……カノンだってそう思うだろ?」


「えっ? あっ、と、その……私も早くレジーナ様のようになれるよう精進いたします」



 この反応だと、まだカノンも戦力にはなりそうにないね。


 サマンサは倭国の有名人みたいだから、不用意に倭国の要人の相手をさせるのは問題あるかもしれないし……。


 せめて、レジーナ程度に茶道の心得のある側近がもう一人いればいいんだけど……。


 レオ君は全然当てにならないし、カノンもまだ無理そう。


 他にもやらなきゃいけないことが山積みだってのに……。



 数週間後、この問題を解決してくれる助っ人がセーバの町にやってくることを私はまだ知らない。


 もっとも、その新たな助っ人は、更なる頭の痛い問題をセーバの町にもたらすことになるんだけどね……。


ご無沙汰しております。

Ryoko(湖森遼)です。

はい、ペンネームを変更? 追加? しました。

実は最近、教育、哲学、旅などをテーマにしたブログを始めまして、それに合わせてペンネームも変えてみました。

『Ryoko’s Atelier:学び・旅・物語』

https://learning-journey.net/

よかったら、こちらもよろしくお願いします。


さて、コミカライズです!

2026年4月11日コミックシーモアより先行配信中です。

https://www.cmoa.jp/title/355146/

と言っても、だいぶ時間が経ってしまって、なにやら久しぶりに会った姪っ子でも見るような気分ですが……。

これを機に、書籍3巻刊行が決まればいいなぁ……とか、

夢を見るのは大切ですよね。


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