三本の矢
「そういや名前を聞いてなかったな、名前はなんて言うんだ?」
「サーニャ・ウルスラです!」
いい名だ、とバルビダが頷いていた。
アジトへ向かってる途中に一人殺意を放つ者が立っていた。
「あれは敵だ、相当強いぞ。」
バルビダが警戒している、余程強いのだろう。
「貴方達を止めに来ました、ここで死んで頂きます」
「お嬢ちゃんら先に行け、宝石級も着いて行ってくれるから平気だろう」
「で、でも!」
「私達は一応金級よ?舐めないでもらいたいわ」とルーシュが少し拗ねていた。
「では、先に行きます、お気を付けて下さい」
先に行くという事はまだ強い人がいるかも知れないが、こちらには宝石級がいるし、倒せれば自分達の経験も増え、更には銅から銀へと上がるからだ。
走っているとまた一人黒色のチャイナ服を着た如何にも怪しい人が立っていた。
「あら、貴方達は銅級の方じゃない、金級の方と戦いたかったなあ。」
彼女はガッカリしていた。
「まあでも敵だし〜、殺すしかないよね」
彼女の微笑みで身体が震えた、殺しを楽しんでいるのだ。
「ザウリス、サーニャ、俺はお前らを銅からあげたいから一切攻撃はしない、だが死なないようにサポートはする、安心してくれ、宝石級のサポートだぞ?」
確かに宝石級の方のサポートはデカイしとても頼もしい。
「それじゃあ頼りますね」
自分はニッコリと笑い相手に剣を向けた。
「俺の名前はザウリスだ!お前の名を教えてもらおう!」
「ん〜?私の名前はスールーよ〜、盗賊団の三本の矢の一人で〜す」
三本の矢というのは盗賊団の一人のリーダーと二人の副リーダーで構成されていて、副リーダーの職業は武闘家、忍者がいるという所までは把握している。
「サーニャ、俺の援護を頼む、間合いを詰められたらテレポートを使って逃げても構わない」
「分かりました!やってみます」
人生初の戦いが有名な盗賊団の副リーダーだとは思いもしなかった、不安と恐怖が抑えられない。
「んじゃ行きますよ〜」
彼女は構え始めた、次の瞬間、一気に間合いを詰めて来た、どういう能力が使えるかとか考える前に詰められてしまった、魔法の盾<マジックシールド>の発動が間に合わず剣でガードした。
「あら、剣でガードするの?戦技:武器破壊<ウェポンブレイカー>」
武器が折れてバラバラになってしまった。
「なっ!?」
後ろに下がったが続け様に攻撃をして来た。
「魔法:聖なる矢<ホーリーアロー>」
サーニャの攻撃でスールーが下がった。
「あらら、戦士なのに武器無くなっちゃったねえ?どうするのかな〜?」
「魔法:武器生成、渡すぞ」
別空間から武器を取り出す戦技だ、宝石級の方がその使い手で良かった。
「ふ〜ん、そんな事も出来るんだ〜」
パチパチと拍手していた、余計なお世話だ。
「じゃあこっちも本気でやるよ〜」
「くっ、魔法:土壁<ウォール>」
これで詰められまいと思っていた。
「そんな薄い壁じゃガード出来ないよ〜?戦技:衝撃波」
壁に手を当て、戦技を発動した、次の瞬間壁が粉砕し粉々になった。
「うっそだろ…」
後ろに下がりながらドン引きした、なんちゅー威力だ!
「武闘家だからこういう事も可能なのよ〜」
手首をくいっと挑発のポーズをした、敵ながらカッコいいと思ってしまったが、気を取り戻し構えをした。
「え〜?攻撃してこないの〜?もしかして〜?そういう趣味〜?」
「いいや戦技さ、速さに追い付けないのでね」
「確かに〜頭いいね〜それじゃ行くよ〜?」
「戦技:太刀一刀」
この技は一人で練習してた時に比較的簡単で初心者が扱いやすいとバルビダさんから教わった技だ、ただの刺突だがその分速いし安定性があるから素早いスールーに対抗出来るはずだ、とそう判断した。
向こうが来たタイミングで戦技を使用した。
「はあああああ!」
攻撃が入ったが、こちらも吹っ飛ばされた。相手の腹に刺さったのだ。
「中々やるね〜だけど貴方はもう動けないよね〜?直撃だもん、回復貰わないとねえ」
右手と胸の骨が折れ、盾を展開出来ない状況であった。
「サーニャ!聖魔法で相手に攻撃して時間を稼いでくれ!」
「わかりました!魔法:光の矢<ホーリーアロー>」
相手が避けている間に左手だけ回復させたが、まだ痛みは残ってる。
「あ〜もう、鬱陶しいなあ。」
彼女の狙いはルーシュに向いた。
「サーニャ!テレポートして逃げろ!間合いを詰められたらおしまいだ!」
「分かりました!魔法:短距離転移」
彼女は宝石級の後ろまで下がった。
「いい連携だね〜、こりゃ面倒だな〜」
「上位魔法:重力操作」
宝石級の魔法でスールーが動けなくなった
「う、動けない」
「今だ!やれ!」
「はあああ!戦技:太刀一刀」
俺の刺突は彼女の胸に刺さった、倒せたのだ。
「強い人だね〜、こりゃ一本取られたな…」
「あんたは味方として欲しかったが、さよならだ。」
「スカウトは無駄だ…よ…」
そう言い彼女は死んでいった。